3月19日、名古屋のアメリカ領事館へ申し入れを行いました。
・・・・・・・・・・<申し入れ文>・・・・・・・・・
名誉ある撤退を
2003年3月19日
アメリカ合衆国 ブッシュ大統領 殿
有事法制反対 ピースアクション
私たちは、昨日貴下がなされた演説を、深い失望と、こみ上げる
怒りをもって聞きました。そして、貴下がその決定を撤回すべきこ
とを強く訴えるためにここに来ました。
あなたは大変な過ちを犯しています。
第一に、世界の超大国である貴国は、国際社会の総意を踏みにじ
り、国連安全保障理事会の決議もなしに、戦争という『最悪の手
段』に委ねようとしていますが、それは、貴国を中心として作り上
げてきた戦後の国際秩序を、貴下が完全に踏みにじることを意味し
ています。貴下こそが『ならず者』という他ありません。
第二に、貴下の決定は、国際社会における貴国の名誉を辱め、威
信を失墜させ、信頼を損ないました。国際社会における貴国の現在
の姿は、独善的で、利己的で、傲慢で、しかもあろうことか幼児的
とさえ見られています。
そして貴国は、国際社会における貴重な友人を失うことになるで
しょう。
第三に、貴下は、イラクに対するこの戦争で容易く勝利できるも
のと思い違いをしています。それは、すでに貴国のマスコミが報道
しているとおりであります。
インディペンデント紙では、湾岸戦争のとき米軍の軍事作戦を
練った元将校が「湾岸戦争のような完勝型の戦争ではなく、ソマリ
ア戦争(1993年)のような大失敗で終わる可能性が大きい」と
警告を発していますし、ニューヨークタイムズ紙などにも反戦的論
評が多く掲載されるようになりました。
しかも貴国のイラク攻撃に乗じてイスラエルがパレスチナに対す
る軍事侵攻を一気に強めるとの見方がますます強くなっており、そ
うなれば、中東地域全体に戦火が拡大するほかなくなるでしょう。
私たちは、あなたのイラク攻撃が第三次世界大戦の引き金になる
のではないかと、真剣に憂慮しています。
第四に、これが最も重要なことですが、イラク攻撃によって米国
が獲得するのは、貴国市民の将来の安全などでは決してなく、暴力
と憎しみの連鎖による一層のテロの恐怖に他ならないということで
す。貴下はそのような愚かな決定を下すのでしょうか。
貴下が尊敬してやまないご尊父ブッシュ元大統領も、ボストンの
タフツ大学の講演において「国際社会の協調なしにイラク侵攻した
ら、パレスチナ和平が完全に破壊されてしまう」「アメリカの単独
侵攻に反対する人々の意見には道理がある」と述べました。
是非耳を傾けてください。そして、昨日の決定を直ちに撤回して
ください。
60年代のキューバ危機を回避した故ケネディ大統領のことを思
い起こしてください。
愚かな軍事侵攻よりも、名誉ある撤退を選択される勇気をお持ち
ください。
今ならば、まだ間に合います。