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首相官邸、大臣疑惑検知機の導入に踏み切る
金銭スキャンダルの釈明に追われ続けた大島理森農水相が閣僚の座を去ったことを受けて小泉首相は閣僚の口利き疑惑、違法献金受領、国会答弁作成依頼などの不正行為を瞬時に見抜く最新鋭の「大臣疑惑検知セキュリティ・システム」を導入、首相官邸に設置した。
「知らなかった」「元秘書が報告せず流用」「感知していない」「その事実はない」などの"大臣居座り弁解"に対して、赤ランプが点滅し、「往生際が悪い!」と警告が発せられる。あまりの性能の良さに大臣が恐れをなしている。
一方、首相の「税源委譲」発言の有無で意見が真っ向から分かれた竹中金融相と塩川財務相にもセキュリティ検査が行われ、塩爺のウソがバレた。
(「週刊金曜日」4/11号 コピーは一部変更しています)
イラク新型肺炎
患者とすれ違っただけでも感染するというアジアを中心に猛威を振るっている新型肺炎の正式名称は重症急性呼吸器症候群(SARS=サーズ)と言うんだそうだが、この長ったらしい呼び名だけでも何だかブキミだ。日本政府はついに感染の中心地である香港と中国広東省への渡航見合わせを勧め、国内空港の検疫体制を強化するという物々しさ。
香港から成田、関西に到着した便の客室内清掃に消毒剤を使用したり客室乗務員のマスク着用も開始する航空会社やパック旅行を中止する旅行会社が続出するなど観光ビジネスに打撃が生じている。
これまでの累積感染者は二千二百人を越え、亡くなった人は数十人にも及ぶ。感染地域はシンガポール、ベトナムなどアジアの他に米国、カナダ、ドイツなど欧米にも広がりつつある。
こうなったらいっそのこと戦火の激しいイラクに新型肺炎が飛び火したらいい。ただし感染地域は米英軍が包囲しているバグダッド市周囲に限る。防毒マスクならぬ布製の白い肺炎感染防止マスクを着用した兵士の姿ほどマヌケなことはないよね。
ま、冗談はさておき、それより何よりも、「生命に危険だから直ちにイラクから撤退せよ!」とブッシュ大統領が命令することをマジメに祈るしかないか?
(東京新聞「本音のコラム」4/6)
鉄腕アトムの妹
物語上の誕生日である二○○三年四月七日を迎えて「鉄腕アトム」の人気は勢いを増している。新作TVアニメの放送がスタートしたり音楽CDが発売され、さらに来年はハリウッド版映画が日米同時公開されるという。
ロボット・ブームという追い風も好影響の原因のひとつなんだろうが、何と言ってもアトムがロボットと人間のはざまで苦悩しながら、さまざまな困難に勇気を持って立ち向かい、やがて真のヒーローへと成長していく、というストーリーが受けていることは間違いない。
そんなアトム・ブームに私はちょっぴりギモンを抱いているんであります。
実はアトムには弟と妹がいて、その名がコバルトとウラン。ウランと言えばイラクで米軍が使用している「劣化ウラン弾」を思い浮かべてしまう。
劣化ウラン弾は高速で標的に激突し、その衝撃と発熱で激しく燃焼し、微粒子となり飛散し、大気や土壌や水を汚染する。体内に入れば金属毒と相まってガン、白血病、腫瘍、奇形児出産などが発生する。
こんな恐ろしい兵器と「ウランちゃん」を重ね合わせるのはいかにも意地が悪いかもしれないけれど、もしかしたら原作者の手塚治虫さんも「劣化ウラン弾」使用の米国には厳しい批判のメッセージを投げかけたかもしれないよね。
(東京新聞「本音のコラム」4/13)