自衛官ホットライン報告 |
一番不安に思っているのは、自衛官・その家族です。
国会で、「イラク特別措置法」が審議され、それに先立ってPKO法に基づいて、小牧基地からC130輸送機がヨルダンに派遣された。(小牧からの派遣は7月10日、派遣反対の抗議行動を行いました)7月11日〜13日の3日間、有事法制反対ピースアクションでは、現場に派遣される自衛官・家族の声を聞く「自衛官ホットライン」を解説しました。イラクでは、本格的な攻撃が集結した後も、各地で戦闘が続き、アメリカ・イギリス兵などの死傷者が続出しています。派遣が決まれば、これまでとはまったく違って、「戦闘地域」へのまさに「派兵」になり、危険性はこれまでとは比較にならないほど大きくなります。危険性を十分承知している政府は、公務中に死亡した自衛官の遺族に給付する功労金をこれまでの7千万円から1億円に引き上げました。しかし、いくら金額を増額されても命は戻ってきません。
法律を決め、派遣命令を出すのは現場には実際行かない政治家や官僚です。「殺す・殺される」かもしれない現場に行かなければならない自衛官とその家族が一番、不安に思っていることでしょう。
その声は一切国会審議には反映されていません。
PKO法の成立からテロ特別措置法まで、自衛官への働きかけ(チラシ・手紙など)は行ってきましたが、実際に自衛官・家族の声を聞くことから始めようとホットラインを取り組みました。
開設までの経過
まず、開設の準備として、何度かホットラインを開設している「非核市民宣言運動ヨコスカ」の新倉さんにノウハウを聞き、また、法的なことに対しては、弁護士の協力を得、名古屋弁護士会の弁護士を講師に勉強会を開きました。また直接学習会という形ではできませんでしたが、弁護士からも法的なアドバイスを受けました。
自衛官への働きかけは、小牧基地の官舎へのチラシ入れと記者会見を行い、マスコミを通じて呼びかけることにしました。
自衛官・家族の声とこれから
3日間、ローテーションを組み、事務所で待機しました。自衛官・家族からは電話・ファックス・Eメール・手紙でも受け取れるようにしましたが、結果は家族から1件、市民から激励3件でした。家族からはやはり「派遣された場合に非常に心配である」という主旨の電話でした。
私たちは、今回の取り組みで、たとえ1件とはいえ、自衛官・家族の声が届いたことを評価したいと思います。実際には、この何倍・何十倍という人が不安や危惧を抱いているはずです。休日の小牧の官舎は、子供たちが遊び、連れだった家族の姿が見られます。
戦争のもたらす不安や恐怖が「人間を鬼にする」ことはこれまでの歴史が証明しています。
政府は、「日米同盟」を最優先に、正当性のないイラク攻撃に人もお金も出そうとしています。先送りされている自衛隊派遣は、今年末にも小牧からC130輸送機派が派遣され、来年には陸自100人規模(北海道)が派遣されると報道されています。自衛官への働きかけ、派兵反対の声を強めていきたいと思います。