2004年8月31日(火)台風一過のピカ晴れ、暑くって暑くって夏は終わってません
昨夜は大変な大風が吹いておりました。それでも窓を開けて寝る秘書。息苦しいのがダメなんですけど、つくづく因果な体質です。吹きすさぶ強風の音がばっちり筒抜けで、ごーぐわーぴううう、と昼下がりの名作座でオヤジ様のいびきを耳元で聞かされている気分です。
うとうとしておりましたら、真夜中の2時頃、ベランダでぴいぴいとヒナどもがうるさく鳴きます。「うるさいっ」と起き上がってみましたら、産毛を風になびかせて「かあちゃん怖いよお」とばかりにじたばたしております。そのそばで母さん鳩は知らん顔。なんとま冷たいと思いかけて、秘書気がつきます。こいつら鳥目だ。何にも見えてない筈だ。
そういうことかイッヒッヒ、と闇に乗じて足の裏でヒナの頭をぐりぐりする秘書。
ガキ鳩 :「怖いよ、なんかいるよ」
母さん鳩:「台風が来てるのよ、夜更かししないで寝なさい」
2羽まとめて、首根っこを捕まえて握って遊んじゃいました。それでも母さん鳩はお不動さん状態。
真夜中の悦楽です。秘書は人間でよかった。闇の中で訳の分からないものに撫で回されとうはありません。人間て、つくづく身勝手です・・・
2004年8月30日(月)雨、夏は終わったのでしょうか
いつの間にやら秋に忍び寄られました。そこはかとなく寒くって乙女心も冷えてまいります。ベランダのゴーヤーの実が紅葉しました。いえ、紅実でしょうか。それとも、まだ赤くないから黄実でしょうか。とにかくあれよあれよと言う間に色が変って鮮やかな黄色に変身しました。
収穫してテーブルに転がしておいたら、フルーツと間違えた同居人がかぶりつこうとします。ちょいと待ったあ!そいつは苦瓜だ、と止めましたが、後から考えれば止めなきゃよかった。同居人の百面相が見られたかも。
お肉と炒めようとぱかっと割ると、八百屋さんで買うゴーヤーならむっちりとワタが詰まっているところがガランドウで、真っ赤っかな種がぽちぽちへばりついていました。気のせいか醗酵した甘い匂いも・・・ 収穫したばっかだから腐ってないよ、の理屈で炒めちゃいました。甘苦かったです。苦瓜故の苦さなのか、いけなくなった食べ物の苦さなのかは、神様の守備範囲ではありませぬ。腹具合のみぞ知る。
プランターでまた鳩が落ちていました。ピイピイうるさいなと思ったらそういうことでしたが、猫と違って親が首根っこをくわえて戻すことはできません。全くの自然界なら、落ちた奴が馬鹿よ、はいそれまでよと一巻の終わりにするのでしょうが、あいにくと落ちた所は秘書んちのベランダ内。おせっかい秘書が、よっこらせ、と親鳩を蹴散らして救い上げます。
ついでだから、ぐりぐりなで回してみました。命の恩人だよ、とばっちり刷り込んでおこうという魂胆です。成長してから寄り付かれても困るけど、恩返しになんかくわえて来いよ。アベック(死語だあ)の名所、井の頭公園に行けば、木の陰にイヤリングが片っぽ落ちてたりするよ。安物はいらんから、18金だとかダイヤだとかくわえて来ておくれ・・・
さて、涼しくなった途端に我が社の編集長復活。新聞社やテレビ局に電話して張り切って指導しております。大変結構なことではございますが、『真相の深層』の原稿は如何したでございましょうか。まさか、ぎりぎりまで寝かせておくんじゃないでしょうね。秘書だってあれこれ都合があるんですからね。さっさと寄越さんかい。
2004年8月29日(日)雨、今日も寒い
朝風呂に入って気合いを入れた秘書。さあ、と張り切るも直ぐ眠たくなって、しかし必死にこらえて洗濯掃除に精を出します。お家の中がなんだかぐしゃぐしゃだ。
ちょいとベランダの様子でも見ようと窓を開ければ、プランターにおります鳩の子2羽、びっくりして後ずさり。1羽が後退しすぎてプランターから柵との隙間に転げ落ちました。絵に描いたような転落ぶりに、思わず、ぶっ。拾ってやろうかと思ったのですが、愛の手を差し伸べようとすると威嚇するので、勝手にせい、と放っておくことにします。何があっても秘書のせいじゃないやい。
ないけど、寒いぞ。2羽寄り添っていれば山岳遭難よろしく互いの体温で暖めあうでしょうが、雛1羽ではねえ・・・ と、ついついサルベージしてしまいました。つつかれないように後ろからいきなり掴んでぽいっとプランターの上に放り出します。ご対面した兄弟だか姉妹だかがきょとん。感謝せい、と言っても無駄でしょうな。
午後は、てれてれとテレビの国民的美少女コンテストを見てしまいました。はあ、金と力のある男が、若くて綺麗な女を選り取り見取り、太古の昔から変わらない見事な社会構造だ。だんだん青田刈りみたくなってきたな。最年少美少女は10歳だぞ・・・
秘書は美人コンテストが嫌いじゃありません。一種の下克上ですもの。男は女を選んだ気分になっているかもしれませんが、女は自分が勝ったと思っているのですぞ。
2004年8月28日(土)雨、寒い
突然ですが、歯を磨いている最中にくしゃみをしたことがありますか。
お口の中は歯磨き粉のあぶくで一杯の時に、むずむずっと来ました。くしゃみする時は盛大に一気に吹き出すんじゃなくて、一瞬前触れのように、吸い込みますね。
つまり、どうなるかというと、ぶわっくしょん、とやった時には、鼻の穴はすがすがしいミントの香りが逆流してちっともすがすがしくなくなって、中途半端なくしゃみが、お口のあぶくも吹き飛ばして、なんだかわからないけど極めて情けない。
というのが本日の出だしです。暑い暑いと口癖のように言っているうちにいきなり寒くなってしまって、夏の格好のまま秋を迎えまして、少々風邪気味です。
今日は年に一度の健診です。朝ご飯抜きでてれりんこと近くの診療所に赴きましたところ、わっ、時事馬場だよ、じゃない爺婆で一杯だよ。この診療所、流行って無くて混まないからいいと思ってたのに・・・ 同じ思いの人は他にもおいでのようで、受け付けのネエちゃんにぶつくさ言ってます。
ネエちゃん答えて言うには、「月末だからねえ」
月末だとなんで病院が混むのか。それは市の健診が誕生月に受けられるようになっているからです。すなわち本日は、8月生まれの心がけの悪い爺婆様が、こりゃいかんさっさと受診しなくちゃと押し寄せたのでした。(暇だろうに、ぎりぎりに来るなよ、と毒づいている秘書も8月生まれの暇人です。ごめんなさい)
近頃やる気皆無の秘書、健診結果にもばっちり現れて血圧低め脈拍ゆっくりめ。この段階で、なんでもないでしょう、と言い切る医者を信用していいものか悪いものか。その後血をとられてクラクラします。1月後の結果になんと出るやら。
眼科の健診にもいきました。予約してない、と言うと、「予約優先だから大分待たすけどいいかい?」みたいな受け付けのお姉さん。待ちます。どうせ暇だ本も持ってきたぞ、と待合室に入れば、あれれ、とっとと流れて行くよ。さっきのあれは患者威嚇用の決まり文句だったのかな。とにかく眼底撮影のため瞳孔を薬剤で思いっきり開かれて間抜けな目になって帰って来ました。
お家に戻ってみれば、検査疲れで食い気より眠気。ちょっとの積もりがぐっすり眠り込んで、今日も日が暮れていく。体力つけないと、このままでは、あっという間に爺婆の仲間入りをしそうだ・・・
2004年8月27日(金)曇り、夏の終わりのような
本日は編集長の晴れ舞台です。昨日あたりから張り切っております。
興味はとっくに911 IN PLANE SITEの映像に移っちゃっているので、看板の「 小泉の婦女暴行レイプ事件の名誉毀損訴訟の経緯と判決 日本国の支配構造の現状 と 小泉に与えられた役割」とどうやってつなげるんでしょうか。
言いたい放題言ってくるんでしょうな、と思いつつ、このオヤジ様に3時間喋らせる、という企画そのものに敬意を表します。皆様、お誘い合わせの上、お出かけ下さい。この名物オヤジの現物を見る、という行為だけにでも十分意味があります。
さて、太宰治氏の入水自殺、もしくは戦後の混乱を引きずる昭和24年の「三鷹事件」などで知られる地名をいただく三鷹駅は、三鷹市民だけでなく武蔵野市民の最寄りの駅でして、それがどうしたかというと、人は知り合いの誰かを表現する時に、おうおうにして地名もしくは駅名を使いますもので、例えば「神保町の叔父さん」とか「駒込の伯母さん」とか言いまして、人によってはフルネームではかえって誰だか分からなくなって「目黒のラビリンスな叔父さん」の方が通りが良かったりして、それでつまり何が言いたいのかというと、秘書は親戚んちに電話をする時には「三鷹の何とかです」と言います。
結果、三鷹に住んでると思われまして、三鷹の情勢についてなど尋ねられますが、知りゃしません、そんなこと。秘書が知ってるのは、編集長の天敵市長が住む武蔵野市です。我が社の編集長が、如何に天敵退治に情熱を傾けていたかは、ホームページの「仰天!痴呆自治」をみていただければわかります。
と、まだ話が遠いですな。
ご存知の通り、我が日本国の首相を訴えて以来、編集長は地元の天敵のことをすっかりお忘れです。忘れてくれていてもいいんですけど、その間に地元ではじわじわと事態が展開しておりまして、例えばゴミの収集方法が変わりまして、以前はダイオキシン発生に付き燃やすな!とうるさくいわれていたプラスチック類(汚れたもの)を焼却することになってしまいまして、それはまあそれとして(後でよく考えよう)、10月からは家庭ゴミが優良化もとい有料化するそうでして、つまり何が言いたいのかな、えーと、「編集長、ゴミは早く捨てましょう!」、じゃなかった筈だ。
編集長、日々の生活に目を向けましょう。高尚なことばかり思索する余り、仙人みたくなっております。人間は生物(なまもの)です。きちっと管理しないといけませぬ。
と言う話でもなかった筈だ。思い出した。「三鷹駅」を持ち出した時は、駅前にあった広大な梅林の話をするつもりでした。
駅前の一等地に地方の農家そこのけの鬱蒼とした林に囲まれたお屋敷と農地と一面の梅林がありました。何十億何百億の物件でしょう。持てるものの悩みがバブル期に吹き出したようで、相続でもめたんだかなんだか、だんだんと侵食されていき、それでもだだっ広い林が残っていたのですが、先日、梅の木が丸裸に近い形に刈り込まれていて、結構ショックでした。
梅と桜と、どっちを切るのが馬鹿でどっちを切らないのが馬鹿かと思いつつ通り過ぎて、後日また通りかかったら、無いったら無いっ! 1本も残っていないっ!
きれいさっぱり更地と化しておりました。その昔、街宣車が横付けされたとかの噂も聞きまして、ご都合もおありだったのでしょうが、
「残しておくれよ、この殺伐とした駅前の貴重な緑地を」
が秘書の叫びでございます。東京中が新橋化したのでは、もはや夏の東京には住めませぬ。日本国の有り様の諸問題が凝縮されたような光景でありました。ついでに、ここに米軍のヘリが落ちたら、あたり一帯OFF LIMITになっちゃうんだろうな、とかも思いついちゃいました。日本て、ほんとは独立国家ではなかったんですね。小泉さん、あんたやっぱり辞めて下さい。
2004年8月26日(木)晴れ、暑いような涼しいような
秘書んちは、朝ラジオがつけっぱなしです。ほんとはテレビでもいいんですけど、台所には置くスペースがない。余計なモノがありすぎます。
同居人が遊びに行くのに持っていったトランクが、事後10日は経過しているのに、未だに玄関兼台所兼食堂に置きっぱなしです。蓋をあけたら、洗面道具とか入れたまんまです。その伝で、取り敢えず置いたモノが置きっぱなしで古いものは1年を経過しております。おいっ。
という話ではなくて、ラジオの話。毎朝J-Waveを聞いております。早朝担当はご存知(かしら)ジョン・カビラさん。その美声も毎朝聞く理由ですが、もう一つ楽しみがあります。それは、NTTデータの日替わりコマーシャル。これが、すっとぼけていて、メッチャ面白い。
中でも面白いのが、売れ残りトマトとキュウリの会話編。冷静理知的美人のトマトさんと、ちょこっと可愛い舌っ足らずおバカ系のキュウリさんとの素っ頓狂なやりとり。「トメイト」「キュウカンバア」のあたりで思わず、止糸?吸肝婆?と突っ込みを入れては、同居人にせせら笑われております。ふん、同居人が相手をしてくれないからラジオに相手をして貰ってるだけだい。
このご時世に、コマーシャルなんぞに現(うつつ)を抜かしおって、資本主義の手先め犬めあほたれめ平和ボケめ、と罵るのがお好きな方も世の中にはいらっしゃいましょうが、普通の人たる秘書の日常のこのささやかな楽しみこそが、人間の営みではございませぬか。一般庶民の幸せを大事にできぬ社会はしっぺ返しをくらうものですぞ。
歴史に名を残さぬ人間達の、時の流れとともにやがては跡形もなく消え去る日々が大昔から延々と繋がってきて、人類の今日があります。
石だの骨だの鉄だのしか残らないから(それらを展示した博物館的な)人類の歴史がひどく固いものに見える、とか言ったのは、かの爆発する岡本太郎さんではありませんでしたか(記憶不鮮明)。
朽ち果て消え去った軽やかな柔らかな部分にこそ人類の喜びがありましたでしょう。大義名分の前に踏みにじられたくはありませぬ。
(何を言ってるのか分からなくなって来ました。とにかくイラク戦争は無意味だ。売れ残りトマトとキュウリの会話を聞くならこちら↓)
http://www.nttdata.co.jp/itinfo/radio/index.html
2004年8月25日(水)雨、本日も蒸し蒸しと
夕方、お家にいるといろんなものが来ます。回覧板くらいはざっと目を通してお隣へ回せばいいのですが、困るのはセールスの類い。
ひっきりなしにやってくる三大(?)新聞の勧誘は勿論ですが、訳のわからないものも多いです。
お使いいただいているレンジフィルターの何とかですが、このたび担当が変りましたのでご挨拶を、と言われてご挨拶だけで終わる筈がありませんし、そもそもその会社の製品を使ってないし、またそんな馬鹿高いフィルターを買うつもりもお金もございません。開口一発「無駄だから余所へお行きなさい」と忠告申し上げたにも拘らず、営業の兄ちゃん、えんえんと喋ります。15分経過したところで「何分喋りましたあ? でも買わない」と申す秘書。「悪いねえ」と言うと「いえ、商売ですから」と答える兄ちゃん。そこが問題だ。あんたは商売だが、こっちは生存競争だ。買わないったら買わない。
では、と話を変える兄ちゃん。「本日はご挨拶ですので、せめてお顔だけでも」ドアを開けて出せ、と申します。その手には乗りません。秘書は申します。「わたしゃ、あんたに顔を覚えられたくない」(実際にこの台詞を言いました)。すると兄ちゃん答えて「いえ、すぐ忘れますから」。「なら見る必要がない」と勿論秘書は言い返します。まるで漫才。検討してみるからチラシをポストに入れておけ、でようやく話をまとめました。あとでインターネットで調べたら、そんな名前の会社は業者登録にありません。
他にも数人で分散して来て、ドアをガンガン叩き、「○◆&Ψ○*×?×△▲★Й@£ ??!!」(日本語らしいんだけど、何言ってるのかさっぱり分からない)。何度聞き返しても「○◆&Ψ○*×?×△▲★Й@£ ??!!」で、とうとうヘラヘラ笑いながら去って行きました。なんだろな。
さて、昨夕は、うら若き女性とおぼしき声が一軒一軒を回って来ます。いよいよ秘書んちへも来て、「ボランティアですが、布巾を買って下さい」とのたまいます。ボランティアねえ。
アメリカの大学だかで、切れやすい人は顔のパーツ、例えば耳などが左右不対称だ、という実験をやったそうです。その時の実験対象は大学生で、実験の意図を知らされずにボランティアとして募金集めをさせられました。電話をかける先は、あらかじめ実験側が用意した「募金に応じない」人々。その結果は、パーツが不対象の人は早く怒り出す、というものだったらしいです。
この結果の信用性はさておき、募金や署名を集めたことのある人なら、やっているうちに怒り出したくなる気分がお分かりでしょう。これだけ訴えてるのに、てめえら良心というものはないのかっ、と。
この布巾の女性にはそのパワーがありません。おどおどとしたものが透けて見えます。ご苦労さん、だけど協力しない、と秘書は冷たく応対します。野の花会、と名乗っておりましたもので、後でインターネットで調べてみましたら、おおなんと、かの有名な、万物を一つにまとめちゃったような教会でありましたぞ。こわっ。
2004年8月24日(火)曇り、日本の夏は蒸し暑いことを実感する日
編集長室のパソコンは本日も絶不調です。秘書思うに、編集長のパワーボタンの触り方が悪い。指先に怨念とか邪念とか淫念もとい因縁が籠っているのではありませぬか。機械にも心というものがあるのです。くれぐれも、このバカとか張り倒さないように・・・
ところで、秘書んちのベランダ鳩の存在がご近所に知れ渡っていることが判明いたしました。
昨日ちょこっと井戸端会議がありまして、秘書も首を突っ込んで、あることないこと、うわさ話をたっぷり仕入れてきたのですが、話が鳩に餌をやっているおじさんに及んだ時、あんたんちのベランダで鳩が孵ったでしょ、と突然のご指摘。
そりゃもうびっくりしまして、慌てて、卵を取り上げたんだけど、しつこく生むモノで・・・と言い訳。あんたんちは昼間いないからね、でなんとなく話がどっかに行ってくれましたが、冷や汗たらたらの秘書。取り上げた卵を鳩に返した、なんて口が裂けてもおケツが割れても言えません。もちろん、次のヒナが孵りました、などと言える筈もありません。そろそろピーピーとうるさくなってきました。あ~ん、どうしましょ。焼き鳥にしたいのはやまやまですが、ヒッチコックの「鳥」みたいな目にあうのだけは嫌です。
と思いつつ出勤して来ましたら、びくびくしてるのを嗅ぎ付けたのか、曲がり角の駐車場の屋根にばかでかいカラスが、どん、と降り立ちました。全長約50センチ。一時期、カラスもなかなか可愛いな、と思ったことがありますが、本日訂正。こんなの鳥じゃない、怪獣に羽根をつけただけだ。
あっち行けーっ。秘書を襲ったりしたら、保健所に訴えてやるっ。
2004年8月23日(月)曇り、涼しいです
出社してみれば、編集長室のパソコン大不調。早速修理屋と化す秘書。思うに編集長の手は魔法の手だ。触るもの全て壊してくれるぞ・・・
お客さんから、原稿取りにこい、の電話をいただいている秘書が焦って直して、はいっ、と引き渡せばわたした途端にまた「エラー」表示。いい加減にしておくれ。
なんとか事態を収拾してみれば今後はeMacに「ディレクトリ」云々の表示。編集長、オネゲエです。そこに出てくるメッセージが何を意味するのかご自分でよおく考えてみてください。メッセージは秘書を呼びつけるおまじないではありませぬ。
ぷんぷん、とふくれながらNortonDiSkDoctorをおっぱじめる秘書。ああ原稿が、ああ遅れてしまう、あああ徹夜は嫌だあ。
2004年8月22日(日)晴れ
遊ぼう、と同居人が言ってくれました。滅多ないことなので、ほいほい付いていく秘書(誘った方が費用持ちです)。出向いたところはフィルムセンター。戦前戦中戦後の日本の古いアニメの特集です。短編ばかりなのですが、90分みっちりやられると結構見応えがあります。
実は、あまり期待していなかったのですが、見終わってみると、なんともシュールで面白いものでした。
戦意高揚の筈の「動物となり組」なんぞは、動物達の繰り広げる日常がのんびりし過ぎていて見事に戦意喪失もんです。馬だの鹿だの牛だの熊だの豚だのが登場し、猫だけは何故か彼らに飼われるペットの扱い。ウサ子ちゃんが鹿の奥さんに猫の子を貰って下さいと頼むあたりで秘書の頭は?!?!?状態。
「のんきな駅長さん」では、のんびりした山の駅のうっかりミスで、単線に両方から列車を走らせてしまい、必死になって止めようとするも間に合わず、山中のトンネル内で正面衝突してトンネルのてっぺんが吹き飛ぶという大惨事なのに、のんきな駅長さんは今日も無事でめでたしめでたし、みたいな開いた口が開きっぱなしになるような結末。
制作者の意図がわかったようなわからないような妙チキリンなアニメを戦時中の子供はどういう気分で見ていたのでしょうか。
気分転換に、浜離宮庭園にお散歩に行きました。この海辺の庭園には原生林(のような樹木群)がありまして、初めていった秘書は感嘆しきり。緑濃い日本庭園の上ににょっきり高層ビルがつきだして、これまたシュールな眺めです。江戸時代と近未来を行き来するみたいでめまいがします。帰りに汐留ガレッタのすけすけエレベータに乗って外を見ながら上がって下がった時には、本物のめまいがしました。
以上、楽しい秘書の休日報告でした。おしまい。
じゃありませんでした。これは言っとかないと腹の虫が納まらない。晩ご飯を食べに、同居人お勧めの西荻窪のお店に行きました。同居人も人から勧められたとかで、行くのは本日が初めて。わくわくしながらドアを開けてそれから1時間。結論。二度と行かないぞ、こんな店。
ビールが出て最初の皿が出てそれから40分。頼んだ品がこないよ。複雑なことは言ってないよ。フライ定食と麺を頼んだだけだよ。ご飯炊いてるの?それなら最初に言ってよ。パンからパン粉作ってる?ひょっとして麺は手打ち?わかった、薬味を裏の畑に取りに行ったんだ(田舎じゃないぞ)。
催促してようやく出て来ました。一瞬ラリっていて客のこと忘れてるんじゃないかと思ったくらいです。味は悪くもないのですが、値段も安くもなく、秘書と同居人二人しておかんむり。お家に帰って食べようと、先に買い込んで持ち歩いていたケーキも融けかかってしまいましたがな。(このケーキは美味しいかったです。西荻のぺー・・・内緒。)
2004年8月21日(土)晴れ
土曜日の朝の7時起床は早すぎます(今日も勤労にいそしむ皆様ごめんなさい)。どれ、もう一眠り、とすやすやして起き上がってみれば、狐に化かされたように、時計は12時を回っております。半日大損した気分で跳ね起きて、大急ぎでご飯を食べて、お出かけです。
日頃の運動不足を補うべく、「明日は歩こう!」と決意して昨晩はベッドに入ったのでした。スタートが遅れちまったです。手始めに隣町吉祥寺へ歩いていきます。ほっぽらかしてあるプリンタを使うべくUSBケーブルを買うのです。プリンタに限らず、我が社は貧乏会社なのに、機材が多々ほっぽっらかしてあるのです。それもこれも誰とは言いませんが物好きで飽きっぽい某人が勢いで買い込んではすぐ使えないといって別のものに走るからです。使ってないデジカメ使ってないノートパソコン使ってないスキャナ使ってないプリンタ使ってないiMac使ってない翻訳ソフトつかってないビデオカメラ使ってないプロジェクタ使ってない○○○○・・・(使っているのはお金だけ)
秘書が有効利用させていただきます。
ついでに、古いiMacのマウスの調子が悪いので、タマを取り替えて見ようと(多分タマだけは売ってないと思いつつ)店員にお聞きしましたところ、店員さん、態度が冷たいよ。聞く方もどうかしていると思いつつ聞くのですから、無いなら無いで、もちっとニコヤカに対応なさいまし。この態度、覚えがあると、秘書の脳内ファイルをかき回してみましたら、あった~どんぴしゃり。今は無き第一家電の潰れる少し前の店員さんにこういうお方がおりまして、秘書は(二度と来ねえぞ)と誓ったのでした。
さて、電車に乗って行ったところは荻窪。南荻窪というのは結構な高級住宅街です。その昔、秘書は一時期住んでいたことがあったのでした。シリーズ「思い出を訪ねて」みたくお散歩を、と思ったのですが、降り立ってみて、ぎえ、道がさっぱり分からん番地も覚えていない、であっけなく迷子。
とにかく歩いてみることにして、その結果は(東京都杉並区近辺にお住まいの方なら馬鹿さ加減が分かると思いますが)JR荻窪駅から曲がりくねって京王井の頭線の富士見ヶ丘駅にたどり着いて久我山をうろちょろして久我山駅を通り越し三鷹台駅近辺で吉祥寺南町に紛れ込み井の頭公園を横断して吉祥寺駅に舞い戻りまた歩いて三鷹駅方面の自宅へ帰るというコースをたどりました。
おかげで暑さにやられたのか頭がガンガン。お顔がぽっぽ。夜は早々とお休みしたのでした。絵日記にするなら4~5ページ分描けそうです。
2004年8月20日(金)本日もまたよく晴れまして
はっきり言って、我が社の編集長は趣味悪いです。前から美的センスには欠けると思っておりましたが、今日のは何なんだ・・・
にこやかに秘書室に入り込んできて申しますには
「いよいよ講演が迫って来たから、ホームページで目立つようにしてね。
カウントダウンがいいなあ」ですと。
前から、トップページの写真に関して秘書はごにょごにょと雑音を聞いております。もちろん、あの写真が大いに役に立っていることは知っております。初対面の人と待ち合わせても必ず先方が見つけて声をかけてくれるとか、ホームページをいつも見てますとかいって本を買ってくれたり・・・
編集長が自分でホームページをいじると、1年中クリスマスみたいな、万年古代広告じゃない誇大広告みたいなものになることは、昔からの読者の方はよおくご存知です。今だって、あまり上等じゃありませんが(GoLiveゼロからのステップアップみたいな参考書を拾い読みして作ってるんです)、当時に比べれば少しはマシでしょ。
(といっても、Macのデフォルトのヒラギノ角ゴ表示だとIEでもSafariでも、実に整然としているのが、WindowsのMSPゴシックのIEだと、趣味も何もあったもんじゃなくごっちゃごちゃになるのはなんとかしないと、と言いつつはや3年・・ 寝助のことはすっかり忘れてた)
編集長の意見を聞くと、頭が割れてケツにヒビが入りそうなことを口走りますので、黙って地味目の色彩で作らせていただきます。
2004年8月19日(木)よく晴れています
アテネオリンピックは事前の心配をよそに、無事開催されております。
と思ったら、結構いろいろあるらしいです。電気系統の故障が頻発し、その度にヒューズが飛んだかどうかは知りませんが、担当者の首が相当飛んでるようです。昨日あたりは、短時間といえどもついに全面停電中継中断だとか(よそ見しながら見ていた朝のワイドショーで言ってましたので不正確)
日本でこんなことが起きたら、担当者切腹しかねませんが、良くも悪くもラテン民族は陽気らしいです。(ギリシャ人てラテン系ですよね。イラン人はアラブ人じゃないって知ってましたか? ペルシャ人なのですって)
そのワイドショー、ついでにこんな情報も。
「急ピッチで工事が進む(筈の)オリンピック会場、掘り起こした土や資材が転がっておりまして、作業はまだまだ、この先は長い。今日もよく働いた(に違いない)現場労働者が休憩しております。3人、どかっと腰をおろして、おやつのポテトチップスをパリッボリッパクッパクッ。実においしそうです。後を引きます。パリッボリッパクッ。う~ん、うまい。さらに、パリッボリッパクッ。
とそこへ、ずどーんずかーんと花火のあがるような音。何事かと振り向く労働者。わあーっという歓声とともに、ランナーが一斉に走って来ます。
そう、オリンピックが始まっちゃったのでした。土を積んだまま放り出してある手押し車に蹴つまずいて転倒するランナー。しかし皆脇目も振らずに資材を飛び越え労働者をまたぎ懸命に走っていきます。憮然として見送り、みな行ってしまうと、また新たなポテチの袋を出して悠然と食べ始める労働者。哲人の風貌あり・・・」
と、これは前回、大成功をおさめたシドニーオリンピックの国、オーストラリアのポテトチップスのメーカー、スミス社の広告でした。テロップには「もちろん我が社はアテネオリンピックの公式スポンサーではありません」の文字。
笑えました。日本でも放送すれば、スミス社のポテチ、バカ売れするかも。
2004年8月18日(水)暑い
♪昨日夜中に刺されたよ、人には言えないあんなとこ~
とお風呂に浸かって気持ちよく蚊取りリキッドのコマーシャルソングを歌っておりましたら、ズズビズビズビの手前で頭を押さえられて湯船に沈められました。
ぶっごぼっぐぶっ。
なにしやがんだい、と秘書は猛り狂います。歌詞が違う、勝手に作詞するんじゃない、と言われても秘書は納得はできません。どっこも違ってやしませんっ。
え、人じゃなくって口ですって。口では言えないあんなとこ・・・ 似たようなものじゃありませんか。口で言えなければ人には言えませんでしょう。それとも何ですか、口で言えなくても人に言っちゃうんですか、○○○だの□□□だの。
と、ここでまた湯船に沈められる秘書。河童じゃないんだってば。そんな△△△な○○○だの□□□だのを口走るんじゃないとか、勘ぐる方が悪い。
はあはあ、ぜえぜえ、と湯船の底から起き上がった秘書、一つ発見しました。秘書んちのお風呂のお湯はミント味だ。何故かっていうと、浴室に蚊が飛んでるのを発見した時に蚊取りリキッドも殺虫剤もなかったもので、鼠除けのミントスプレーをたっぷり撒いたからだ。入浴剤使ってたどっかのインチキ温泉と似たようなもんだぞ・・・
(ところであなたは、△△△と○○○と□□□に、何を入れましたか。入れた文字で人格がばっちり分かります。秘書が入れたのは、「げせわ」と「でべそ」と「いぼじ」です)
この蚊取りリキッドコマーシャルをご存知でない方、人生の楽しみを一つ逃しております。サイトで見られますぞ。
http://www.kincho.co.jp/cm/ の金鳥CM(しいえむ)劇場へ
楽しいFLASHムービーが見られます。
(金鳥さん、宣伝しときました。蚊取り線香1年分下さい)
2004年8月17日(火)程よく曇って涼しくてよろしいかと
あまりに色々なことがありまして、近頃は人の噂も7日間の感があります。アブグレイブ事情が発覚してジェンキンスさんが来日して小泉裁判は判決が出てまた別口を提訴して中国でブーイングされて美浜原発で4人の方が亡くなって沖縄の大学にヘリが墜落してオリンピックが始まって敗戦記念日はまさかの雨降りで小泉さんは靖国にはいかなくて真夏日記録はストップしてサマージャンボは大はずれでこの先何もない筈がありません。
記録的な暑さでしおれた我が社の編集長、口先だけは相変わらず達者ですが、体力がついていきませぬ。人並みにでれでれと夏休み気分に浸っておりました。
少し涼しくなった途端、復活気分が盛り上がったらしく、冷えに冷えた15日、勇んで市営プールに出かけました。水温が低くて気持ちがいいのう、とか言い散らして来たらしいのですが、これ、オヤジ、つまらん意地を張るでない。言うまでもなく冷え過ぎたようで、この季節にジャージを着こんでおりました。まったく、このオヤジ様は、「ほど」と言うものを知りませぬ。
そして本日、目出たく病院行きと相成りました。救急車を呼んだわけではございませぬ。昨日プールで血圧を計ったら、少しはカッカとした方がよろしいのでは、と余計な忠告をしたくなるような、冗談のような低血圧でした故観念あそばしたようです。亀のようなスローモーションでお出かけしていきました。また病院で、心配ないですよ、とか言われた途端に大いばりで帰ってくるんでしょうな。
ところで、秘書んちのベランダ居候鳩にヒナが誕生しましたが、母さん鳩に、見せてとお願いしたら、ちょいと体を持ち上げて披露してくれました。さすが秘書んちは鳩も賢い。日本語を理解する。
さて御開帳。向って左にでかすぎるクチバシのついた目が点の不細工な頭部、右にでかすぎるケツ。それを目にして、ヒナのくせして随分なヨガ体型だこと、と思った秘書、次の瞬間にハッとしました。
2羽孵っていたのでした。
左が安全地帯から首だけだして人間見物、右は頭隠して尻隠さず。この性格のまんまで成長するんでしょうな。チョロリンちゃんとビビっ太君ですか。どうでもいいけれど、早く大きくなって出て行っておくれ。秘書んちは借家ざんす。又貸がばれたら秘書が追い出されるざんす。
2004年8月16日(月)からりと晴れて心地よろしい
秘書んちのベランダ鳩のその後です。
おさらい:息子鳩は自立しました。お母さん鳩は新たに卵を2つ産んでお父さん鳩と交代で暖めています。
最近気がついたこと:自立した筈の息子鳩は、お父さん鳩と一緒に時々戻って来ます。秘書を見ると逃げていきます。
今朝気がついたこと:ヒナが孵っていました。お母さん鳩のお腹の下に黄色い産毛とピンクの蹴爪がのぞいていました。
今後の見通し:ピーピーとまたうるさくなるでしょう。3度目の正直は願い下げにしたいです。
本日、同居人は9連休を終えて仕事に戻っていきました。秘書はまだ、復帰する気になれません。そもそも秘書の人生、長い夏休みに入ったままです。そろそろ真面目に考えないと・・・ 冗談みたいな職場にいるんだものな・・・ 倒産したらどなたか愛の手を差し伸べて下さい。予約受け付けます。
2004年8月15日(日)雨、寒い(!)
本日は、あの忌まわしい戦争が終わって59回目です。黙祷。(アテネオリンピックが始まっちゃっているせいで、凡俗の人たる秘書には印象薄いです)
それにしても、寒いこと。聞けば東京は18℃まで下がったとか。前日が36℃ほどでしたから、その差-18℃。一足飛びに10月下旬です。
前の夜、蒸し蒸しする上に酔っぱらっちゃってるもので暑くて仕方ない秘書は、いつものように玄関ドアをチェーンをかけて少しあけ、ベランダの窓は全開にし、ドアと窓を結ぶ一直線上に置いてあるベッドの上で、タオルケットを蹴散らし、ついにはシャツも脱ぎ捨てスッポンポンになって眠りの国にお出かけしたのでした。
危ないところでした。
去年の9月の雨の日に、東京の墓地で凍死した人がおりました。それを聞いた時には、まさか、と思ったのですが、さもありなん、秘書も寒い国から氷の馬車がお迎えに来た気がしました。
万事異常な世の中です(と簡単に話を結んではいけませんな)。
2004年8月14日(土)晴れて蒸し暑い
ムシムシとダンゴムシがたかりそうに暑いこんな日は何をしましょう。仕事に励んで暑さを忘れましょう、なんぞという悪い冗談はやめましょう。暑気払いするにきまっているざんす。
というわけで、秘書は1本担いでお友達のところへお出かけしました。秘書は貧乏人ですが、お友達はお金持ちが多いので、ほどよくクーラーの効いたお部屋で、山海の珍味を山盛りにして飲んで食べて喋ってまた飲んで食べて、お腹をぽんぽんにしてお土産まで貰って、と楽しい夕を過ごして参りました。
(その結果は、たった1日で体重2キロ増。おそろしや)
2004年8月13日(金)今日も晴れて盛大に暑い
日本国民の一大イベント、お盆です。こんな日に働くのは、亡者と編集長くらい、と思っていたら、盆も正月もない近頃の世相、多くの方が働いております。根っこが同じ宗教のユダヤ・キリスト・イスラム圏には安息日という概念がありますが、儒教を根っことするアジア地域は勤勉を旨とし、休まないのを美徳とする概念が支配的です(秘書説)。
働けば豊かになれる、と思ったのは間違いでした。死ぬほど働いても、サービス残業だの成果主義だので、たいして給料は増えません。ほんじゃま気楽に働こうと、パートやアルバイトを始めると、これまた死なない程度に給料が安い。
時給880円で1日8時間働いて7040円で週に5日だったら35200円で1月だと約14~15万で、家賃を6万払って水道光熱費に税金に保険にインターネットもしたいたまには飲みたい新しい靴も欲しい夏休みも取りたいけど取ったら収入減しかたないので掛け持ちで皿洗いでもと思っても体が持たない・・・
と、何を趣味レーション、じゃなかった、シミュレーションしてるんでしょ。
田舎に帰省すれば食費が浮くけれど近頃交通費は半端じゃなく高いし土産も持参せにゃならぬ親戚のチビにでも遭遇すれば小遣いもの一つもやらんとバカにされるしなによりこの夏はどこもかしこも堪え難い猛暑で田舎の年寄りはクーラーの効いた部屋でじっと陰干し状態で日向に出したら水分が蒸発して具合悪くなりそうでお買い物にもいけないしそしたら秘書がお買い物おさんどんだけどそれは嫌だぞ・・・
暑さのせいで、脳内シミュレーションがどんどんおかしくなります。
秘書は今年は田舎へ帰りません。涼しくなってから帰省して、待望の上げ膳据え膳ライフを堪能するのです。親不孝ものめ、とののしるならお好きなだけののしって下さい。いい年こいて親に甘えるのもボケ防止に役立つ孝行の一つです。
ところで、今日は13日の金曜日だそうですが、それがどうかいたしましたか。秘書は罰当たりながら、仏教徒でございます。洋モノのホラーとは無縁でございます。よって、靴の中に水を注いだり牛乳に塩を混ぜたり紅茶にナンプラーを入れたり、と中学生でもやらないようなことをしておいて「13日の金曜日」のせいにするヤカラは厳しく取り締まります。(あんたのことだよ、○○○)
2004年8月12日(木)晴れて盛大に暑い
炎天下の巷を歩いていると色々なモノに遭遇します。
顔とシッポはシーズー、胴体は大型チワワ?と思ったのは、暑さゆえ思いっきり刈り込んだワンコでした。天下の往来を裸で歩いているような気恥ずかしさが、ワンコ自身にでなく、ぎょっとしつつ見物する方にあります。
恥ずかしいと言えば・・・
秘書の通り道の公園近くに、涼みに公道に出てくるジイさんがおります。みんなの税金で作った公道なのですから、秘書ごときが文句を垂れる筋合いはないのでしょうが、遭遇する度に、日傘を傾けて見ないようにしたり遠回りしたりしつつ、内心で(出てくるなっ)と毒づいております。
だって、強制猥褻みたいなジイさんです。身に着けているのは、俗に猿股というユルユルパンツです。脚を組まれたりしたら、あな恥ずかし、今時の乙女は笑いものにするのでしょうが、往年の乙女は逃げ出したくなります。
貧相な肉体美も毟ったようなまばらな頭髪も煤けたようなお肌も、秘書としてはあげつらう気持ちはこれっぽっちもございませんが、何故かこのジイさんに限っては、総合すると、猥褻物陳列罪みたいな雰囲気が出来上がってしまいます。
己の心の不寛容さに溜め息をつきつつ、(人間、中身も大事だが、外側も重要だよ)と秘書はつくづく思います。秘書とて、朝寝ぼけたまま出社して、鏡の中に安達原のババ様を見いだすことがあります。気をつけなくっちゃ・・・
今朝は、通り道をちょぴっと変えてみましたら、美しい三毛猫に会いました。まだ全身がほっそりとした若猫です。最近は色付き狸かと思うような太猫を多く目にしますもので、この三毛猫のなんと麗しいこと。黒い首輪をしていて、毛の地の部分は真っ白、手入れの行き届いた飼い猫です。
通りを横切って秘書の側にシャンとした足取りで歩いてきます。ニャーと挨拶をしようと思って気がつきました。可愛いお口に何かくわえて自慢げです。それなあに、と問うまでもなく、長いシッポがだらりと下がって灰色の物体は、ネ・ズ・ミ。おお、そなたは狩りをする動物なのだな、と感嘆する秘書。
小さいから気にも止めませんが、猫がいまの100倍、いや10倍でも大きかったら、巷はバトルロワイヤルそこのけになります。秘書の方が大きいことに感謝しつつ、仁義だけは切っておこうと、ニャーと鳴きまねをしましたら、三毛猫さんも振り返ってネズミはしっかりくわえたままニャーと返事をしてくれました。
その後、往来の真ん中で、始末係りの飼い主を従えたままフン張るマルチーズに遭遇。会社にたどり着くまで、さして長くない通勤路で秘書は他にもいろんなものにお会いします。
ところで、秘書のお気に入りだったMXテレビのドラマ「フレンズ」が終わっちゃったみたいとか以前に口走りましたが、まだ放映しておりました。MXテレビさん、勝手に番組編成してごめんなさい。でもね、金曜日の夜10時からという放送時間では、見逃す方が多いんです。デートしてるに決まってるでしょ。
(いらん見栄をはってしまった・・・)
2004年8月11日(水)曇り。ちびっと涼しい
今日は編集長がお客様を迎える日です。約1週間前は、大構想をブチあげて理想的な社屋のレイアウトを計画いたしておりました。あっ、そう、と聞き流す秘書の冷たいこと、冷房なんかいらないくらいでした。
理由はあります。毎日、片付けると言いながら、あっちへふらふらこっちへふらふら電網空間をさまよい、(秘書に言わせれば)人様にいらん世話を焼いて、さあ、片付けるかなと思えば、健康第一とか称してプールに逃げていきます。
その結果は、昨日あたりから釈迦力(字、合ってるかしら)になって片付け始め、しかしいかんせん時間切れ、「取り敢えず」で、隣の部屋へせっせと物を運んでいます。
「取り敢えず」というのは、便利な用法ですが、曲者でもあります。取り敢えず目の前が片付くので、達成感がありますが、根本は何も解決しちゃいません。姑息な手段です。(「姑息」とは、「ずるい」じゃなくて「その場しのぎ」だそうですね。新聞に出てました。)
細かい「取り敢えず」の積み重ねが、我が社の深くて暗い混乱を引き起こしてまいりました。今日の巨大な「取り敢えず」のおかげで、秘書は通路をふさがれて秘書部屋から出ることができなくなっております。その場しのぎで秘書部屋に押し込まれたバケツがオマルに見えてきます。う~。
しかし、この騒動のおかげで、我が社にクーラーがつきました。社内の原人どもにはこの夏の暑さを耐えられても、一般世間に暮らす御客様には耐えられまい、との意見が通ったのです。
ついてみれば、おいオヤジ、と秘書は歯ぎしりしたくなります。クーラーは自然に反する、大嫌いだ、と公言して憚らなかった編集長が何をしたでしょう。
設定温度を「18度」にしやがりました。
足下をすーすーとウソ寒い空気が流れていきますのに、「ちっとも冷えないなあ」ですと。そりゃ、あんたの胴回りに答えがぶら下がっておるわい。冬眠直前の熊みたいに肥えたろうが。あんた自身が熱源になっとるのだよ。わっ、そばに寄るなっ。
2004年8月10日(火)晴れ、真夏日記録更新中
近頃おバカに磨きのかかっている秘書。振り返ってみたら、ここしばらく教養の源たる読書というものをしておりません。暑くて脳味噌が茹だっちゃってさあ、という言い訳からして大バカです。
秘書が本を読むのは書斎ではありません。自宅の正味3畳ほどの部屋にベッドとパソコンが同居している状況で、見栄張り書斎なんぞある訳がございません。代わりに、どのお宅にもある、集中できる個室空間を利用しております。即ち、トイレと浴室。
トイレでは雑念がなくなり無我の境地に入れますので理想的なのですが、どういう訳が秘書がこもると、早く出てこい、と催促が飛んでまいります。した気がせんぞ、と思いつつ素直に出てくる秘書。読めるのは朝刊の漫画くらいです。
お風呂のほうは、かれこれひと月近く入っておりません。うー、ばっちい、と自分で言うのはやっぱりバカ。シャワーを朝晩浴びてますのでご安心くだされ。この暑いのに湯船で茹だる気はしません。湯船に浸かればこそ本は読めますが、シャワー浴びながらできるのは調子っぱずれの歌を歌うくらい。(ついでに思い出しました。湯船で本を読みつつ手を滑らせて本まで入浴させたことがありました。図書館の皆さん、ごめんなさい。)
原水爆廃絶を願う昨日、美浜原発で事故が起きました。やけどで4人の方が亡くなりました。むごい死です。広島に行った時に似島に行きました。似島というのは広島湾に浮かぶ小さな島です。原爆投下による犠牲者が多く船で運ばれました。殆どがやけどを負い、水を下さい、と言いながら息絶えたそうです。看護に当たった人たちは、水を与えたら死ぬ、と教えられていたので、飲ませなかったと聞きました。話を聞いたのは灼けつくような夏の日でした。全身を焼かれて渇きに苦しんで亡くなった方の無念を思うと、ついつい感傷的になります。浴びるように水を飲ませてあげたら、少しは苦しみが和らいだでしょうか。
今この世に生きてある人は、むごい最後を遂げた死者の苦しみを思い、思うことで苦しみます。お墓に水をかけるのは、おのれの心の苦しみを流すためです。死者の苦しみは永遠に消え去りません。
今回は、ご冥福を祈ります、などと口にする気になれません。亡くなった方達の無念を思うと、気持ちの整理をつけてしまいたくありません。
2004年8月9日(月)晴れ、言うまでもなく暑いです
改めて告白するまでもなく、秘書はおバカです。その昔、原水爆禁止、ヒロシマ・ナガサキを繰り返すな、というスローガンを聞いて頭をひねることしばし、広島に落とされたのが原爆で長崎に落とされたのが水爆だ、と納得しました。
このレベルの人間は少なくありません。
何かの縁があって広島に行きまして、あちこち見たり話を聞いたりして、ようやく人類はとんでもないことをしてしまったものだと気がつきました。人類史上の汚点の一つであることは間違いありません。本日は59回目の白昼の悪夢を思い出す日です。しおらしく黙祷。
む、黙祷する足下をゴの字がよたよたと移動して行く。我が社はゴの字も夏バテなのかな。
と、思っていたら、巨大な足裏が頭上から振り落とされて、ぶちっ、ぎゃあ、と断末魔の悲鳴をあげる秘書、じゃなかった、ゴの字。
無情にも編集長が踏み潰しております。ゴの字は編集長のお友達ではなかったのでしょうか。大事に飼育していた筈です。いつから目の敵になったのですか。おのが姿を見ているようで、即ち近親憎悪ってやつですか。
それはそうと、コーヒーを煎れる時に、コーヒーの粉は引き出しの中にこぼれるものだと思い込んでいやしませんか。ちやんとやれば、これっぽっちも飛び散らないものです。お願いですから、まき散らさないで下さい。こぼれたコーヒー粉なのか、ゴの字のフンチが混じっているのか、秘書はいつも悩んで静かに脳味噌を沸騰させております。秘書が突如ブチ切れたら、その責任は編集長にあります。
あっ、潰したその気味の悪い物体はちゃんと始末して下さいね。秘書はぜぇーったい、始末しませんからね。
2004年8月8日(日)晴れ
同居人に付き合わされて新宿までお出かけしました。昨日から9連休に入っている同居人は、お船に乗ってナンパ島へ遊びに行くのです。ついては、デジカメが欲しい、店頭に沢山ありすぎてどれを買っていいかわからん、一緒に来て意見を述べよ、ということです。
そんなことを言われましても、昔バカチョンカメラと言われたオートフォーカスのカメラで十分と思っている秘書に意見なんぞはございません。気がつけば同居人はカタログを手にしておりまして、しかも丸印までつけています。「意見を聞く」のではなくて、「これを買うけど文句あるか」のほうが正しい台詞のようです。して、その機種は・・・たかがデジカメのくせに5万円近くもするサイバーショットです。ゼニガメなら200円で飼えます。およしなさい、と秘書は止めにかかります。写ルンです、で立派な写真が撮れるあなた様のこと、機械に頼るでない・・・
結局、秘書の忠告など無視しまくり、しかし、サイバーショットはすぐデザインが変るから、買ってすぐ新デザインがでると腹が立つ、とかの理由で別機種を購入。一件落着と言いたいのですが、暫く使って、やはりあっちにしておけばよかった、とか言って、買いに走る同居人の姿が秘書の脳裡にちらちら。この伝で、同居人は高級眼鏡をごろごろとストックしております。二個しかない目玉に100万はつぎこんでいる筈です。
秘書なんか、眼鏡のレンズを、原因不明で修理不能に曇らせてしまって、視界と共に今後の人生も見通しが暗くなりそうになってようやく眼鏡店に行って、安い眼鏡を作りました・・・筈がお金を払う段になって7万7千円と言われて、内心ぎょっ表面はにっこりで払って参りましたが、その後1週間落ち込んでおりました。
相変わらず話がとっ散らかるのは、ひとえに暑さのせいです。
蛇足:ちゃんとした会社は、この季節9連休もくださるのですね。秘書なんぞ昔いた職場は、夏休みは2日だけ(一斉ではなく、各自の休暇を使うので、病気とかで休暇を使い果たしていたら、当然休みなし。葬式も結婚式も自前の健診も税金の申告も休暇でこなさなければならないので、有給休暇は実質無いに等しかったなあ)、しかも木曜金曜と休みましたら、仕事が溜まっているからと、土日に呼び出されました。手当もちろん無し。これって何でしょうね。おかげで嫌気がさして、1年中夏休みみたいな生活を選択いたしまして、今日の秘書が存在します。(愚痴りました)
2004年8月7日(土)雲って雨
相変わらず眠いです。お昼ご飯を食べてちょっと一休みして起きたら暗くなっていました。本日の部これにてお終い・・・
2004年8月6日(金)晴れ
広島原爆投下から59年目です。その年に生まれた人たちが立派なジ様バ様になりますのに、人類のやることにはさして進歩がありません。59年前には、もう戦争は嫌だ、と人々は心底思った筈ですのに、現時点でイラク戦争続行中(何も終わっちゃいませんぜ、ブッシュ殿)。
秘書は平穏無事な人生を生きてきました。小波は山のようにあれど、人生を根こそぎにされるような体験はしておりません。河川が溢れて家の前の道路を魚が流されていきましたが、お家は流されませんでした。来ると言われ続けている大地震にも遭遇しておりません。強盗に押し入られたけれど何も取られずに生き残っております。
秘書のバア様はいつもの空襲警報でちょいと河原に避難して、解除で戻ってみれば、お家はきれいさっぱり丸焼けだったそうです。秘書の感覚からすれば大いなる不幸なのですが、当人は辺り一面の見事な焼け野原を目にして、そんな境地を突き抜けちゃったようでした。
秘書の世代は、人類の歴史を振り返るときわめて稀な世代と言えそうです。ノー天気とののしられるのも無理はない・・・
戦争を知らない子供達という歌がありました。ノー天気がノー天気を讃える歌でした。
どんな歌でしたっけ。当時は恥ずかしくて歌う気になれませんでしたのでよく覚えておりません。どれ、検索してみましょう。便利な世の中になりましたな。
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http://www.interq.or.jp/football/tacoashi/kodomotachi86.html
全共闘終って 僕らは生まれた
安保も知らずに 僕らは育った
おとなになって 自衛隊に入るのさ
君が代の歌を くちずさみながら
僕らの名前を覚えてほしい 戦争を知らない子供達さ
■
靖国参拝が 許されなくても
差別発言が 許されなくても
いまの私にゃ 関係ないのさ
何も考えずに 遊んでいるだけさ
僕らの名前を覚えてほしい 戦争を知らない子供達さ
■
金儲けが好きで セックス大好き
いつでも長いものに まかれてる人なら
誰でも一緒に 歩いて行こうよ
日の出ずる国の 輝く未来へ
僕らの名前を覚えてほしい 戦争を知らない子供達さ
■
(1986.8)
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へ? こんな歌でしたっけ?
髪の毛が長くて花が好きで笑顔がすてきで夕日がきれいで小道が輝いて平和がどうのこうのって歌じゃありませんでしたか。
もう一度検索します。おお、やっぱり。これは「戦争を知らない子供達 '86」でした。作者がどういう人か秘書は知りません。
正しい歌詞はこちらです。
http://bunbun.boo.jp/okera/saso/sensowosiranai.htm
2004年8月5日(木)晴れ
アテネオリンピックは本当に開催できるのでしょうか。「ごたごたする」方に1000円賭けたくなります。誰か乗りませんか。
などと言ってはいけません。公営ギャンブル以外の賭博は日本国の御法度です。秘書は遵法精神溢れる日本国民です。ばれるおそれのあることは、やってはいけません。
こんなことを言い出すのも、ここしばらく生活に締まりがなくなっているからです。即ち、毎日同じことばっかしで飽きたなあ・・・ 刺激を求めてテレビをつけても、最近の番組はこれがまたちっとも面白くありません。
昔は、早朝も早朝、こんな時間に子供は見ないよと言いたくなるとんでもない時間帯に日本の番組なのにフランス語(だったよな)とかでやってる子供向け番組「ウゴウゴルーガ(話題になって時間帯が変ってから詰まらなくなった)」とか、ヤーさんスタイルでキメたりホームレスを男前に仕上げたりのストリート系ファッション番組(?)「浅草橋ヤング用品店、略して浅ヤン(オーディション番組化して詰まらなくなった)」とか、ありましたよお。最近ではMXテレビのアメリカンドラマ「フレンズ」が面白かったけれど、いつの間にか終了しちゃったみたいだし。「オー!マイキー」も時間帯が移動して知ってる人が増えちゃったら、なあーんか見る気しなくなっちゃたし。
話題の冬ソナはあんまし好きではありません。だいぶ前に2、3回みたけれど、なんと言いましょうか、ヨン様はいい男なのですが、肉まんが冷めたみたいな顔とか思っちゃって(怒られそう)、すなわち好みじゃなくって・・・
秘書の好みの男はですね、えーっと、とよく考えたら、芸能人著名人にはいねえです。変ですね、好みの女ならnatasha様他次々出てくるのに(断っておきますが、秘書は男好きです)。
レオン・カラックス監督「ポーラX」を見ました。路上生活の愛「ポンヌフの恋人」を遅ればせながら図書館で借りて来て見た時に、おっこれは面白い、と思い、同時に予告編の入っていた同監督の「ポーラX」が劇場公開時とても見たかった映画だったのに見逃してしまっていたことを思い出し、ついでに、なぜだか我が家にビデオがあるのを突然思い出して、早速鑑賞したのでした。
「ポーラX」は「ポンヌフの恋人」に比べて感情移入ができない、という意見もあったようですが、秘書は金持ちボンボンが破滅へまっしぐらの「ポーラX」の方が断然面白い。主演もいいです(カトリーヌ・ドヌーブの息子役ですもの、美男でなくちゃつとまらない)。夢中になって見まして、さあ、という時いきなりプッツン、テープが巻き戻りました。原作135分、VHSテープ標準モード120分、誰だ、ダビングした奴はっ。(○○○○○した報いですな)
「ポーラX」は図書館にはありませぬ。泣く泣く近所のツタヤレンタルに借りに行くことにします。会員カードはとっくに期限切れ。入会金だか会費だかを払わにゃならんでしょうな。あ~あ、文化は金がかかる。
2004年8月4日(水)晴れ
秘書んちのベランダ鳩のマザコン息子が自立しました。
鳩は早起きです。毎朝5時頃からポポーポポーだのピーピーだの、活動を開始します。眠たいところを起こされるので、秘書は毎朝、窓を開けては、うるさいっ、だの、失せろっ、だの暴言を吐きます。
正直言うと、耐えられなくもないのですが、ご近所の手前というものがあります。即ち、あそこんちは鳩を飼ってる、とか思われては困るのです。顰蹙の元となり、ひいては村(町)八分にも繋がります。健全な常識人の秘書としては、それは大いに困るので、「鳩が寄ってきて困っちゃう」というポーズをして見せるのです。偽善というなかれ。社交儀礼の類いは無用な争いを避けるための人類の知恵ですぞ。馬鹿高いお守りより効能あらたかです。牛刀を振り回しちゃいけません。
その朝は、バサバサバッサバサ、とあまりにうるさいので、秘書は寝間着代わりの綿100パー超ミニワンピースのまま乱れ髪もいとわずベランダにでました。見ている人なんかありゃしません。仮に見られたとして、それがなんでしょう。あなたが見たのは小鬼です、秘書じゃありません、ととぼけ通せば済む話です。ふん。
話を戻します。ベランダに出た秘書が見たのは、いつもはチョロチョロと股下をくぐっては逃げ回るガキ鳩が、手すりの上にすっくと立ち上がっている姿でした。おお、なんと雄々しい。
はよ、飛んで行け、と秘書は簾を揺り動かして急き立てます。不意打ちをくらって粟を食った、違う、泡を食った鳩は頼りなげに飛んですぐ手すりに戻って来ます。
戻るなっ、と秘書は簾をもっと揺らします。おっとっと、と鳩はまた飛び立ち、そのまま大きく羽ばたいて遠くに飛んでいきました。
それきり、二度と戻って来ませんでした。昨日の事でした。
夕方、秘書がプランターを覗くと、母さん鳩がぽつねんと卵を暖めておりました。気のせいか、見上げる目が恨めしそうでした。秘書は心が痛みます。
と言うのはウソです。だってまた、ピーピーうるさいのが2羽誕生するのです。1羽焼き鳥にしてやりたいくらいです。
今度こそ、次の卵を産まれる前にプランターに茄子でも植えてやります。
2004年8月3日(火)曇り
7月の超高温をクーラーなしで耐えてしまったので、気温30度くらいだと、あら、涼しくて快適、とか思います。本日がそうです。この喜び、クーラー漬けの一般大衆には分かるまい。秘書はそんじょそこらの人間とは違うんだい。ふっふっふっ。
と、ひとり忍び笑いをしておりましたら、小突かれました。イテッ。暴力反対と何度も言ってるだろうが。笑い方が気味悪くて気に障るって、口で言えば分かるわい。何? 鍋が煮えたぎったのを通り越してゆで卵(鳩の卵ではありません。念のため)が焦げかかっているって? 早く言えっ。
とまあ、今日も恥をさらしつつ秘書は元気です。
昨日お家に帰ったら、富士ロック帰りの同居人が寝ておりました。金曜日から月曜まで、とっても楽しい時間を過ごしてきたようです。お勤めを2日も休んじゃって、すっかりロックしている同居人、社会復帰ができるか心配でしたが、本日は朝いちで会議があるとか、休んじゃった分穴埋めしなきゃとかで、早くに起きてで行きました。堅気の勤め人はつらいですなあ。
富士ロックで、昔の音楽仲間がステージの上の人になっているのを発見して、お話をしてきたそうです。ちょっぴり、ああやっぱり方向修正しようかなモードになってるみたいで、秘書ちょっと心配。だって、大事な金ヅルですもの・・・
さて、暑さに参っている北極熊みたいな我が社の編集長、頭のてっぺんに氷を乗せたりやってましたが、ある日気がつくと、生臭坊主になっていました。即ち、涼は衣から、とばかりに甚平スタイルです。頭はご存知の丸刈り。それなりのお方が召せばそれなりに高僧らしくもなるのでしょうが、煩悩の塊、世界情勢に未練たらたらの身では、どうみても坊主のなり損ない、墜落した仙人です。
ま、それはそれなりに涼しげで可愛くもある(ぶっ)ので、見逃しておりましたが、またふっと気づくといつの間にか甚平の上の方はどこへやら、下だけ着用して、上はランニング。この姿、どっかで見たことがありますなあ。全国を放浪した天才画家がおりましたなあ。お結びを持たしてやりたくなります。
いわく、「楽でいい」。だからといって、また甚平を買いに行きました。下しか使わないのなら、デカパン買ってくればいいものを、と秘書は思います。
そんな編集長がニコニコと秘書部屋にやってきました。(忙しいのに何じゃい)と思いながら秘書は応対します。
買いに行ったらサイズがなくて、Mサイズ買ってきたんだけど、きつくて入らないからあげる。
・・・
(このオヤジは言うに事欠いて、可憐な乙女に特大デカパンを履け、と申しておるのですぞ。)
2004年8月2日(月)晴れ
なんの感慨もありませんが、8月です。気がついたら社内のカレンダーが6月のままでした。相変わらずの暇無し暮らしを反省しつつ、びりびりっと破ってみれば、6月のご教訓は、「大器は時間をかけてつくられる」だそうです。
陶芸教室で、ちまちました1輪差しなら、あっという間にできてしまうけれど、一家を養う水瓶なんかを作り始めたら、いつできるかわからないけれど、できれば「でっかいぞ」というやつですか。短気な人間向きじゃないですね。それに、土を捏ねてるだけで時間切れで終わっちゃったりしたら、なんにもならねえ、とか・・・秘書は根性がひねくれているんでしょうね。
夕暮れの街を歩いておりましたら、駐車場脇の道路の端に、手の平に乗るくらい小さな女の子の赤いサンダルが揃えて置いてありました。多分1~2歳児用。ぽつんと置かれている風情は実にシュールであります。橋の上、お父様お母様先立つ不孝をお許し下さい、とでも言いたげですが、近くには川どころか溝さえありません。
このサンダルはどんな運命を辿ったのでしょう。じっと目を閉じて瞑想します。
すると、見えて来ました。自転車に乗った若いお母さんです。後に小さな女の子を乗せています。この暑い中、遠くまで遊びに行ったのでした。お母さんは早く帰って洗濯物を取り込んで晩ご飯の支度をしなくちゃならないと焦っております。後ろで女の子はこっくりこっくり。急かされて自転車に乗ったので、紐をちゃんと締められませんでした。こくっとして落ちそうになってはっと身を引き締めた時にサンダルがぽとん。でも眠いのでまたこっくり。
通りがかりのおばあさんが気がついて、声をかけようとしますが、頭の中は晩ご飯の献立で一杯になってるお母さんはママチャリ暴走族と化して怒濤のごとくにすっ飛んでいきます。あれまあ、とおばあさんは嘆息します。手にとって見れば、なんとまあ可愛らしい、家の娘にもこんなのを履かせたかった、お父さんの古下駄履かせたばっかりに指がみっともなく開いちゃって・・・
おばあさんは昔を懐かしみつつ、そっとサンダルを道の端に揃えて置くのでした。
お家に帰って、ベランダに出た秘書。風が涼しくって気持いいです。どれ深呼吸・・・とその時気がつきます。ベランダサンダルが荒らされています。周囲にフンチが散らばって、この鳩頭! おしっこなんかけるなっ。今度こそ丸焼きにしてやる。
2004年8月1日(日)晴れ
8月1日という日は秘書の暦に存在しません。ひたすら寝ていました。朝寝て昼寝て夕方寝て、夜も熟睡できる自分が怖いです。