共同抗議声明(2005年12月14日) |
内閣総理大臣 小泉純一郎 様
「キャンドルピースアクション」参加者一同
私たちは、平和を求めている市民です。政府が去る12月8日、自衛隊のイラク等への派兵期限を一年間再延長することを臨時閣議で決定したことに対して、名古屋の三つの市民グループ・団体(『有事法制反対ピースアクション』『自衛隊イラク派兵差止訴訟の会』『名古屋YWCA』)の呼びかけにより、本日12月14日夕、名古屋市栄で開催された「キャンドルピースアクション」に参加した市民です。
私たちは、自衛隊のイラク等への派兵「再延長」決定に対して抗議します。
小泉首相、この決定を「撤回」してください。
これ以上の自衛隊のイラク等への派兵を「中止」してください。
すでに派兵している自衛隊を速やかに「撤退」させてください。
12月4日、額賀防衛庁長官はまったく茶番でアリバイ的なサマワ訪問を行い、「自衛隊の活動はまだ必要」「サマワの治安は安定している」とのコメントを出しました。しかし、その日、自衛隊の車列は投石を受け、また一昨日(12月12日)には自衛隊宿営地を狙ったと見られる砲撃があるなど、これまでに計12回、迫撃砲・ロケット弾による攻撃が繰り返されています。
イラク・サマワに派兵されている600人の陸自の実態や「人道復興支援」活動の内容、ならびにクウェートに派兵されている200人の空自の活動内容もほとんど明らかにされていないまま、短時間の訪問で「イラク派兵延長が必要」と述べることは、まったくの欺瞞です。世論調査では69%が派兵延長反対との結果が出ています。「郵政民営化法案」で解散・総選挙までして国民の信を問うたあなたは、自衛隊派兵延長反対のこの世論の声を真摯に聞くべきです。
そもそも2003年3月に始まった米英軍によるイラク攻撃は、国際法ならびに国連憲章違反の侵略行為です。イラク攻撃の理由とされた大量破壊兵器もなく、アルカイダとの関連もなかったことが明らかになりました。イラク戦争の“正当性”とされた根拠が完全に崩壊しています。イラク攻撃自体が石油のための中東支配を目的としたものであったことは、国際社会が広く認めているところです。
小泉首相はこうした米英軍のイラク攻撃とその後のイラク軍事占領を支持し、重武装した自衛隊を派兵し続けることによって、米英軍の侵略行為に加担しています。開戦から10万人以上のイラク市民が殺されたと言われ、今も「武装勢力」の掃討作戦と
言う名目で多数の一般市民が殺され、傷つけられていることへの「加担」であること以外の何物でもありません。「米英軍の侵略行為への加担」は、武力の行使・武力の威嚇を禁じ交戦権の行使を禁じた憲法9条違反です。
小泉首相、あなたは「靖国参拝」問題でアジアに敵対する一方、10月末に出された「在日米軍の再編」中間報告では、沖縄はもとより岩国・横田・横須賀・座間などで「本土の沖縄化」を進めています。日米首脳会談では「世界の中の日米同盟」を表明し、「日米同盟」の強化を約束しました。自衛隊のイラク派兵も「日米同盟の重要性」からと言っています。これは、極めて危険な選択です。ブッシュ大統領の支持率は36%にまで下がり、議会でもイラクからの撤退を要求する声が強まっています。アメリカでさえ、すでに間違った選択に気付き始めているのです。
憲法9条は「戦争を放棄」し、「武力の行使」や「武力による威嚇」もしないことを定めています。イラク特措法での派遣地域は「非戦闘地域」と定められています。小泉首相、あなたは日本国の首相として憲法と法を遵守する義務があります。憲法第99条に明記されている「憲法尊重擁護義務」を誠実に守ってください。
以上
有事法制反対ピースアクション
自衛隊イラク派兵差止訴訟の会
名古屋YWCA