小牧基地航空祭でのブルーインパルス飛行中止、並びにイラクからの撤退を求める申し入れ書 |
航空自衛隊小牧基地
上田 益三 基地司令様
7月21日付け、報道によると、10月9日に行われる小牧基地航空祭に於いて、空自アクロバットチーム「ブルーインパルス」の飛行を検討しているとのことです。また、それを契機に、手狭になった松島基地から小牧基地に移設するとの情報もあります。
私たちは、小牧基地航空祭でのブルーインパルス飛行中止を強く要求します。
今年、2月、名古屋空港は県営空港となりました。私たちは、中部新空港への移転後に「基地の拡張・強化」にならないようにと、愛知県・周辺自治体・周辺住民への申入れや働きかけを続けてきました。残念ながら、小牧基地の管制は防衛庁に移り、来年度には空中給油・輸送機の導入がされようとしています。2月18日には、岡山空港でイラクへの物資の輸送を拒否されたアントノフが名古屋空港から出発しています。そして、更に自衛他の存在を誇示するようなブルーインパルス飛行です。地元はいま名古屋空港の活性化にむけ、努力しています。そのよう中で、「自衛隊」が前面に出てくる行事を行うことは「基地強化にならないように」という地元の意向を無視するものです。
また、小牧基地の周辺は住宅密集地です。1982年、浜松基地でブルーインパルスの事故があり、多くの犠牲者が出ました。昨年8月には、市のど真中に基地がある沖縄・普天間基地のヘリが沖縄国際大学構内に墜落、炎上したことは記憶に新しいことです。市街地でのこのような飛行は、一歩間違えば重大な事故に繋がる恐れがあります。
更に、航空自衛隊は本来、「軍事」を任務とします。現に、この小牧基地からはC130輸送機と航空自衛隊がイラクへと派兵され、クウェートからイラク国内への物資輸送を行っています。そのような目的・任務を覆い隠し、市民に対して自衛隊の本来の姿を見えなくさせるのがブルーインパルス飛行です。軍事が日常の中に入る社会はとても危険な社会です。
基地強化に繋がり、危険なブルーインパルス飛行を中止しすること。松島からの移転を決して行わないよう強く要請します。
今日、7月30日、陸上自衛隊第4師団(福岡春日・司令部)の部隊が第7次派兵としてイラクに出発します。自衛隊が派兵されているサマワでの、自衛隊撤退の動きはここ一ヶ月急激に増加しています。6月末の自衛隊の車列への攻撃をはじめ、7月はじめには宿営地への攻撃、最近ではサマワの日本友好協会長宅への迫撃砲攻撃(7月25日)、撤退を求めるデモと日の丸焼却(7月27日)、日本が支援をしている女性職業訓練所での爆発(7月29日)など相次いでいます。28日、記者会見をした森勉陸上幕僚長は現地の治安に関し、「従来とは少し変化してきている。注意深く分析して、油断することなく慎重に活動したい」と状況が悪化していることを認める発言をしています。
小泉首相は、「サマワは非戦闘地域だ」「自衛隊は人道復興支援をしている」といい、派兵を強行しています。イラクは主権移譲後もますます混乱の度合いを増しています。そのことは、国際法を無視し、フセイン体制を倒すための米英のイラク攻撃と占領が破綻していることを示しています。
個々の自衛隊員がどんなに善意であっても多国籍軍に参加する「自衛隊」という組織でいく限り、イラクの人たちから見れば、不当な攻撃と占領に加担しているとしか見えません。
自衛隊への撤退要求は当然です。私たちは「殺すな!殺されるな!」と訴えてきました。このままではその危惧が現実になるのではないかと思っています。日本政府は、12月の再延長に向け、すでにアメリカと協議を進めているとの報道があります。「アメリカの勝手にはじめた戦争にいったいどこまで付き合うのか」この言葉をもう一度かみしめてください。
アメリカが行っている大きな「国家テロ」は、ロンドンで、エジプトで起こったような暴力の連鎖を起こすだけです。日本がそれの標的にならないなどと誰も保証できません。
そのような悪の連鎖を断ち切るためにも、自衛隊は一刻も早く撤退すべきです・
以上、ブルーインパルスの中止をすること、自衛隊の即時撤退を意見具申することを強く申し入れます。
2005年7月30日
有事法制反対ピースアクション