「上中里学童保育のしおり」99年度版より

   学 童 保 育 と は

 学童保育は、共働き家庭、母子・父子家庭などの、いわゆる「留守家庭児童」が指導員と
いっしょに放課後や、夏休み、冬休みの期間を生き生きとすごすための保育施設です。
 しかし、単に子どもを預かって、帰宅までの間ケガのないように見ているだけの施設では
ありません。両親や母親が働くことに誇りを持ち、人への思いやりといたわりの心をはぐく
み、集団の中で"昼間の兄妹"として力を合わせて困難に立ち向かうたくましさと、自立心を
養い、豊かな人間性を育てることを目的としています。
 同時に、働く母親、働く婦人の社会的基盤をささえる重要な役割をはたしています。
 ここでは、学校とは別な角度から子どもの心を見つめています。学校やいわゆる「学習塾」
のように知識を点数で評価出来ませんが、それだけに、子どもの成長過程における人間形成
にとって、大きな意義をもつものと思います。
 学童保育は、いま全国で約7900カ所設置されており、そのうち横浜市には、146カ
所、約5000人の子どもたちが元気に放課後の生活をすごしています。
 しかし、制度的には不安定で、父母や指導員を中心とした協力と運動によって、かろうじ
てささえられているのが実情です。
 私たちは、これからも学童保育の充実と発展をめざして、いっそう運動を広げていかなけ
ればならないと思っています。
  入所にあたっての心がまえと注意
1、親としての心がまえ

◇ 父母会の行事や活動を自分の生活の一部として、積極的に協力して下さい。これは子ど
 ものためでもあり、同時に親自身が視野を広げることになります。
◇ まず、学童保育を大切にしていただきたいと思います。親自身が学童保育を好きになる
 ことが子どもの学童保育の生活を楽しくします。
◇ 子どもが、学童保育の中でどのようにすごしているか出来るだけ注意をむけ、指導員と
 積極的に話し合いをする機会をつくって下さい。
◇ 父母会は「母の会」ではありません。文字通り父親と母親の会です。学童保育は、母親
 だけでなく、父親の参加も欠かせない重要なものとなっています。
◇ 子どもたちが、「昼間の兄妹」としての、人間の結びつきをめざしている訳ですから、
 親同士も人とのつながりを深めて行きたいと思います。親が思いやりといたわり合いの手
 本を示して行きたいものです。

2、日常の保育、子どもへの注意事項、その他
◇ 学童保育に入所することを軽く考えないで、子どもとよく話し合って納得して入所する
 ようにけじめをつけておいて下さい。
◇ 病気など、やむを得ない場合を除いて、出来る限り欠席させないように言い聞かせて下
 さい。単に子どもが「行きたくない」と言っているから、というだけで安易に休ませない
 ようにしていただきたいと思います。
◇ 転居や転勤など、やむを得ない事情がある場合を除いて、途中退所は、出来るだけさけ
 ていただきたいと思います。学校はいくらイヤになったからと言ってもやめる訳には行か
 ないのと同じくらいの気持ちでのぞんで行きたいものです。
◇ 「連絡帳」をお渡ししますので、毎日必ず点検して連絡事項を確認して下さい。
 また、気の付いたことや要望がありましたら記入して下さい。
        運営委員会と父母会
◇ 運営委員会横浜市の、学童保育については、市の「委託事業」という形を取っています。
 つまり市が学童保育の運営を「運営委員会」に委託するという方式です。運営委員会は、
 学校、PTA、自治会等の代表者、民生委員、青少年指導員など、いわゆる地元の地域代
 表をメンバーに入れて構成されています。これに父母会の代表が加わります。
◇ 父母会 在籍児童の親(保護者)全員で構成しています。父母会では、学童保育の内容
 の充実と発展のために、さらに父母同士の交流と親睦を深めるために、いろいろな行事や
 活動を行っています。父母会は、指導員と協力しながら、遊具、教材などの購入、施設の
 修理、拡充、そして保育内容の向上などあらゆる面で、学童保育をささえていると言えま
 す。父母会には、会長を中心にして、役員会があり、各専門部がそれぞれの分野で活動し
 ています。
   [月一回の定例会]
 学童保育では、日常の子どもの指導は、指導員が行っています。また、実際の運営は父母
が行っていますので、市立保育園のように預けるだけという訳にはいかず、父母が共同で責
任を分かちあっていかねばなりません。また、学童保育と家庭が一体となって子どもの成長
を援助していかなければなりません。こうした必要性から、毎月一回、父母会を開いていま
す。この父母会は、保育料収納の場でもありますが、子どもの様子など指導内容の報告、問
題点の把握と解決方法、行事計画や子どもについての悩みなど、話し合う場でもあります。
この様に大切な父母会ですから、父母は交替でも結構です、定例会には必ず出席下さる様お
願いします。


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