有事法制反対ピースアクション

自衛隊のイラク派遣中止を求める申し入れ書

陸上自衛隊第10師団師団長様

 私たちは、自衛隊はイラクに行かないでほしいという一心でこれまで行動を続けてきました。先月16日には、この守山駐屯地を人間の鎖で包み込み、以降連続15日間の座り込みを続け、何とか隊員のみなさんに私たちの思いを届けようとしてきました。にもかかわらず、本日、この地から第5次派遣隊がイラクへ出発しようとしていることに対し、私たちは憤りを禁じ得ません。
 派遣地サマワでは、自衛隊宿営地を狙った攻撃がすでに9回に達しており、先月28日には、自衛隊宿営地を狙ったとみられる迫撃弾6発が見つかりました。いつ隊員に犠牲者が出てもおかしくない状況が続いているのです。今月2日にはサマワ中心部で銃撃戦が行われ、死傷者が出ています。これのどこが非戦闘地域だと言えるのでしょうか。「現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」と定めたイラク特措法に違反することは明らかです。法の定めを無視して、隊員たちを危険地帯に送り込むことは、決して責任ある判断とは言えません。
 第5次派遣隊がサマワに到着する頃には、自衛隊の10倍以上の供給能力を持つ浄水装置が稼動を始め、自衛隊の主要な任務であった給水活動が終了すると報じられています。給水が必要なくなれば、派遣隊員の大半が、駐留を自己目的とした警備活動につくことになります。これでは何のための派遣かわかりません。本末転倒とはまさにこのことです。資金援助で浄水設備を作ったように、自衛隊が行かなくともイラクの人々のためにやれることは、ほかにいくらでもあるのです。
 自衛隊派遣の継続を決めた小泉首相は、イラク攻撃開始以来、国際世論を無視して率先してアメリカへの追従を続けてきました。自衛隊派遣もその中で強行されたものです。しかし、イラク攻撃がまるで大義のないものであったこと、米軍による占領支配をイラクの人々が望んでいないことは、もはや誰の眼にも明らかです。それを無視し、アメリカの顔色を伺いながら自衛隊を派遣し続けるなどというのはとんでもないことです。最近の世論調査でも国民の6割が派遣継続に反対しています。
 自衛隊員が殺されることも、自衛隊員によってイラクの人が殺されることもあってはなりません。地元から、若い隊員たちが戦地へと派遣されていくことを、私たちは黙って見送るわけにはいかないのです。今からでも遅くはありません。取り返しのつかない事態になる前に、派遣を中止し、自衛隊をイラクから撤退させることを要請します。

2005年2月5日
有事法制反対ピースアクション


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