申し入れ書(2007年3月24日:有事法制反対ピースアクション) |
浮須小牧基地司令様
2003年3月20日、米英軍がイラク攻撃を開始し、イラクが戦争状態にはいってから4年がたちました。イラクの民間人犠牲者の統計をとっているNGO「イラクボディー・カウント」によると、犠牲者は5万9000人を超えます。米兵の死者も3200人に達しました。私たちはこの4年間、イラク戦争に反対し、集会・デモをなんどもおこない、自衛隊がイラクから撤退するよう毎月毎月申し入れをしてきましたが、自分たちの無力さを思い知らされています。しかし、アメリカを始め世界で反戦の運動がたかまっています。18日、ワシントンでは一万5千人のデモがあり、ニューヨークやサンフランシスコでも大きな集会がひらかれています。また、アメリカの下院はイラク撤退法案を可決しました。日本国内でも各地においてイラク反戦、自衛隊の撤退を要求した集会がひらかれています。しかし、ブッシュ大統領は、イラクからの撤退をもとめる内外の世論にもかかわらず、「新戦略」と称して3万人の増派を強行しました。あらたな殺戮が始まっています。一方、安倍首相は、イラク特措法を2年間延長することを表明しました。なんと2年間です。その間どれだけの人が殺されるのでしょう。そこに自衛隊員がかかわりつづけるのです! 私たちは今日、深い悲しみと憤りをもって、ここ小牧基地の前に立っています。
塩崎官房長官は「バグダット空港は非戦闘地域」と国会答弁しましたが、バクダットでは米軍ヘリコプターがなんども撃墜されています。これで非戦闘地域といえるのでしょうか? これまで自衛隊は人道復興のためにイラクに行っている、と説明されてきたのに、空自輸送の8割は多国籍軍支援という実態が国会報告されています。また朝日新聞の世論調査ではイラク特措法延長に69%の人が反対しています。
日本政府のしていることは、憲法に違反しています。国民に真実をかくしています。世論にそむいています。ひたすらブッシュ大統領のために、あやまった道をともにつきすすんでいるのです。今や、政府・防衛省は自らの過ちを認めることができなくなってきています。世論や法律さえ無視しつづけています。そんなようすを間近にみると、防衛庁が防衛省へ昇格したことに、かぎりない不信・不安がつのります。過ちを認め、方針を変えるということができない軍隊。それが過去にどれほどの災禍をもたらしたでしょうか! 私たちは浮須基地司令に訴えます。私たちの不信・不安を一掃してください。過ちを認めたところで、奪われた命はもどりはしませんが、より大きな犠牲を防ぐことはできます。自衛隊が柔軟に判断し行動できることを示すためにも、イラク特措法を延長しないよう上申してください。戦争現場に直結する基地司令の判断として、空自を即時撤退するよう上申してください。自衛隊員に無意味な死と過酷な任務をこれ以上無理強いしないでください。心からのお願いです。
小牧基地に配備される予定だった空中給油・輸送機KC767の納入が大幅におくれています。私たちは空中給油機の導入は基地機能の強化にあたるので導入をやめてくださいと、何度もお願いをしました。納入が遅れているこの機会をとらえて再度申し入れをします。空中給油・輸送機を小牧基地に配備しないでください。小牧基地はC130を通じて、イラク戦争に直結してしまいました。今度は、KC767を通じて小牧基地が、そして私たちが、新たな戦争につながってしまうというような事態を、なんとしても止めたいと思っているのです。
浮須基地司令におかれましては、私たちの気持ちを誠実に汲み取っていただき、以上のことを上申していただくよう重ねて申し入れします。
2007年3月24日
有事法制反対ピースアクション