秘書の小部屋 2004.1

2004年1月31日(土)晴れ

一念発起して、青山にお出かけしました。東京の片隅に逼塞していると、いつまでたっても田舎もんのまんまです。たまに上京して来るお友達の方が余程トレンドスポット(これも死語かな)に詳しいです。

原宿から表参道の通勤電車のような混雑を通り抜けて南青山に向かう途中で、不意に記憶が甦ります。同潤会アパートがここにあったよなマンションブティックに入ったよな、みたいな・・・ まるっきりの田舎もんじゃなかったんだよな。でも昔と随分変わっちゃったよな・・・

表通りを離れて裏道に入ると、こげな東京のど真ん中に、普通のお家があるよ~人が住んでるよ~秘書も住みたいよ~、買って買ってこの家買って~、と駄々を捏ねて当然の如く同居人にどつかれました。ぐすん。

しかしまあ何ですか秘書んチの周囲より緑が多いです。青山墓地に抜ける頃にはすれ違う人もまばら。気分はほとんどnobody tokyo。日の暮れかかった墓地のまん中を歩いていくと、江戸時代そのままを思わせる墓石の向こうには、煌煌と輝く六本木ヒルズと、おもちゃのような東京タワー。見事にシュールに郷愁をさそいつつ嘘臭くも素敵な光景がありました。それにしても、東京はこんなに人がいない街でしたか。

2004年1月30日(金)晴れ

できたての本を担いでえっちらおっちら、天木直人氏の講演会場へでかけました。

田舎もん秘書は東京をよく知らんです。参宮橋っちゅう洒落た駅名も初めて知りました。駅近くの交差点の向こうには東京乗馬倶楽部がありましてお馬さんがパカパカやっております。ああ、なんてハイソな(死語かな)世界ざんしょ。今に見ていろ秘書だってきっとあの塀の向こうの人間になってやる。

と奥歯ぎりぎりしておりましたら、さっさと歩かんかい、と情緒もなにもない編集長の声が飛びます。さっさと歩けったって、時間に余裕がないのは、編集長が出かける間際に地元市役所を冷やかしに行ったりするからじゃい。ちっとは反省せい。

それにしても大勢のお方が集まりました。読経から始まる講演会というのは初体験です。秘書も神妙に頭を垂れておりました。フォーラムに参加されていたという奥克彦参事官のご冥福をお祈りいたします。合わせて、井ノ上正盛書記官のご冥福をお祈りいたします。

本が沢山売れました。お買い上げ下さった皆様、ありがとうございました。まだお求めでない方、早く読まなくても祟りはありませんが、人生において重大な損をいたす恐れがあります。編集長宛てメール一発で手に入ります・・・

2004年1月29日(木)晴れ

新しい本ができあがりました。1日で組み上げた本ですので、ページをめくると、ぎゃっ、という事態が出来(シュッタイ)しそうで恐いです。明日、講演会の資料として配ります。ケチはつけないで下さいまし。多少のことには目をつぶって頂きとうございます。

2004年1月28日(水)晴れ

内職に励む秘書。最近はエクセルのお仕事が多いです。といっても、計算をしているのではありません。お客さんが作った資料を、印刷向きの版下に加工するのです。

ここで一言。世の皆様、印刷屋に渡してまともな印刷物が欲しいなら、編集ソフトをお使い下さい。エクセルなんぞをいただいて、細かな注文をつけられても対応いたしかねますぞ。だいたい、計算する必要の全くない書類をなんでエクセルでつくるのじゃ。せめてワードを使えっ、ちゅうんです。暇じゃないんだっ。くわあっ。

・・・失礼しました。

編集長があれこれ雑用を言いつけるので、つい切れかかりました。お仕事がある幸せを噛みしめて、感謝しなければなりません。

2004年1月27日(火)晴れ

「正しいゲイ生活マニュアル」を読んでいた時のことです。「健康」のコーナーに、病気になったら早くお医者さんに行こう、というのがありました。至極真っ当な主張です。秘書なんぞは、さんざんこじらせてから行きます。風邪引いたらいつまでも咳が止まらない、と思っていたら、気管支が拡張しちゃってますよ、と呆れられたりしてます。

ところで、男と男あるいは女と女の愛は、互いに男と女の代用、というのは異性を好む多数派市民の平均的な勘違いのようです。すなわち・・・ ととと、解説を始めるところでした。ここは思想系サイトだっ、と社長に怒られちゃいます。あぶないあぶない・・・

でも、おかしくて笑い転げちゃったもので少々漏洩を。ゲイ生活に亜成ル節供スは付きものではありませんが、どうしてもというマッチョなお方もいらして、ま、早い話が掘られるんだそうです。これが痛い。なので鍛えるんだそうです。トレーニング方法をここで微細に書くと、きっと部長は秘書を殴ると思います。

でも、むふふうふふ、黙っていられませぬ。ある人、スポッと茄子をくわえこんだそうです。くわえたのはいいが、抜いた時にコウ門が裏返って花が咲いたみたいになっちゃったそうです。ぎょっ。これは医者に行かねばならん。そう焦ったそうですが、寝て起きたら、なんたる人体の驚異、元に戻っていたそうです。めでたしめでたし。

医者に行ったのは、どうも掘り起こしの後が痛い、「痔」だ、と思って恥を忍んでみて貰ったら、医者が4、5人、鳩首凝議しております。はてな? と待っておりましたら、泌尿器科へ行けとの指示。痔、じゃなくて、線形根治露鸚鵡とかいう、泌尿器系のお病気。掘られました、って公言したみたいで恥ずかしかったそうです。

ああ、何を書いておるんじゃ、秘書は。

2004年1月26日(月)晴れ

気の抜けた月曜日、気の抜けた社内で、編集長がやる気のない溜め息をついております。先週じたばたしたせいで、なにもかもどうでも良くなっています。

秘書は、お仕事そっちのけで、大掃除に精を出しています。片付けるのは秘書部屋だけです。他の部屋は片付けても片付けても空しさを感じまして、近頃は覗く気もおきません。きっと役員部屋では、おじさん達にカビが生えている頃だと思います。

もう、どうだっていいです。今週、無事に本が出来上がったら、秘書はトンズラする予定です・・・ 秘書の青春返せ・・・ 疲れたぞぉ

2004年1月25日(日)晴れ

新聞3紙が一月分溜まって山になっておりまする。ここしばらく体調不良に加えて忙しかったもので、キチンと読んでおりません。そっくり、古新聞袋に突っ込むのも癪でして、ぱらりぱらりとめくり始めて、結局3時間も費やしてしまいました。気がつけば日が傾いております。ああ、また日曜日が浪費された気分。

教訓:古新聞の中に人生はありません。限りある命、もっと楽しく生きましょう。巷には誘惑がいっぱい。

2004年1月24日(土)晴れ

顔の話はしないでおこうとは思うのですが、まだ痒いのでついつい・・・ 腫れは引いたものの、熟れた果実みたいに赤いです。そのうちぱっくり口を開けてタネがポロポロ、げっ、自分で言っておきながら気色悪い。

マスクして眼鏡かけて帽子かぶって、まるでかっぱらいみたいな格好してお出かけします。とことこ歩いて向かうはお隣の吉祥寺。あちこちふらふらして、安くなってたもので夏物セーター買い込んだり、古書店をはしごして古雑誌を物色し、なんでか70年代の美術手帳やミステリーマガジンを発掘したり、挙げ句、理想の引っ越し先を探して三鷹市井の頭をうろうろ。

三鷹市井の頭は高級住宅地だと昔は思っておりましたが、久しぶりに出向くと相続税対策で細切れにされたのか、あるいは単純に建て売りが増えたのか、ちょいと趣が違っておりました。やっぱ田園調布ぐらいにいかないと、秘書の理想の豪邸には巡り会えないのかしらん。

階段を昇ったり降りたりしてくたびれ果てて帰ってみると、19000歩程歩いておりました。昨日引き出しから万歩計が出て来たので使ってみたのです。万歩計は歩数を計る道具ではなく、人間を歩く気にさせる道具のような気がします。

2004年1月23日(金)晴れ

秘書の同居人のお友達のお話です。

紅顔の美少年だった高校生の頃、お友達は寝食を忘れて本を読みあさる文学少年でした。反抗期もまだ尾を引き、世の常識というものがウザくてなりませぬ。麗しき母上は、いわゆる躾けのよろしいお嬢様出身でございましたもので、世をすねて会話どころか碌々挨拶もしない息子の変人振りが気になって仕方がありません。日夜、私の育て方のどこが間違っていたのかしら、と気に病み、なんとか真っ当な人間になって欲しく、「好感をもたれるマナー」だとか「社会人の常識」だとか「正しい挨拶事典」とか、それこそ息子の神経を逆なでするような本をそれとなく部屋に置いていくのでした。きっと、お母さまの宝物は、武者小路実篤の「仲良きことは美しきかな」のカボチャ絵だと思います。

さて、ある日のことです。お母さまは、お出かけしていたお友達の部屋で読みかけの本を見つけていたく感動しました。曰く、とうとうウチの息子もこれじゃいけないと目覚めて、きちんとした人間になる決心をしたのだわ。まあ、なんと嬉しいこと。今夜は、お赤飯よ。

お母さまが舞い上がったその本は「変身」です。

その気持ちはよ~く分かります。しかしですよ、お母さん、ぱらぱらとだけでもいいから、目を通しなさい。あなたの息子が読んでいたのは、「カフカ」の「変身」です。ある朝目が覚めたら、ベッドの中で巨大な虫になっちまっていた男の話です。

変人でもいいから、息子は人間の方がいいと思います。

2004年1月22日(木)晴れ?

朝から、ゲッグッガッ。何故かと言うに、

「原稿に訂正」だとぉ。

何を言うか、今さら。正誤表を出せい。

と、秘書はついにわめきました。爆発噴火する秘書を屁とも思わないのか、編集長は印刷所に電話をし、訂正したいんだけどね、で話を通しちゃいます。いいですよ、って、あんだあ、秘書の月火の苦労はなんだあ。

データ直すのは秘書。印刷所に持って行くのも秘書。すっかりグレちゃって、用が済んだ後、まっすぐ戻る気がしません。高校生だったら、河っ原に抜け出してタバコふかしちゃったりするんですが、あいにくとこの外れ東京には、河っ原もまともな繁華街もありません。

気がつけば、足は図書館に向かっています(おお嫌だ)。ブックリサイクルコーナーをふと見れば、aragonの文字。おんや、立派な詩集ですぞ。即貰い。

で、機嫌が直ってしまいました。安直な女だとは、自分でも思います。

2004年1月21日(水)晴れ?

ひたすら内職を仕上げて、納品に向かいます。月火と異常に集中した後なので、頭がガンガンします。なのでつい、そのまま駅の向こうまでフラフラとお出かけして、お買い物を少々。ストレスが溜まると、無い金でも使いたくなりますなあ。ちまちま手袋なんか買うんじゃなくって、なんかこうぱーっとしたことがしたいですなあ。目の保養になるよな、いい男が落ちてないかなあ・・・

(いい男がいたら、お知らせ下さい・・・マジです。ちなみに秘書の好みは、ウエンツ瑛士くん)

2004年1月20日(火)晴れ?

とにかく組み上げて、目次も作って柱も入れて広告も入れて、最後のチェックをお願いします、と昨夜編集長に渡して帰りました。これで本日はのびのびと仕事が出来る・・・ と期待するのが間違いだったのでしょう。ゲラがまた赤くなっている・・・

どうやらやっと仕上げて、台割り表をつくる段階になって、秘書の頭に?????

たしか100頁だったよな。表紙の分が4頁で、目次や何やらで、えーと・・・ んぎゃ、勘違いしただよ、104頁になってるだよ、あれえ~

という訳で、広告を抜いて本文も2箇所で詰めて、目次を作り直し、柱も入れ直し。落ち着け落ち着け。あ~心臓に悪い。すったもんだの挙げ句、インデザインのパッケージングを始めると(専門用語です。この意味は分かる人にしか分かりませんぞ。ははは)、フォントに問題あり、ぎえ、なんでだよ、と冷静に考えるに、本文に貼り込んだイラスト、アウトライン化するの忘れてた(専門用語だ。わはは)バージョン落とすの忘れてた10.0のまんまだ(分からんだろ。いひひ)

ようやく午後、印刷所に持ち込んで無事終了。印刷所でデータ確認をしてもらっている間に、受付においてあった入稿マニュアルに目を通していたら(そもそも事前に読むものですなあ)、げっ、やっちゃいけないことやってるよぉ。でも、担当の人は優しいです。OKをくれました。

ほっとして、お医者さんに向かいます。そうです、秘書はまだ、かぶれっぱなしでステロイド剤のお世話になっているのです。今日は、目の回りが狸の玉袋に目玉を貼付けたみたいになってるにせよ、顔の腫れがすっかり引いているので、お医者さんの優しいこと。手をとってかぶれ具合を診察して下さいました。

人生こんなもんですな。それにしても、秘書は性格が悪くなりましたなあ。

2004年1月19日(月)晴れ?

昨日は、貴重な休日を棒に振って出勤して待機しましたのに、とうとう組版用の原稿がでませなんだ。人様にお頼み申した修正ファイルが届きまして、ようやく編集長が自ら最後の訂正加筆を始めまして、これがまあ、傍で見ておりますと、ちんたらもっさら、おい全面書き直す積りかい、という仕事振り。

秘書は噛み締めた奥歯がぎりぎりと痛くなりますが、(堪えて堪えて我慢我慢)、とひたすら念仏を唱えます。しかして、今どの位まで進みましたでしょう、と覗き込んだとたん、

ぐわあ~、んぐうわああ~

と雄叫びが社内を吹き抜けます。吹き飛ばされた秘書が、イテテテとお尻をさすりながら立ち上がってみますれば、パソコンが固まったんですと。しかも、ファイルを開いてから唯の一回も保存をしてないんですと。あ、そうですか、そりゃ御愁傷様・・・

じゃねえぞっ

とうとう温厚な秘書もぶっちぎれて帰っちましました。そして、本日。どどどっとツケを回された秘書は、朝から脇目も振らず、ひたすらデータを流し込んで組み始めます。とにかく明日は印刷所にいれなくっちゃ。

と、こういう時に内職のお呼びが掛かるものです。後で行きます、と電話を切ろうとしたら、後では都合が悪い(即ち、すぐ来い)とのお言葉。お客様は神様ではございませんが、有難い金づるです。握ったつるを離しちゃいけません。まだ地獄の底へ転落いたしとうございません。すっとんで参りました。あ~あ、秘書がもう一人欲しい・・・

という訳で、今回の本は甚だしい手抜き。校正は編集長に任せましたが、これがまた当てにならないこと・・・ 

だいたい、この土壇場の修羅場で、一人逃げようとする根性が問題だっ、議員会館へ行くんだってえ、何するだよ、と秘書がブチクサ言っておりましたら、出かけるのを止めて、社内で小さくなってゲラを睨んでおりました。

よ~し、それでいいのだ。

と、思った秘書が甘かった。ゲラをまっ赤っかにしちゃって・・・ 今さら原稿書き直すんじゃないっ。

2004年1月18日(日)晴れっ

昨夜、雪がちらりと舞う冷たい空気の中を、とことこ歩いておりましたら、顔が痛い! このところ体のあちこちが腫れ上がって熱を持っておりますもので、ちいとも寒さを感じません。人様があきれる薄着で巷をちょろちょろしておりましたが、雪が舞う程の夜道はきっときんきんに冷えておって顔面を直撃したのでしょう。おウチに帰って鏡を見ましたら、ぐっ、顔が腫れ始めている。

即ステロイド剤パックです。朝になったら、なんとかおさまっておりましたが、ステロイド剤のリバウンドが恐い・・・ どこまで続くぬかるみぞ、秘書の不幸行進曲。

不幸の上塗りをするように、お呼びが掛かります。原稿出るでよ、早く組めや、と。でっかいマスクで顔を隠して出勤いたしますと、あっ、修正頼んだ分のメールがまだ届いてないから、適当にやっててね、って。20日に印刷所に渡すんだろ。

間に合わねえよっ。

2004年1月17日(土)雪が降るはずだったけど晴れてるよ曇っただけだよ

お医者様から言われた通りお薬をきちんと飲んでステロイド剤を塗りまくったもので、顔の腫れが引きました。めでたしめでたし・・・とならないのが世の常です。

風船を爆発寸前までパンパンに膨らませてからプシューと空気を抜くとどうなりますでしょうか。そう、しぼんでシワシワの物体になりますね。

ほっぺはどうにか原型に復旧したものの、限界まで腫れ上がった目の周りは風船の原理に乗っ取ってしぼみました。鏡を見ますと、うわあ~、秘書のつぶらなお目めの周りが、一夜にしてタヌタヌのタマタマのシワシワの暗褐色と化しております。

秘書の人生におけるこれ以上の悲劇は近年ございません。

せっせと保湿クリームを塗ると、これがぴりぴりと沁みまする。あわてて拭き取って、万能特効薬バーユこと馬の油を塗りたくります。これはOK。同居人はオリーブオイルでも塗っておけ、と申しますが、何を抜かすこの無責任人、ギンナンの油にかぶれたのにオリーブの油にかぶれない保証がどこにある、エキストラバージンオイルのあの青臭さを知っておるのかっ、と一人かっくらかっくら煮えたぎります。

ここ数日間、お顔が痛くて痒かったもので、ステロイド剤以外は一切つけませんでしたお肌はかさかさで、普通なら塗ったらほぼ全日ぎとぎとする馬油が10分も経つと跡形なく消え去ります。

すなわち秘書の顔面は人間砂漠。ラクダがとぼとぼと、と鏡を見ましたら、んぎゃあ! 目尻が! 目尻が!

カラスの足跡どころが、駝鳥に蹴飛ばされてカンガルーに踏み付けられたみたいな運河が出来上がっておりまするう。

2004年1月16日(金)晴れ

今週はまともに仕事しなかったもので、休日出勤必至。予定を見ますと、最終稿まとめるから、土、日曜で組んで、月曜日最終確認ね、って・・・

病人に対するいたわりなど、これっぽっちもない会社だと再認識いたしました。

2004年1月15日(木)雨後晴れ

1日休んだだけなのに、社内がぐちゃぐちゃ。あ~嫌だ、と思っても、これ以上むくれる訳にもいきません。

編集長、新しい本の原稿はどうしたっ!、と八つ当たりいたします。まだ、だそうです。間に合うんでしょうか・・・

表紙をイラストレーターで作り始めます。まあ、言いたいことを言ってくれること。でも、何も言ってくれないより遥かにマシです。良きに計らえ、と言われる程腹の立つことはありません。

フォトショップも普段あまり使わないもので、頭をひねりつつ作業します。グレースケールでスキャンしたこの写真、青一色にするにはどうするんだ?と散々パスだのチャンネルだのひねくり回した後で、な~んだ、と色相調整いたします。

初心者が入門書見ながら高級ソフトを使うとなると、分からんものは分からんのです。優しい先輩が欲しいです。

2004年1月14日(水)腫れ

朝起きたらまた一段とぱんぱんと膨らんでおります。顔がこれだけ腫れると痛いです。んもういやっ、で本日お休み。せっせとコーヒー紅茶ルイボスティと水分排出に効果のありそうなものを摂取いたしております。

内職のお誘いもありますが、延ばしてもらいました。顔が~、と言った途端、電話の向こうは大爆笑(昨日納品に行って見られてしまった)。

そう言えば、昨日は社内でも、みんな下を向いて肩を震わせていたな、と思い出します。

鏡を見るたび、子泣き爺の土左衛門みたいなのが間抜け面をさらしております。本当の秘書はどこへ行ったんでしょう。

二度と帰って来ないんだって? いやあ~っ!!!

こういう日は何もする気がしませぬ。

2004年1月13日(火)腫れ

顔がぱんぱんに腫れたアンパンマン秘書。右目から鼻を越えて左目に至る地形がブルドーザーかけたように真っ平らで、自分で見て笑っちまいます、と言いたいのですが、笑えません。

漫画によく出てきますよね、目が細くって顔が真っ平らで、根性が悪そうで運に見放されたようで人を馬鹿にしているようで、お近づきになりたくないお方。まさにそれです。

鏡見て、あんた誰?、と言ってて済む話ではございません。

マスクで隠して医者へ行きましたが、受付も医者も、まあ冷たいこと。ろくろく診察もしてくれません。この顔じゃね、と思いつつ、人間のあさましさを感じてしまいます。

そう言えば、昔歯医者に通ってた時、ある日突然原因不明でぱんぱんに腫れた顔のままで行ったところ、いつもはちやほやしてくれる歯医者の態度の悪かったこと。なんでもないことを聞いても、(うるせえんだよ、このブス)、というのが見え見えでした。

勿論、後で、ひでえ歯医者だと言いふらしてやりました。客商売の皆さん、気をつけましょう。

2004年1月12日(月)晴れ・成人の日

他人の病気の話など耳がお汚れでしょうが、本人には一大事でござる。おつきあい下されい。

昨夜あまりの痒さに、秘書のたうち回りました。気が付けば掻きむしった跡が腫れ上がって血が滲んじゃって・・・ つべこべ言わず朝いちで病院に行きました。かの松田優作様が入院されたことのある病院です。

が、本日祝日につき専門の先生がおりません。代わりにみてくれたのは研修医なのか若いお医者さん。ええっと思いましたが、見目麗しく目の保養になったので、まっいいや。

ぶっとい注射をされました。聞けば、肝機能アップのお薬だそうです。ということは・・・

「お酒は飲まないで下さい」

だそうです。そんなあ。新年会のこの季節に。しかし、腫れ上がった岩石のような顔を曝すのもなんですし、おとなしく言うことを聞くことにしませう。

つくづく思うに、ギンナン剥いたのは両のお手てなのに、腕はおろか顔面、耳首脚、果てはオケツの穴まで腫れ上がる猛々しさよ。なるほどイチョウエキスは強力精力剤でござります。

腫れ上がった顔面押さえつつ帰ってまいりましたら、市民会館の前に、長いお袖ひらひら首に白いフワフワ巻いたお姉さんが蝟集しております。和風キャバクラの集団面接か、なんて言うヤツは昔成人式を馬鹿にしてコケにしたひねくれもんです(秘書もその一人)。

素直に祝ってあげなくてはいけません。なにしろ、首根っこ押さえてでも、この人たちに日本の未来を担わせにゃならんのですから。

秘書は、本日も内職に励んでおります・・・

2004年1月11日(日)晴れ

かぶれに耐えかねて、秘書は1日中お風呂に浸かっております。暖めちゃいけないのかしらん、と思いつつ、風呂で読書三昧。いや~、風呂とかトイレとかは集中できますなあ。トイレに小さい机を置こうか、なんて考えて、同居人に馬鹿にされたことを思い出しますぞ。

直射日光に当ると酷くなるから、とお買い物にもいかないでいると、ドラキュラ扱いされます。日がとっぷり暮れてからこそこそと出かけましたら、外気が痛い!たちまち真っ赤っか! うぎゃあ、とおウチへ逃げ帰り、お風呂にどぼん。

笑いのめしていましたが、事態深刻です・・・

2004年1月10日(土)晴れ

ぴうぴう、と寒風が暮れかけた街中を吹き抜けます。寒さ本番です。背を丸めてとことこ歩いておりましたら、くるくると小さなつむじ風が巻き起こり、枯葉を舞わせながら後をついてきます。

やあ、風さん、こっちおいで、一緒に歩こうよ、と呟く秘書は、きっとお友達がいないのです。泣いちゃいけない、夜空のあの星がきっとこの淋しい心を分かってくれる、とか言いだす前に、手当りしだい電話すべきです。あぶないあぶない・・・

かぶれたお顔がとっても痒いです。こういう時に内職の声が掛かります。真っ赤な顔して、秘書は打ち合わせに向かいます。顔の半分くらい隠れるでっかいマスクが欲しいです。

2004年1月9日(金)晴れ

昨夜テレビを見ておりましたら、眼鏡をかけたモタモタした人たちが、匍匐前進!、というのをやっておりました。

どこの軍隊じゃ、お粗末な。攻撃されれば全滅じゃぞい。大体、基礎がなっとらんでよ。と毒づいておりましたらば、イラク派遣予定の報道関係者を集めての自衛隊での訓練風景でした。笑っちゃいかんと思いつつ笑い転げて、溜め息がでます。この人たち、戦場に行くんですよね。入社試験受ける時、そんな覚悟しましたか。

同居人のお友達の妹の恋人が自衛隊員だそうです。イラク派遣が決まったそうです。死にに行くようなもんではないか、と秘書は思ってしまいます。どこかの国の軍隊では派遣拒否が17名いる、というニュースも流れました。

自衛隊員へのインタビューを聞いていると、お国のために役に立ちたい、それが仕事ですから、と模範回答が流れます。新人類だ宇宙人だと散々腐されてきたのに、日本人の麺足りてい、もとい、精神性は、なあんも変わっちゃおらんとですか。己を空しゅうするのが美徳っちゅうもんですか。行け、と言われれば、地の果て地獄の底へでも赴任するんですか。

秘書は、自衛隊はあんまり好きではありませんでしたが、それは、勝手に戦争に行って勝手に死んじまえ、ということではありません。復興と称して戦争に参加させられるのではあんまりです。

2004年1月8日(木)晴れ

思い出しました。今年も前途に難あり、と予感したことを。

仕事始めの5日、年が改まった感動のあるはずもございませんが、形だけでも新年らしくと、おめでとうございます、と言いつつ出社いたしまして、目が真ん丸になりました。湯沸かし室の洗い桶にてんこもりの皮付き銀杏が鎮座してござる。嫌がらせ以外の何ものでありましょうか。

臭くてたまらないのですが、これを片付けないことには、お茶も飲めません、パンも捏ねられません。インゴーンインゴーンと頭の中で因業鐘が鳴ります。前世の秘書は余程の悪人だったのでしょうか。現世のことには多少の覚えがありまして、その責任は取らねばならないとは思うのですが、正月早々の銀杏責めとはあんまりです。

気分はほとんど賽の河原の雪融け産湯。

腕まくりして素手でにちゃにちゃと皮向き開始しました。思ったより油分が多くてべとべとになりました。頭がくらくらいたしました。

それから2日ほど経過しまして、ちっとも楽にならない暮らしを嘆きつつ手をみましたら、ひええ、皮がむけまくっております。ぎゃあ、と思いましたが、へばりついている皮をしごき落としますと、あれ、お肌がつるんつるん。

ここで秘書閃きます。お顔に塗ったら、お顔がつるんつるん・・・

報告:面の皮の厚いお方にも、顔に銀杏の皮を擦り付けることはお勧めいたしません。今秘書は、顔が痛くて痒くてぼこぼこで赤いです。

2004年1月7日(水)晴れ

事務所に閉じこもってパソコンをしこしこやっていると、津波のような眠気が襲い掛かって参ります。やっぱ、日のあるうちはお外をふらふら致したいです。

編集長は新しい本を書いている筈です。1月30日に使うのですから、組んで校正して表紙もフルカラーで作って印刷屋さんに押し込んで、と逆算すると、ぎえ~、はよ書かんかい、という事態です。

心配になって編集長室を窺うと、静まり返っております。さては逃げたか。ばーんとドアを開けると、椅子から転げ落ちかけていたり飯松を前に机にひれ伏してたりします。やる気あるのかこのオヤジ、と秘書の胸の内にどす黒いものがとぐろを巻いてお口から飛び出しそうになります。

(我慢、我慢。まだ松の内だ)

頭のてっぺんが逆立ちそうな猫なで声を出しまして、進行状況をお尋ねいたしますと、このオヤジ様、順調である、と胸を張ってお答えになりまする。そりゃ、よござんしたね、と秘書は奥歯ギリギリしながら引き攣れた笑いを浮かべます。おだての一手しかござらんのです。と、ひたすら下手に出ていましたら、健康第一とか称してプールに逃げていきよりました。

あーっ、また秘書にシワが寄る。シワ取りクリームの効くやつは高いんだいっ。

2004年1月6日(火)晴れ

お正月、田舎の無機質郊外殺風景のコンクリート道路の脇のこれまたコンクリート歩道をお散歩していた時のことです。1級河川に掛かる橋の手前が交差点になっております。

おっ、信号が変わるよ、と思い、急いでも渡れそうにないので、チンタラして全身がふぬけになった途端、ガシャンッと音がいたしました。ガタのきた秘書が壊れて転がった、とか予測しないで下さいまし。振り向くと、信号前で停車した車列に後ろから1台突っ込んでおりました。まるでCG再現したような分かりやすい追突事故。

とっさ、口をついて出た言葉で品性が一遍に暴露されます。

お××掘ったな、と呟いたのは秘書です。

こういう差別用語がすんなり出てくるのに気付いていたく反省するも、出ちゃった言葉はお口に戻せません。差別する側の人間は大抵が鈍感です。相手を傷つけておいて、自分にそんな積りは無かったのだから勝手に傷付かないでちょうだい、とか言いかねませんなあ。

差別とはちょい違いますが、秘書は昔、男に泣かれると腹が立ちました。別れるくらいで泣かないでよお、あたしだって辛いんだからあ、とまるで筋が通らない怒り方をいたしました。後になって、ホントに惚れたら別れは生き地獄を意味すると知りまして、即ち大バチが当ったんですな。ははは。

時の流れは偉大です。ばっくり傷口が開いて修復不可能だと思ったことでも思い出のヒトコマにしちゃうんですな。ははは・・・ なんか切ない。

2004年1月5日(月)晴れ

てれりんこと出勤して、会社の玄関開けて気がつきました。お土産買ってくるの忘れてた・・・

珍しく編集長が今月の日記を早々と書きよりました。気がついてみれば、我が社のホームページは昨年のままでありました。あちこち書き換えて、ようやく我が社にも新年が訪れました。しかし、お正月の飾り一つあるでなし、一年中季節感ゼロけじめ無しの倉庫みたいな会社です。編集長はすっかり年中無休の倉庫番と化しております。

毎年、「新春」の声を聞いた途端、花粉を予感して全社締め切り体制になります。我が社では冬が終わりを告げると、暗く長い春が始まるのです。秘書が年々人間離れしていくのは、この辺に原因があるのかもしれません。そういえば、とっくに人間ではなくなっているのが社内にゴロゴロしております。

内職の納品に行った後、銀行行って郵便局行って、とうろつき回っておりましたら、すっかり仕事モードが消え失せて、巷をふらふらとして直帰してしまいました。秘書の社会復帰もますます困難になりつつあります。

2004年1月4日(日)晴れ

3日中断しただけで禁断症状が現れ、自宅でパソコンオタクと化しております・・・

2004年1月3日(土)晴れ

たまの田舎もいいですが、やっぱり東京がいいです。東京は田舎者に寛大な街ですもの(と勝手に思っているだけ。東京の方ハラワタを煮えくり返さないで下さい)。

お家に帰ってまずしたことは、ドイツ製のミューズリにヨーグルトをかけてきな粉をまぶして食すことでした。ドイツ製なのは、秘書が舶来かぶれだからではありません。日本製のミューズリと称するものはお砂糖やら何やら混ぜ物が多すぎて、秘書の馬鹿舌でもまずいのです。

人心地ついたら吉祥寺の街へお出かけします。デューク更家歩きをしたいのですが、知ってる人が多いのでちょっと引きまして、デューク更家歩きもどきをしました(ダイエットを考えている方、デューク更家歩きは効きますことを保証いたします。寸胴がくびれます)。

かくしてお正月が過ぎまして、来週からは猥雑な日常が戻ってまいりまする。

2004年1月2日(金)晴れ

秘書@田舎。生まれ育った場所なのに、ぜ~んぜん懐かしくないです。地方都市の様変わり様は、東京の比じゃござんせん。

戦前(大平洋戦のことです)の丸焼け前の東京に生まれ育った人間が、あれよあれよという間に風景を塗り替えられていったのに匹敵するくらい、昔の面影はありません。秘書が手製の木刀持ってチャンバラごっこに興じただだっ広い原っぱは、細切れ住宅が無秩序に建っておりますし、旧家のお屋敷も屋敷森が切り倒されてアパートがにょきにょき生えております。田螺を採った田圃なんかどこにも残っておりません。家の前を流れていた鮒をすくった小川はどこへ潜ったんじゃ。

なによりも、東京より緑が少ない。これは許せませんぞ。

と、言いつつ、お散歩と称して車の行き交うコンクリート道路をこてこてと歩いて秘書が向かうは、ブックオフ@田舎店。同居人とコミックを漁ります。つくづく馬鹿だと自覚するのですが、分かっていて止められないのが人間です。勢いでごそっと買い込んだ古書の山、誰が担いで東京に帰るのじゃ。考えるのは後にしよっと。

ヤケ気味ハイテンションの秘書、お店からの帰りは荷物抱えて、デューク更家歩きです(デューク東郷じゃありません。更家さんとは、洋風阿波踊りをスマートにこなすお方)。

実家の押し入れも漁って、昔の雑誌(資料です)も束にして持って帰る予定です。荷物を見たお母さまに「馬鹿っ」て言われました。

2004年1月1日(木)晴れ

開けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

毎度のことながら、正月だとて格別めでたくもございません。頭が一年中おめでたいからだ、と同居人は申しますが、余計なお世話でございます。

夜中パソコンをいじくり回して、はっと気がつきましたら、新年に突入いたしておりました。紅白も見ませんでした、格闘技番組バトルも見ませんでした、カウントダウンもしませんでした。勿論、煩悩も除夜の鐘で払い損ねました。秘書って、オタク・・・

同居人には愛想をつかされておりまして、あやつメはさっさとお友達と越年風呂鍋ゲーム初詣徹夜大会に出かけて行きました。こんな時、人は世の中から見捨てられた気持ちになるのでしょう・・・と他人事のように思ってしまう秘書。人間関係が崩壊しつつあります。社会から落ちこぼれないようにしなくっちゃ。

さて、昨年はとうとう、31日まで仕事をいたしました。どうだ、参ったか、わはは、と訳の分からない威張り方をしている場合ではありません。おかげで1年の計の本日元旦は朝もはよから大掃除をしております。

なんか一杯溜め込んでおりましたなあ。洗濯物は洗って干せば済みますが、なんで古新聞が8袋もあるのだ。思い出した、1月は義理でまた読みもしない新聞を取るのだ、今月は合計3紙だあ・・・ 

ベランダにゴミ袋の山を築きました。近頃、鳥さんが出入りしているようで、ベランダがフンチだらけなのにも気がついてゴシゴシと磨きます。正月は、福を掃き出すから掃除をしてはいけない、と言うそうですが、どうせ秘書んちは貧乏神と厄病神が溜まっておるのです。盛大に掃き出しちゃいます。

さっぱりして、同居人も徹夜あけのハイテンションで帰ってまいりまして、さあ、秘書は帰省いたします。むふふ、本日より3日まで、憧れの上げ膳据え膳ライフです。ばっちり栄養も補ってこよっと。では、行って参ります。

あ、親戚のチビどもにお年玉用意しなきゃ・・・