小泉首相に向けた、イラク派兵は終わらないとめよう戦争協力拡大 あいちの空と海を戦争に使うな3・19集会アピール |
米英軍によるイラク攻撃以来、侵略と戦争が丸3年続き、4年目に入ろうとする今、また日米によるアメリカ軍基地の再編・強化を「最終報告」という形で住民や自治体を無視して小泉首相が強行しようとしています。私たちは、この集会に参加した一人ひとりの意志で、未来に向けた選択の立場から、小泉首相に対し、これ以上の侵略・占領協力を止め、派兵されている全ての自衛隊の撤退を強く要求し、アメリカ軍基地があることによって、さらに過重な負担で戦争協力を強いられる各地の住民・自治体の声に耳を傾け、「中間報告」を白紙撤回することを求めます。
私たちが訴える、海外派兵はやめる、先制攻撃のための在日米軍基地は認めないということは、「殺されることも、殺すことも拒否し、平和的に生きたい」という至極真っ当でささやかな要求に過ぎません。小泉首相が残された任期6ケ月の間に、この要求を真剣に受け止めなければ、3月16日にブッシュ政権が引き続き再確認し発表した、日米安保戦略の中心点「先制攻撃戦略」の中に日本を丸ごと引き入れることになります。先制攻撃戦略とは、軍事侵略の別の言い方に過ぎません。私たちのかけがいのない毎日が、日米の侵略体制の中で営まれていることなど絶対に許されません。我慢できません。
小泉首相。あなたは次の一点で根本的な間違いをしています。「ブッシュ政権とうまく付き合えさえすれば、日本の国益は守り通せる」という信仰にも似た感情です。「日米関係がうまくいけば中国も韓国もついてくる」などという発言を笑いながらできるのは、正確な現状認識からではなく、巨大で最強のアメリカという過去の幻影にしがみついているからに過ぎません。イラクという国を混乱させることしかできず、自然災害に遭った自国の被災者に対してすら手を差し伸べることができなくなった国。戦争体制をあたかも公共事業のように取り続けるしかない国。小泉首相はそんなアメリカにつき従い、日本の生きる道はアメリカと心中する選択の中にしかないと思い込んでいるとしか思えません。
3月12日、戦後60年間、米軍基地と共存してきた岩国市民が住民投票行動で自分たちの意志をはっきり突き出しました。これ以上の基地強化は耐えられないという叫びにも似た市民行動でした。米軍再編のための「最終報告」を急ぐ日米両政府にとっては衝撃的な結果となり、また私たちにとっては大きな勇気を与えられる結果となりました。
小泉首相。あなたは、2004年10月に在日米軍再編をめぐり「政府は自治体に事前に相談し、自治体がOKをした場合は米軍と交渉する」と明言していたではありませんか。地方自治を保障した憲法や住民の福祉や安全を守ることが責務であると考える自治体の責任者にとっては、昨年10月の「中間報告」の発表は、寝耳に水の裏切り行為と理解され、岩国市をはじめ沖縄・座間・相模原・青森・鹿児島などで住民と自治体の反対の声は拡大されつつあります。「安全保障は国の専管事項」という奢った考えで、地元住民や自治体の声を無視することは許されません。私たちの将来を国に白紙委任をしたわけではありません。
「米軍再編」は、北東アジアからアフリカ東部までのいわゆる「不安定の弧」の地域に対しての司令部と出撃基地として日本を位置付けることになります。海兵隊と空母艦載機という二つの殴りこみ部隊が新しい岩国基地で一つになることは、東北アジアの平和にとって最大の脅威となってしまいます。私たちの身近にある小牧基地もイラク占領に協力しつづけ、県営空港の滑走路がイラクに続いている現状を許すわけにはいきません。ブッシュ大統領の軍事侵略に加担することはできません。
2006年3月19日 集会参加者一同