横浜の陳情書内容
陳情理由
◆・・横浜市には、現在151カ所の学童保育(委託146カ所、未委託5カ所)があり、
約4900人の子どもたち(1〜6年生)が放課後を過ごしています。議会や行政が市
民の要求に応えてご尽力いただいた結果、学童保育の数は年々増加してきました。しか
し、358校の小学校数からみてまだ42%にすぎませんし、およそ32000人の留
守家庭児童数からみて数がまだまだ足りないことは明らかです。
学童保育が必要とされる数に達せず、入りたくても入れない子どもが大勢いるのは、当
市の学童保育制度に不十分な点が数多く残っていることに大きな原因があります。
1、学童保育は「地域の協力ですすめる」もの、と規程されており、委託に必要な4条件
(1 保育場所、2 1〜3年生の児童20人以上、3 2人の指導員、4 運営委員
会の設置)の整備は、すべて住民の責任とされています。とりわけ、施設確保は当市の
ように地価の高い地域では至難のことであり、高額の家賃や建築費負担の苦労、立ち退
き問題などが絶えることがありません。また、4年生以上の児童でも学童保育は必要で
あり、今日の社会環境の悪化等を考えると学童保育がなくては、親が安心して働くこと
ができません。
学童保育を必要としている児童がいる場合は入所を認め、委託条件の人数とすべきです。
2、指導員の身分が不安定で、待遇がまだ遅れていることも学童保育運営上の大きな悩み
です。指導員の賃金は、年々引き上げられてきたとはいえ、まだまだ生活を維持する賃
金にはなっていません。何年働いても勤続給がない、退職金、諸手当、生理休暇なども
制度化されていないなど、制度には大きな欠陥がたくさんあります。指導員の待遇は、
子どもたちの安全を守り、成長を助けるという大切な仕事にふさわしいとはいえません。
◆・・一方、93年度から「はまっ子ふれあいスクール」事業が開始され、今年度は161
校に増えました。同事業は、設立条件、施設確保、職員の待遇等のいずれをとっても学
童保育とは大きく隔たった好条件のもとに実施されています。横浜市が、同じ放課後の
児童を対象として行う事業で、同じ市民が利用する二つの事業に施策上の格差を設ける
ことは、本来公平・公正であるべき行政サービスの原則に反しています。
横浜の明日をになう子どもたちのために、学童保育事業を抜本的に改めること、少な
くとも「はまっ子ふれあいスクール」と同程度のレベルに早急に改善することが求めら
れています。
◆・・社会は急激な変化を遂げ、女性雇用者数は2048万人(1995年)にまで増加
し、勤労者世帯中の共働き世帯は908万世帯となりました。
これらにともない、女性の就業を支援する社会的環境づくりの一環としての、学童保育
施策の重要性がますます高まっています。このような社会状況の変化や国民要求を反映
し、児童福祉法に学童保育が位置づけられたということは、国も学童保育事業の果たす
役割の大きさを重要視していることにほかなりません。
◆・・このことをふまえて、横浜の子どもたちと働く父母をめぐる以上のような現状にご
配慮いただき、本市の学童保育事業を抜本的に改善していただくことを陳情いたします。
1997年
月 日
陳情団体 横浜学童保育連絡協議会
横浜市従労組学童保育指導員支部
連絡先 横浜市中区翁町2ー7康和建設ビル2F
TEL045-662-7244 FAX045-663-4118
代表 吉光 隆
佐藤 和幸 (以上表面)
学童保育事業の改善、未委託学童保育への補助、子どもたちが自由に利用できる施設の
充実のために、以下に掲げる各項目を実施してください。
1、委託条件の対象児童は、現行「1〜3年生」を1〜6年生とすること。
2、学童保育の施設は、市の責任で用意すること。
◆市が家賃・地代を負担し、建築費・施設維持費を補助すること。
◆市立小学校の余裕教室・多目的スペース及び敷地の一部は「はまっ子ふれあいスクー
ル」と同じように学童保育として利用させること。
◆公有地および地区センター、こどもログハウス、コミュニティハウス等の公の土地・
施設を学童保育が継続して使用できるようにすること。
3、指導員の賃金を大幅に引き上げ、労働条件を改善すること。*
4、現行2名の指導員を3名にすること。障害児の在籍しているクラブには人件費を
増額すること。
5、未委託学童保育の未委託化を市が責任を持って促進するとともに、当面補助金を支給
すること。
6、憲法と児童福祉法の理念にもとづいて学童保育を公立化すること。
7、児童館・公園・グランド・プール・スポーツ施設など、すべての子どもが身近に自由
に利用できる施設をつくること。
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*参考:指導員賃金143,200円、通勤手当9,000円限度
退職金制度・家族手当・住宅手当・夏期休暇等なし
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(以上裏面)