有事法制反対ピースアクション

陸上自衛隊本隊派兵の中止と即時撤退を求める要請書

陸上自衛隊旭川第二師団司令様

陸上自衛隊本隊派兵の中止と即時撤退を求める要請書


 2月3日、陸上自衛隊旭川第二師団の施設部隊80人が、本隊派兵の弟一陣としてイラクへむけて派遣されます。
 私たちは、今回の派兵の撤回と、派兵された場合の即時撤兵を強く要請します。すでに、ここ愛知の小牧基地からは、航空自衛隊が22日政府専用機で、26日にはC130輸送機3機でクウェート・カタールに向け派兵され、バグダッド・バスラなどイラク国内への物資輸送を行おうとしています。空自が派兵されたアリ・アルサレム基地は米軍が支配している輸送拠点です。またカタールのアウディド基地は米軍の中東の航空管制センターであるとともに、運搬の調整センターです。輸送は米英軍の物資が中心となります。この輸送はイラクの米軍への支援であり、小泉首相が言うように決して「イラクの復興人道支援」ではありません。
 イラクでは、米英の攻撃と占領政策に抵抗する勢力による攻撃が多発し、米英軍の死傷者が激増しています。更に、報道はされませんがイラク人の死傷者も1万人以上になろうとしています。私たちは、ここ小牧でも自衛官に「殺すな!殺されるな!」と何度も訴えてきました。1月17日、私たちは「イラク派兵反対!人間の鎖小牧基地行動」を1400人の参加で行いました。後にわかったことですが、その行動に自衛官の家族に方が参加されていました。そして、「・・・なぜ、テロの続く『今』でなければいけないのか。なぜ、復興人道支援に『装甲車』や『武器』をもたなければいけないのか。テレビに登場する立派な先生方のおっしゃる『国益』を、どれだけかみ砕いても、のどを通りません。 17日、夫に申し訳なく思いながら、小牧基地での(反対運動の)『人間の鎖』に参加しました。(中略)駅への帰り道、たくさんの人にあいました。体の不自由な人が何人かに支えられながら歩いていました。たった一人で遠くから来ていた老人も。皆それぞれに『思い』を抱えて雪の中をやってきたのだと思いました。それでもやはり、政府は『自衛隊派遣』の方針を変えることはないでしょう。(中略)自衛官の『志』が失望に変わりませんように。『使命感』を国家が『悪用』しませんように。」とその心情を切々と綴った手紙を新聞に投稿されています。自衛官には緘口令がしかれていると言われます。しかし、各地の陸上自衛隊の隊員・家族の皆さんもおそらく同じ思いでしょう。
 アメリカ・イギリスではイラクでの「大量破壊兵器の保有」をめぐってその真偽が問われ、日本では陸自先遣隊の報告書の偽造が国会で問題になりました。小泉首相や石破防衛庁長官などがいくら美辞麗句を言おうと、米英のイラク攻撃自体とそれに続く占領にこそ大儀ながないのです。
 そして、本当に忘れられているのはイラクの人々自身の声です。名古屋では、イラクから、湾岸戦争時の劣化ウラン弾の影響と思われる悪性血液病の5歳の男の子と医師の来日が実現し、治療と研修が始まっています。来日した医師の一人は、「不幸なことだが、日本人が心から親切な気持ちを持っていることを理解しているのは、私たちを含めたごく少数のイラク人だけだ。自衛隊派遣後にそれを伝えようとしても簡単ではないだろう」と言っています。人の命が犠牲になろうとしていることが復興支援や人道支援であるはずがありません。日本が米英に追従して自衛を派兵するのは「自衛隊派遣基本計画の基本方針」にあるように、中東の石油を目当てにした「国益」を優先するからです。
 国家の指導者が自衛官の「使命感」を悪用している事実を冷静な目で判断してください。そして、今まで、憲法9条が自衛官の命を守っていた事実を想起してください。
 基地司令はイラク派兵を中止し、派兵された自衛官の撤兵を上申してください。

   有事法制反対ピースアクション
 2004年2月2日 
名古屋市昭和区白金1−13−0
代表:水田 洋 影山 健 寺尾光身
電話:052−881−3573


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