憎まれ愚痴転載 2003.4
マッド・アマノの「週刊パロディ・タイムズ」

マッド・アマノのWebサイト「週刊パロディ・タイムズ」www.parody-times.com

(1) Welcome to New York

ブッシュ大統領がテレビを通じて戦況報告をした。
「イラクによる生物化学兵器攻撃に備えてニューヨークの自由の女神像に巨大ガスマスクを装備した。バグダッドで市街戦が始まり、我々米軍が劣化ウラン弾をブッ放せば放射能が飛散しイラク市民はもちろん、周辺諸国にも被害が及ぶことは間違いない。多数の死者が出ればサダム・フセインはコトの重大さに気づき降参するだろう。戦争終結後の復興工事の受注や油田の利権は国連の安保理が何と言おうと、すべて米企業の独占とする。そのことを考えると夜も眠れないほどウキウキウハウハの気分だ」 (週刊金曜日3/28号)


(2) 兵器見本市

 ホワイトハウスのイラク攻撃のホンネが「アメリカの言いなりになる傀儡政権樹立」にあるということがここへきて明らかになった。その結果、中央アジアに睨みを効かせて「エネルギー資源確保」を狙う、ということくらいは、とかく政治オンチのわたしたちにでもわかる。
 中東のアブダビ首長国が3月中旬に開いた恒例の「国際兵器見本市」には50カ国700社を越える出展がありアメリカを筆頭にイギリス、フランス、ドイツ、ロシアそして南アフリカなどが特に力を入れている。「イラク攻撃で我々の兵器の性能の良さが証明されるだろう」と米軍需産業の大手企業、ノースロップ・グラマン社の営業マンはB2ステルス爆撃機の宣伝をしたあと「お陰で売上げ好調」とほくそ笑む。戦争終結後のイラク復興工事には米企業が独占するという。
 チェイニー副大統領が最高経営責任者だったハリーバートンという会社などはすでに中央アジアにおける天然ガス・パイプラインプロジェクトに参加してしっかり利権を確保している。
 わが国は多額の復興予算(という名の戦費)を上納した"ご褒美"にちょっぴり、おこぼれの仕事をブッシュ様から頂戴する、という、いかにも屈辱的で情けない日米の上下関係が続くのであります。
 (東京新聞毎週日曜日連載 本音のコラム3/30)