【要請書】
三菱重工業 取締役社長 泉澤清次様
憲法違反の敵基地攻撃ミサイルとなる「12式地対艦誘導弾」の長射程化を中止してください
岸田政権は、12月中旬にも「国家安全保障戦略」「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」を改定し、5年以内に軍事力を抜本的に強化しようとしています。その柱が「専守防衛」の国是を捨て去る「反撃能力」=「敵基地攻撃能力」の保有です。これが実現すれば、能力を制限することにより、隣国に届くミサイルをあえて持たないできた日本の<国のかたち>が変わることになります。
米国の「中国攻撃作戦」を補完することになる長距離ミサイルは、今後10年で1500基も保有することが検討され、真っ先に琉球弧(南西諸島)への配備が目論まれています。配備されれば、ただちに相手からの標的となることは必至であり、住民に重大なリスクを押し付けることになります。
こうした長距離ミサイルの主力が、戦闘機や艦艇や潜水艦からも発射できるようにしつつ、射程を1000キロ以上に延伸させる「12式地対艦誘導弾」です。この長射程化は2020年12月、菅政権のもとで閣議決定されて始まっており、2023年度の概算要求にも、開発経費272億円に加えて、量産経費(金額未定の事項要求)さえ盛り込まれています。
この憲法違反の敵基地攻撃ミサイルの開発・量産を担うのが、軍需企業最大手の三菱重工です。貴社はこれまで、武器輸出についても「国策に従うまで」と責任転嫁を行い、インドネシアへの多機能護衛艦の輸出などを画策してきました。さらに、憲法違反の大軍拡にも加担して儲けようとしています。貴社の社会的責任が厳しく問われていることを自覚すべきです。
本日11月29日、名古屋の「不戦へのネットワーク」が呼びかけて、「12式地対艦誘導弾」の長射程化を実際に行う三菱重工小牧北工場(名古屋誘導推進システム製作所)に対する申し入れ行動が取り組まれています。私たちはこれに連帯して、同じ時間帯に東京本社への申し入れを企画しましたが、貴社は社員による受け取りすら拒否しました。消費者の声に真摯に向き合わない姿勢に強く抗議します。
今ならまだ、引き返すことは可能でしょう。貴社が製造、開発したミサイルが隣国に生きる人々を殺傷する未来を招かないために、ただちに「12式地対艦誘導弾」の長射程化を中止することを決断してください。
2022年11月29日 STOP大軍拡アクション
<参加団体>
島じまスタンディング、大軍拡と基地強化にNO!アクション2022、ヨコスカ平和船団、非核市民宣言運動・ヨコスカ、武器取引反対ネットワーク(NAJAT)
<賛同団体>
日本山妙法寺、平和をつくり出す宗教者ネット、基地のない沖縄をめざす宗教者の集い、ピースリンク広島・呉・岩国、ポレポレ佐倉、研究所テオリア、小樽・子どもの環境を考える親の会、共同行動のためのかながわアクション、ピープルズ・プラン研究所、不戦へのネットワーク、緑の党グリーンズジャパン、日本消費者連盟、チェチェンニュース編集室、日本カトリック正義と平和協議会、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック、ストップ秘密保護法かながわ、ナインにいがた、医療と福祉の戦争協力に反対する連絡会議、Activists for All、Justice for Kids、イノベーション・コースト構想を監視する会、あとりゑ・クレール、猫の事務所九条の会、平和憲法を未来へつなぐ会・小樽、ベクレルフリー北海道、生活と政治を考える都筑区民の会、平和をあきらめない人々のネットワーク・福岡(11月29日現在)