陸上自衛隊第10師団 廣瀬 清一様
私たちは「有事法制反対ピースアクション」という市民団体です。私たちはこれまで、イラクへの自衛隊派兵はどう考えても過ちであると考え、行動を取ってきました。今回、私たちはイラクから自衛隊を撤退すること、1月に予定されている10師団からのイラク派遣をしないこと、以上を申し入れするために来ました。
イラクではまた、一人の日本人青年、香田証生さんが人質となってしまいました。イラクの武装抵抗勢力から自衛隊の撤退要求が出されています。自衛隊が撤退しなければ殺害するという声明が出されています。しかし今朝、香田さんとみられる遺体がイラクのバグダッドで見つかったという情報が出されました。ご家族のお気持ちを思えばいたたまれません。この間、自衛隊の撤退を訴え続けてきた私たちは、力のおよばないことが残念でなりません。自衛隊は即座に撤退しなければなりません。小泉首相の「テロには屈しない」は間違っています。「暫定政府」への移行後も、アメリカはファルージャなどで、攻撃を続け、実に多くの市民が殺され続けています。その多くは女性・子どもということです。「人道」をいうはずの小泉首相はこれを止めようともしません。政府はこの香田さんが危険地域に入ったと非難していますが、日本人であるということだけで拘束され、殺されるかもしれないというような状況をつくった政府の過ちの責任が問われなけらばなりません。今回のような「事件」はどこで起きてもおかしくないと思われます。それほど大きな過ちを日本政府は続けています。香田さんは軍隊を派遣している国への憎しみを一身に受けてしまいました。私たちはそう考えます。
陸上自衛隊員の皆さん。私たちは皆さんの「イラクの人たちに役立ちたい」という気持ちを一概に否定はしません。しかし、今、イラクにとどまる理由はありません。とどまってはいけません。必ず宿営地は攻撃されます。皆さんの安全のためにも撤退してください。
10月23日にはサマワの宿営地内に始めてロケット弾が撃ちこまれました。12月14日にはイラク派遣の基本計画の期限が切れます。サマワの「治安」を守るオランダ軍は3月に撤退します。しかし政府は派遣を延長するといっています。そして1月には第10師団から派遣する予定だということです。イラク派遣の延長をやめ、すぐに撤退してください。今がその機会だと思います。
今年の台風などの災害救助、とりわけ新潟中越地震における救助活動、本当にごくろうさまです。第10師団からも新潟へ救助のため隊員が派遣されたと聞いています。心細い思いの被災者のみなさんにとって、若い隊員の不眠不休の活動は本当に心強い支えになると思います。私たちは。みなさんの人助けの善意がまっとうに生かされることを願っています。
1.自衛隊をイラクからただちに撤退すること。
2.予定されている第10師団のイラク派兵を中止すること
以上、廣瀬清一師団長より小泉首相、大野防衛庁長官に意見具申してください。お願いします。
2004年10月30日
有事法制反対ピースアクション
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