オーロラ自由会議

  1995年から毎月1回開催してきた「オーロラ自由会議」も、この春からは、新しい装いでスタートします。毎回、作家の山口泉さんに「『戦後』文学を検証する」と題して、以下のようなテーマで話をしていただきます。
 とはいっても、山口泉さんのことですから、その話は「文学」にとどまらず現在の日本や世界で進行中の政治的・経済的・社会的なさまざまなことがらを巻き込んで展開してゆくことは明らかです。
 「戦後」とは何か? ほんとうに「戦後」に「民主主義」というものは、存在したのか? そもそも「日本文学」とは何なのか。山口泉さんが93年から河出書房新社の季刊『文藝』に連載してきた長篇エッセイ『「日本文学」の世界戦のために』(未完)をさらに拡大し、徹底させた、これまで決して語られることのなかった視点から、「戦後文学」を解き明かす試みです。山口泉さん自身としては、特に「有名な作家より、現在は読まれることの少なくなっている文学者の紹介を中心に進め」、それ以上に、「これまで『文学』という言葉を当てはめられずにきた、非制度圏の人びとの表現に光を当て」「近代“日本文学史”の欺瞞性を明らかにしたい」という意向のようです。

「戦後」文学を検証する