有事法制反対ピースアクション

イラク特措法「延長」を止めよう 小牧基地の滑走路はイラクにつながっている(2007年4月25日)

4月24日、7月末で期限が切れるイラク特措法は衆院本会議で趣旨説明と質疑が行われ、審議入りしました。政府は、2年間の延長を行い、今国会での成立をめざし、自衛隊の派兵の継続を行おうとしています。

 昨年7月の陸上自衛隊撤退後も、小牧基地からは航空自衛隊員約200人とC130輸送機3機がクウェートに派兵され、イラクのアルビル・バグダッドに米軍を中心とする多国籍軍の兵員や物資を運んでいます。米軍はイラクへ3万人あまりの増派をし、バグダッドを中心に「掃討作戦」を行う米軍を支援することです。米軍の活動は、物資や武器や兵員の補給なしには成り立ちませんが、自衛隊はその任務を行っています。つまり、自衛隊は「イラクの復興」ではなく、米軍に手を貸すために行っています。

 そのアメリカは、イラクの治安回復のためと称して、3万人あまりの増派をし、バグダッドを中心に大規模な掃討作戦を展開しています。しかし、イラクでは、4月18日バグダッドで大規模な爆発事件が起き、200人あまりが死亡、22日・23日も爆発事件が起き数十人の人が亡くなっています。03年3月の米英の攻撃・占領がもたらしたものは、イラクの民主化ではなく、累々とした屍と際限のない殺戮、恐怖、混沌です。

 残念なことに航空自衛隊の任務は、「人道支援」ではなくそれに手を貸すということです。今すべきことは、自衛隊を派兵し米軍の支援をすることではなく、アメリカに攻撃と占領の間違いを認めさすことです。イラク特措法の延長をとめましょう!

勇気あるイラク女性サーブリーン
(前文略)来月3人のイラク女性の処刑が予定されていることについて人道機関が警告を発している。ワッサン・ターリブ、ザイバブ・ファディル、リカ・オマル・ムハンマドの3人だ。いずれも「テロリズム」の罪に問われている。つまり、イラクレジスタンス組織とつながりがあるということ。これは、彼女たちが、レジスタンスに加わっていると疑われる人物の親戚かもしれないという意味だ。あるいは、彼女たちがたんに悪いときに悪いところにいただけのことかもしれない。一人は刑務所で出産した。彼女たちがどんな拷問に耐えたのだろうと思う。アメリカの占領下でイラク女性は少なくとも”ある程度”平等だったなんて、誰にもいわせない。−今や男性と同じように処刑されるほど平等なのだ。
 そしてまた、国内や国外にいるイラク人とイラクにいるアメリカ人、どちらにとっても状況は悪化し続けているときに、アメリカにいるアメリカ人は未だに戦争や占領を−勝ったのか、負けたのか、良くなったのか悪くなったのかと討論している。
 ぐずぐずと問い続けているあらゆる馬鹿者たちのためにはっきりと言おう。状況は悪くなった。もうおしまい。あなたの負け。あなたが持ち込んだ、アメリカじこみの猿どもの歓呼を受けて、戦車でバグダードに乗り込んだ日にあなたは負けた。兵士が陵辱したすべての家族を、あなたは失った。アブ・グレイブでの写真が公表され、私たちが目の当たりにしている、この路上で繰り広げられた残虐行為が、収容所の壁の向こうと同じだと実証されたとき、勇ましく、まっとうなイラク人をあなたは失った。殺人者を、略奪者を、無法者を、そして暴力団の親分たちを権力の座につけ、イラクの最初の民主政府として彼らを迎えたとき、あなたは負けた。身の毛のよだつ処刑を最も偉大な達成と称したとき、あなたは負けた。かつては持っていた敬意と評判を失った。それがアメリカが失ったもの。せめて石油がそれだけの価値あるものであったと願いたいものだ。
バグダードに住むイラク人女性、リバーベンドの日記 2月20日より
http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/

米軍再編推進特措法を止めよう!

 4月12日、衆議院安全保障委員会で「在日米軍再編推進特別措置法」が強行採決されました。マスコミではほとんど報道しませんが、この法案は、2006年5月最終報告が出された「米軍再編」を予算的に推進していく法案です。アメリカの「対テロ戦争」遂行のために、東アジアから中東にかけての「不安定な弧」の地域に対処するために、米軍と自衛隊が共同で任務を遂行できるように、予算措置を行おうとするものです。「米軍再編」は神奈川県ざまへの米第一ぐんっだんしれいぶいてん、ミサイル防衛、沖縄・キャンプシュワブへの新基地建設などなどです。「安保条約」にさえ違反するものであるにもかかわらず、日米安全保障協議会(2+2)で合意され、国会には一度もはかられていません。

 この推進法は大きく分けて二つの内容があります。
 一つは、再編の当事者になる自治体に対し、その受け入れ段階に応じて「再編交付金」を出しというものです。これまでも、札束で受け入れを迫るというのは常套手段でしたが、今回は再編を受け入れたところにはお金を出すが、受け入れないところには出さないという露骨なやり方です。すでに、住民投票で反対の意思を表明し、市長も受け入れを拒否している岩国市は今年度予算が組めないという事態になっています。推進法が通れば、関係自治体に対し、同じような圧力がかかります。

 二つ目は海兵隊のグアム移転に伴う費用です。「米軍再編」に伴う費用は2兆円とも3兆円とも言われています。その中にはグアムの新基地建設費用7100億円が含まれていますが、その一部を国際協力銀行から融資という形で出すということです。そもそも、この7100億円という金額は、アメリカの言い値であって何の根拠も示されていません。

 更に重要なことは、日本のお金(税金)で国外に初めて基地建設が行われると言うことです。グアムの先住民チャモロの人たちは基地建設に反対の声を上げています。ちなみに、グアムは1898年から米海軍の軍政下におかれ、法的にはアメリカ国内の一部とは見なされていません。大統領の選挙権もなく議会での投票権もない全くの不平等な状況におかれています。1950年に軍政がとかれ、米国の市民権が付与されましたが、この不平等な状況は何ら変わっていません。つまり、グアムは現代版アメリカの「植民地」の地位に置かれているところなのです。グアムにはアンダーセン空軍基地とアプラ軍港という巨大な基地群がすでにありますが、更に海兵隊の移転という基地拡大を行おうとしています。沖縄の負担軽減(これ自体もまやかしですが)という名目で、税金を使い、他国の領土に基地を作るという、とんでもない事態が進もうとしています。何の法的根拠のない「思いやり予算」で駐留経費の負担をはじめ、それが今はそれなしには在日米軍を維持できないほどになったことを考えれば、海外版思いやり予算ともいえる今回の推進法の問題点がより浮き彫りになります。

 安倍首相は、26日から訪米し、その後、クウェートなど中東5カ国を訪問し、駐留する空自の激励を行うと報道されています。基地・軍隊で平和が作れないことは、今のイラクの現状を見れば明らかです。

 私たちの税金で、人殺しの基地を作ることに反対していきましょう!

改憲のための「国民投票法」をとめよう!
沖縄・名護辺野古への新基地建設反対!

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