申し入れ書:泥沼化しているイラクからの航空自衛隊の早急な撤退を求めます。 (2007年2月24日:有事法制反対ピースアクション) |
航空自衛隊小牧基地司令 浮須一郎様
隊員の皆様
「人道復興支援」という名の下にイラクへの派遣が始まって以来、すでに複数回、イラクに「支援」に行った隊員も大勢いることと思います。しかし考えてみれば、自衛隊員が今、イラクに派遣されることのどこに「復興支援」という大義名分があるのでしょうか。
陸上自衛隊がイラクから引き揚げて以降も、航空自衛隊は輸送任務の拡大を余儀なくされました。一方、イラク情勢は日々悪化し、米ブッシュ大統領の言うイラクの秩序の回復とはほど遠い、内戦状態から今や泥沼状態になっています。米軍は対テロ作戦と称してバグダッド掃討作戦を行っています。しかし、この作戦で犠牲になっている多くの人々は市民です。イスラム聖職者協会は「民族皆殺し(ジェノサイト)作戦が始まった」と非難しています。米軍を中心にした「多国籍軍」の行為は、イラク国民にとってもはやイラク国内を破壊するするだけの、悪の根源のような存在にしか見えないのではないでしょう。こうした状況下で任務についている自衛隊も同じようなのではないかと思います。
安倍首相は1月のNATO理事会で、アフガン支援に積極的な発言をしています。支援といってもアフガニスタンの人々に対する支援ではありません。
国内では米軍再編に伴って日本各地の基地で、実質的な軍備の強化が進んでいます。
ここ小牧基地でも、昨年の「機動衛生隊」の編成、C130の空中給油機化の着手、空中給油機能を持つUH60Jヘリの調達に加え、空飛ぶガソリンスタンドと比喩される空中給油機の導入が決まっています。これはもう、自衛隊という本文を遙かに超えた攻撃のための軍事機能です。空中給油機の配備は遅れているようですが、このまま配備されなければいいのにというの本当のところです。
防衛庁が防衛省になって、海外任務が本来任務になりました。小牧基地からイラクに派遣されている隊員の皆さんからは、とっくに本来任務になっているよと返されるかもしれませんが。危険な場所に派遣されているからこそ、その目で見たこと、感じたことを隊員の皆さんから発信してほしいと思います。
また、基地司令も、隊員がこれ以上危険な海外派遣をしないよう、現場からの声も合わせて首相に意見具申してほしいと切に願います。命令一下、危険と分かっていても行くのは自衛隊員です。派遣任務に就くのは首相でも閣僚たちでもありません。司令の任務には、部下の安全と命の保障をすることも義務としてあると考えます。
2007年2月24日 有事法制反対ピースアクション