一日でも早く、一刻でも早く、撤退の声を!!航空自衛隊のイラクからの即時撤退を求める申し入れ書 (2006年12月2日) |
航空自衛隊小牧基地司令 浮須一郎様及び隊員の皆様
本日、一日も早く、一刻も早くイラクからの撤退を求めて、県内はもちろん全国から大勢の人々が、この小牧基地正門前に集まりました。浮須基地司令を始め隊員の皆様に、撤退に向けた私たちの切実な想いをお伝えするためにお邪魔しています。
私たちは、イラク派兵唯一の拠点となっている皆様の小牧基地を「人間の鎖」で取り囲むことによって、イラク派遣部隊の撤退にむけた声を出していただきたく申入れを致します。
最新のイラク情勢は、皆様のほうがご存知かと思いますが、私たちの知る限りでは悪化の一途をたどっていると言わざるをえません。11月27日、バグダッド近郊でF16戦闘機を撃墜したこと、地元の抵抗勢力が声明を出し、米軍は一機が墜落した事実を認めました。イラク現地海兵隊は、8月から11月中旬にかけての情勢を踏まえて、ファルージャ・ラマディのあるアンバール州で武装勢力を倒すことはもはや不可能とする見方を機密報告書で報告し、バグダッドの治安確保に向けてアンバール州からの撤退案を検討していると報じられています。ブッシュ政権は、12月7日に発表される議会内イラクスタディグループ(ISG)の提言を受けいれ、部分撤退を余儀なくされるまでに至っています。英国・韓国・ブルガリア・ルーマニアなどもこれに続いて部分的にであれ撤退準備に入っています。
こういう状況にありながら、安倍政権は「世界の中の日米同盟」だけにこだわって、「復興支援」を継続すると言い切っていますが、皆様に課せられた任務は、本当に「人道復興支援」なのでしょうか。イラクの人々に歓迎されているのでしょうか。少なくともイラクの人々は、皆様のC130が米兵や米軍物資を輸送することで、アメリカのイラク占領に加担していると認識せざるを得ません。
さらにこの日米同盟を強固にするために、防衛庁の防衛「省」への昇格と海外任務を本任務とする法律の制定が国会に於いて進められています。十分な審議も経ず、マスメディアもまたこの重大性にほとんど触れない中で、政府は成立を強行しようとしています。これは「派兵恒久法」を視野に入れたステップとして、大変危険なことであると私たちは判断します。イラク以外においても米軍が動けば、皆様もそれとともに恒常的に海外へ出て行かざるを得ません。皆様は命をかけて米軍と同じだけの敵を作り、誰も喜ばない任務を強いられることになります。
先日、第11次派遣隊の女性パイロットが大声で泣く2歳のお子さんを残して戦地に飛び立つ場面がテレビで放映されました。立つ方も残される方も、心を引き裂かれている様子が伝わってきました。あの悲しみはずっと続いており、これからもずっと続くのだと考えると、このような悲しみを皆様に強いる安倍政権を断じて許すことはできません。さらに「自分たちさえ良ければ他国に爆弾が落ちてもよし」とする今の日本の風潮を認めることはできません。
こうした想いで、私たちは、12月14日期限切れを前に、何としても派遣延長を許さない決意をもってここに集まりました。
溝口基地司令が、小牧基地に残された言葉―「日本の海外派遣は平和時に限る」「アメリカが勝手に始めた戦争に日本はどこまで付き合うのか」−これを引き継いで勇気ある行動に繋げてください。浮須基地司令様、どうか即時撤退の意見具申をしてください。
2006年12月2日
自衛隊イラク派兵差止訴訟の会:名古屋市昭和区宮東町260
名古屋YWCA:中区新栄町2-3
有事法制反対ピースアクション:名古屋市昭和区白金1−13−10