2000年9月30日(土) 雨が降ったような気がする
気がつけば9月もお終い。秋は駆け足どころか、ジョイナーかフリーマンか、という勢いでやって来てしまいました。
今週は秘書は何をしていたのでしょう。記憶が曖昧です。きっと夢見ていたのです。ともあれ明日から希望の10月が始まります。今度こそは雑音に惑わされず食い物に操られず真面目に生きますぞ。
2000年9月29日(金) 曇りだったかな
仕事の帰りに近所のスーパーに寄って晩御飯のおかずを物色しました。
おやつにショートケーキ2個とレアチーズケーキを食べたもので、全くお腹がすきません。社長のお友達が遊びに来られて(会社って遊ぶところでしょうか)、皆さんに、と下さったのですが、生憎と編集長と営業部長はお出かけでした。とっておけるものではないので、秘書が気をきかして始末したのです。
ぼーっと店内を周遊していると、本日のお買得品のアナウンスが流れます。昔風コロッケとか、パリパリチキンとか、あなごたっぷり巻きとか、いろいろ。もっとさっぱりしたものが良いのですが。
ん? カレーですって。カレーでもよいか。何カレーですって?
ナマコモチカレーってどんなカレー? 海鼠餅カレー? ぐっ、趣味悪い。餅とカレーは合いますが、何で海鼠(なまこ)を乗せるのです。丸ごと1個乗ってるとしたら相当エグい。げっ、げっ。
肉の売り場に隣のおばちゃんがいました。特売のカルビ焼肉用をためつすがめつしてます。今晩のおかずに迷った時の良き相談相手です。おばちゃんにさっそく聞いてみましょう。
海鼠餅カレー・・・と、全部言わないうちに返事が帰ってきます。あそこにあるわよ!
指差す鮮魚売り場をみて、口があんぐり開きました。
鰈の子持ちの切り身のピラミッドがそこにありました。
2000年9月28日(木) ピカピカ晴れ
快晴なので、また朝布団を干しました。今日は忘れないで出勤前にとりこんで来ました。2時間ほどでもお日様の匂いのする布団は気持ちよいです。
こんな日はお弁当持って広々した公園でゆっくりお昼寝したい。
などと夢想するもので、仕事に身が入りません。午前中かけて作った書類をうっかりマウスを滑らせて跡形もなく消してしまいました。澄まして午後また始めからやりなおします。秘書の行状に誰も気がつきません。
2000年9月27日(水) ピカピカ晴れ
編集長は今日はゴルフです。いい身分ですな。
と、思ったら仕事がらみだといいます。今あれこれ調べている件の当事者が経営するゴルフ場で体験スクールみたいなのをやってると聞き付けて早速申し込んだそうで、浮き浮きしてます。
で、水をさしてやりました。
ゴルフのクラブって凶器になりますよ。過失を装って後頭部をぼかっとやれば、イチコロですってねェ。
(我ながら根性が悪い。)
ムッとしながら出かけて行きました。無事帰って来たのは言うまでもありません。
午後は午後で、どこぞの組合の集会とデモが近くである、といそいそとビデオカメラを担いで出かけて行きました。
デモの後は勿論飲み会です。(最近編集長の行動パターンが読めてきました。)
鬼のいない間、秘書は命の洗濯に精をだします。
2000年9月26日(火) 晴れ
これ、と編集長が菓子折りみたいな包みをくれました。
本日女の人が編集長を訪ねてきました。結構長いこと二人きりで話し込んでいましたので、「あれは誰だ?」と皆で壁に耳を押し当てたりしたのですが、安普請の薄壁にもかかわらずぼそぼそとしか聞こえず、その女人は謎に包まれたままお帰りになってしまいました。
その人の手みやげだといいます。いわくありげなので、開けちゃっていいんですか、と一応聞いてみたら、怪訝そうに答えました。
プール事件の関係者がお見舞いに来てくれたのだ。なかなかいい人だ。
ともあれ早速開けてみました。うわぁー、クッキーの詰め合わせだ。チョコレートも入ってる。みんなに適当に配っても半分は残ります。しばらくおやつには困りません。
本当にいい人です。
2000年9月25日(月) 晴れ
んぎゃあ、とドアを開けて出ようとした営業部長が腰を抜かしてへたり込んでいます。どうした、と総務部長が席を立って廊下を覗きにいって、ぎゃあ。何だ何だと経理部長がすっ飛んでいって、ぎゃあ。
うるさい。
カエルの三部合唱ではあるまいに。
と言いつつ、秘書もわくわくして覗きにいきました。
ぎぃやああー。
お岩さんが立っている。いや、お岩君です。編集長が左目を腫らして憮然としている。
昨日、日課の水泳に行って、プールで泳いでいる最中、向こうからコースを外れて泳いで来た人に顔面頭突きを食らったらしいです。当然猛烈な勢いで抗議したようです。(相手が気の毒な気もします。プールの中でこともあろうに編集長に正面衝突するなんて、よほどのドジ)。
目が充血したので医者に行って来た、と情況説明をしているうちに怒りが再燃してきたようで、編集長の口調が激しくなります。そしてとうとう
「陰謀だ! 首謀者は誰だ!」
あぶり出してやる、と息巻いてどこぞへお出かけになった後の静かなこと。
2000年9月24日(日) 雷。のち晴れ
今日は日曜日だ、と怒鳴りたくなります。朝早くから、ピカッ、ゴロッ、ガラガラガッシャーンとやかましいこと。秘書が何をした、なんの恨みがあるのだ・・・と、1週間前と全く同じ展開です。怒り心頭に発し、国民よ気象庁に抗議の電話を、と叫びそうになりました。(冷静に考えれば気象庁には何の責任もありません)。
そうこうする内に静かになったので、また眠ってしまいました。次に目が覚めたら10時でした。半日損した気分ですが、お陰で日頃の睡眠不足が解消できました。貧乏性の秘書はいつもは日曜日でも8時以降の朝寝ができません。
さて、今日から本格的な秋です、の筈でしたが、まだ夏を引きずって暑いです。衣替えをしようと試みたましが、厚手の長そでシャツなど見るも鬱陶しくて箱のまま押し入れの奥へ戻してしまいました。駆け足でやってこないよう、秋に頼んでおかねば。
2000年9月23日(土・秋分の日) 薄晴れ。一時土砂降り
昨日の1ポンドステーキの余波で全くお腹がすきません。同居人はお友達のところへお泊まりで帰ってきません。犬用ステーキは冷蔵庫の中に横たわったままですが、しばらく見たくない。せめてミルクティーでも、と冷蔵庫を開けようとしたら、足元が冷たい。
ん?
ぎゃあー、冷凍庫の扉が少し開いてます。庫内温度は、H(ハイ)です。
昨夜口直しにアイスを食べて、その時から開きっぱなしです。アイスが全滅してます。不幸だっ。
2000年9月22日(金) 晴れ
どうも編集長は守衛のおじさんに弱いらしいです。
先日編集長に化かされた(ステーキが牛丼に化けた)話を綿々とおじさんに訴えたら、なんと、本日はステーキハウスに連れていってやるから心して仕事するように、と編集長からお達しがありました。心してするほどの重要な仕事はそもそもしてないのですが。引き換えに何をやらせようというのでしょう、と不安がちらとよぎりましたが、先に悩んでも仕方ない。仕事は適当に片付けておやつはほどほどに控えておいきました。
連れていかれたのはそこそこのお店でした。予約しておいたからと(気がきくではないか)のことで、席につくなり、いろいろと運ばれてきます。右手にナイフ左手にフォークを握りしめ舌舐めずりしていると、やった、ステーキだ、ジュージューいってます。
しかし、む、でかいな。わらじのような、とはよくいいいますが、これではジャイアント馬場のわらじです。
お店の人、注文を間違えてますよ。これ何人前ですかと聞いてみました。
「ご注文の当店自慢の特製お一人様1ポンドステーキでございます。」
1ポンド! すなわち450グラム!
何を考えてるのですか編集長は。
馬ではあるまい、いや馬は肉食ではなかった、熊ではあるまい450グラムも食えないです。このチビのどこに450グラムも入る胃袋があるのですか。日頃さんざんチビの大食いとか言ってくれますが、ものには限度があります。しばらく黙々と格闘しましたが、途中で歯がたたなくなりました。
編集長は、と見ると、なんと全部平らげてます。驚異の胃袋です。
半分以上も残すのは勿体ないので、家の犬に、と言って包んでもらいました。家の犬とは同居人のことです。明日は朝からステーキ食わせてやりましょう。
これだけ食べるとさすがの編集長も血が胃袋に集中するようです。何かやらせようと思っていたらしかったが、面倒くさくなったようで、明日にしようと言いました。
明日でいいったって、明日は祝日です。秘書はお休みです。
2000年9月21日(木) 晴れ
ひさし振りにピカピカに晴れて気持ちが良いです。こういう日は心も軽くキーを叩いて軽口たたいて合間に歌っちゃったりします。もちろん、他の人の邪魔しないように小声でです。放歌高吟する誰かさんとは人間の出来が違います。
ここのところのお気に入りは、超バター犬のファンキー烏龍茶です。の~どがかわいたらあ、と小気味よく調子を取りながら・・・歌えないです。どうしてもテンポがずれます。
仕方ないので古き良き歌になります。ゆったりした曲は適当にごまかしがききます。今日は“サクランボの実る頃”にします。その気になって思い入れたっぷりに口ずさむと、気分は戦前のパリです。あの頃は良かったなあ・・・
目の前を編集長が通り過ぎていきます。いえいえあれは通りすがりのただの通行人、ここはパリのカフェ、私は愛しい人と恋の語らいを・・・
編集長が逆方向に通り過ぎていきます。目つきが変です。いけないいけない、ここはパリ・・・
また編集長が通りかかります。そんな目つきでじろじろ見られたら気がそがれるではないですか。
「妙なうめき声がすると思ったらここか」
「・・・・・」(なんと言えばよいのですか)
せっかくの気分をぶち壊しにされました。今日は時間外勤務は拒否して、とっとと帰ることにしました。
表に出ると、秋の気配が心地良い。そうだ、秋仕度をしなくては、と寄り道もせず家路を急ぎました。我が家が見えるとホッとします。
ん? ベランダに何か。
ぐえっ、布団が干しっぱなしです。
忘れてました。朝あんまり天気がいいので、出かけるまで間と思って出してきたのです。夕立ちの季節でなくてよかった。布団難民になりかねませんでした。
2000年9月20日(水) 晴れ
日本はブラジルに負けました。サッカーの予選リーグの話です。決勝トーナメント進出がかかっていました。
でも、スロバキアが南アフリカに勝ったので、日本は決勝トーナメントに進みます。
と、聞いて、しばし??? なにせ非国民と言われるオリンピック無関心層です。あちこちでいろいろ喋るのを聞いてようやく合点がいきました。(話が分からない人は新聞読んで下さい。)
これを伝えるテレビのアナウンサーの嬉しそうなこと。ニコニコして、日本負けましたが南アフリカも負けましたので日本は決勝トーナメント進出です、を入れ変わり立ち代わりで口にする。南アの人は気分悪いでしょうな。
今日は1日編集長がいませんでした。直行直帰の出張です。地元の市議会だけでは飽き足らなくて、お隣さんへも傍聴にいったらしいです。よそに行ってまで痛烈なヤジ飛ばしてないでしょうな。地元では昔、議会事務局の人に羽交い締めにされて制止されたこともあるとか(噂です。真偽の程は責任持ちません。)
こちら○○市議会の者です。おたくの編集長預かっていますので、即刻引き取りに来て下さい、という電話がいつかかって来るか、秘書は少し心配でした。そうなったら社長以下全員で口を揃えて、お前行け、となるのは分かりきっています。
秘書の心配をよそに、社内では編集長のいない間の恒例行事のお茶会がくり広げられました。今回はスペシャルバージョンの愛国者の集いです。つまり応接室のテレビをつけっぱなしにしてお茶をすすりながら1日中オリンピック観戦をします。例によって、目はオリンピック、話の内容は全く無関係の昔話。一度このお方たちの頭の中身を見てみたいような見たくないような。
2000年9月19日(火) 晴れ
森さんが“IT”と口にし始めて3カ月。今度はIT商品券なるものを思いついたらしい。
ITとは紙に印刷して使えるものであったのですか。秘書は今まで知りませんでした。
しかし、どうやって使うのでしょう。商品券をパソコンに差し込むと、その分だけ有料ソフトがダウンロードできるとか。(そんなパソコン持ち合わせていません。)
この前の地域振興券みたいな代物ではないでしょうな。あれは秘書のところには1枚も回ってきませんでした。おかげで我が家はいまだに未振興です。世間の評判でも湿気った花火みたいでした。
2000年9月18日(月) 晴れ
気がついたらオリンピックが始まっていました。そう言えば開会のセレモニーやってたみたいだな、と思い当たります。
色付き道中合羽の扇子が云々、は日本チームの入場行進での話でありましたか。合羽と扇子の組み合わせというのがいまいち良く理解できませんが。
ともあれ、やわらちゃんは初恋の人に会えたみたいだし、よかったよかった。
ところで、秘書みたいなオリンピック音痴のことを最近は非国民とも呼ぶらしいです。愛国心はそれなりに持っているつもりの身には有り難くない命名です。
秘書の周囲で非国民は密かに増殖しています。
2000年9月17日(日) 朝から雷雨。晴れ
今日は日曜日だ、と怒鳴りたくなります。朝早くから、ピカッ、ゴロッ、ガラガラガッシャーンとやかましいこと。秘書が何をした、なんの恨みがあるのだ。(秘書の不始末のせいで雷が鳴るわけはありません。台風のせいです。)とうとう布団からはい出したましが、頭がボーッとしています。明日からまた仕事に追われる日々です。今日くらい楽しく過ごしたい。
2000年9月16日(土) 晴れたり降ったり雷だったり。
カレンダー通りに出勤して溜め込んだ書類整理をしました。世間では3連休の使い方を競い合っています。微細企業勤めは悲しい。皆さん、雨に打たれ雷におののきながらレジャーに精出しているんでしょうな。
連休の谷間は会社も静かです。
総務部長は社内中の鉛筆をカッターナイフで削って先をとがらせています。経理部長は書き損じの書類を引き裂いてはよじって紐のようなものを作ってます。営業部長はさっきまで耳掻きしていたが今は居眠りしてます。他の方々もそれなりに何かしています。
編集長も何を企んでいるのか気味が悪いほど静かです。少し開いたドアの向こうの後ろ姿がぴくりともしません。余りに静かすぎるのでそっと覗き込んだら、机に積み上げた本におでこを乗せて熟睡していました。
忙しいのは秘書だけです。どいつもこいつも本当にもう。
社長が秘書の回りをうろうろします。なにか御用で、と訊ねると、コホン、と咳払いをしました。
「今日は出ないのかね。」
んっ、もう社長までっ。
出していいんですか。
出していいのなら、出しっ放しにしちゃいますっ。
そこいら中キョンシーみたいに跳ね回っても秘書は知りませんっ。
ティラノザウルスに会社踏みつぶされたって秘書のせいにしないで下さいっ。
2000年9月15日(金・敬老の日) 晴れたり降ったり雷だったり。
天気が良いので、布団を干してシーツやらカバーや山のように洗濯をしカーテンを取り替えて秋仕度、と張り切ってやってましたら、なんだなんだ、この天気は。布団は無事でしたが、洗濯物はずぶ濡れにされました。たちまち部屋中に洗濯物がぶら下がる生活感あふれる光景が出現します。かき分けて行き来するのは鬱陶しいです。ピカッと太陽が戻ってきたので大急ぎで外にだしホッとしているとたちまち雨がふりだします。3度目には人のよい秘書でもブチッときれます。かくして、お外は晴れ、お家の中は湿度90%、の事態と相成りました。お陰で、湿気に弱い空気清浄器が止まったままです。
2000年9月14日(木)雨が降ったり晴れたり。
松子さんが相変わらず不機嫌なので、マック救急車のお世話になりました(First Aid)。やっぱり具合が悪かったらしい。修復が済んだら動きが軽くなったように思いますが、気のせいでしょうか。
ついでだから中を開けて色々見ていたら、うふふ、楽しい住人がいるのを発見してしまいました。松子さんたら、こんなペットを隠してたのです。つい引っ張り出して一緒に遊んでしまいました。
ナノ(NANOSAUR)ちゃんは可愛い。使命を帯びて未来社会から恐竜時代に送り込まれるのですが、未来装備をいっぱい持っているのに、あっと言う間にティラノザウルスに踏みつぶされてしまいます。秘書はたちまち3匹を昇天させて、はいお終い。ついついもう一度、と始めてしまいます。
難点は仕事場で仲良くするには音が派手です。無音でやってもつまらない。
バシバシ発射キーを叩いていたら、ゴホンと咳払いがします。後ろに社長が立っていました。
何をしてるのかね、と言いますので、出て来ちゃったんです、止め方が分からないんです、とごまかしましたが、終了しようと思ったら本当に終わらない。あせって社長にもあっちこち押させましたが、画面は恐竜が入り乱れて飛び跳ね続けます。社長もあせりだして、あっ、おっ、と変な言葉を口走ります。仕方ないので強制終了してしまいました。
松子さんに怒られそうです。
2000年9月13日(水)雨が降ったり晴れたり。
雨が降るのでカエルが元気です。この都会のどこにお住まいなのか、そもそもどこにお出かけの用があるのか不思議なのですが、特大サイズのヒキガエルがもそもそと通りを横断していきます。結構車も通るので、ついお見かけすると、はよ渡れ、と靴の先で後押ししてしまいます。渡し終わると、1日1善、私は良い人、と満足感がこみ上げます。
と、同居人に話したら、そのカエル、本当にそっちへ行こうとしてたか、と聞き返されました。いわく、また余計なおせっかいをしたのであろう。途中まできてふと気になって後ろを振り向いていただけだったかもしれないのに。
2000年9月12日(火)雨。後、晴れ
今日も大雨が降ってしまいました。お月見もお流れか、と思ったら夜は良い天気になりました。月世界では餅搗きをしているらしいです。もうかれこれ30分も駅前で夜空を見上げています。通りかかる人がつられて上を見上げては不審そうに立ち去ります。
編集長がきません。打ち合わせた時間はとうに過ぎています。いつもの秘書なら、仕事がなんだッ、時間通りに来ないやつが悪い、と怒ってとっとと帰ってしまうのですが、今日は帰るに帰れません。カバンをあけたら財布が入っていませんでした。昨日夜中にアイスが食べたくなってコンビニに走ってその時お買い物袋に突っ込んだままです。ここまでの電車賃はポケットの小銭で間に合いましたが、帰りの切符代がありません。カードも全部財布の中です。
お腹がすいてしまいました。グスッとまた空を見上げると、まだ餅搗きをしています。一つくらい落ちて来ないかな。
編集長絶対来るんでしょうね。なけなしの10円玉で電話したら、とっくに出たと言っていました。どこで引っ掛かってるんでしょ。グスッ。
身の不幸を嘆いているとようやく編集長が現れました。
開口一番「音痴なのは歌だけかと思ったら方向も駄目か」
(むっ。これだけ待たしておいて、なじり倒そうというのか)
「む、ではない。ここは北口だ。南口は向こう!」
(北だの南など知るか、ラーメン屋のあるところかと聞いたらそうだと言ったではないか!)
「話を勝手に翻訳するな。ラーメン屋なら南口にもある」
晩御飯をおごってやるから、というのが本日の時間外業務の条件でした。
出かける前、珍しく希望を聞かれたので、牛がいい、と答えておきました。
久し振りに血のしたたる美味なステーキが食べられる、とにんまりしていたのに、松坂の看板も神戸の看板も横目に編集長はずんずんと先へ行く。まさか、と思った嫌な予感通りにガラッと戸が開いたのは・・・牛丼屋だった。これで遅くまで手伝いさせようってのか。あんまりだっ。(牛丼は美味しかった)
いつか埋め合わせさせてやる。
2000年9月11日(月) 雨
大雨が降ってしまいました。秘書の心も土砂降りです。気圧が下がると血圧が下がる、かどうか知りませんが、秘書は今日は低血圧に磨きがかかっています。目は開いていますが、脳は布団からはい出していません。こんな時は頼むから重要な話はしないで欲しい。
2000年9月10日(日) 晴れ
秋祭りです。お囃子やらお神輿のかけ声やら聞こえてきます。のはよいのですが、お神酒所が秘書の部屋のある建物のすぐ脇にいつも設けられます。おかげで賑やかなこと、今日も太鼓の音がガンガン響いて頭蓋骨に共鳴し昼寝どころでありません。そのうちどこぞでのろし花火みたいなのがポンポン打ち上がります。世は挙げてお祭りです。秘書は裁縫箱の中蓋持ち上げて耳栓探しです。
2000年9月9日(土) 晴れ。暑い
編集長がよく出かけます。取材だ、傍聴だ、演説だ、とよくタネが尽きないものです。お陰で原稿が進まないらしい。連載が何本もとぎれたままで、時々あちこちからお電話を頂きます。
そういう電話は受け取った途端、編集長に回してしまいます。秘書が言い訳して通ずる生易しいお方たちではありません。
一体いつも何と言ってごまかしているのでしょう。
今日は頂いた電話で、言い訳からそのまま新企画の構想説明に突入し、長電話していました。かけて来た人、電話代が気になってしょうがなかったでしょうな。はよ、ゲンコ書け。
2000年9月8日(金) 晴れ。暑い
ここの所、秘書秘書とうるさかったです。秘書の給料ごまかして流用したの、それを企んだのは第一秘書だの、いや政治家本人だの。
とにかく分ったのは、政策秘書は高級取りだ、ということ。今真剣に転職を考えています。山本さんとこみたいに、時々事務所の掃除に行けばいいのなら、この秘書にも十分つとまります。
2000年9月7日(木) 晴れ(だったかな)
モルモットを知らない人にどういう生き物か説明しようとしてはたと困りました。ハムスターのでかいの、と言ってたこともありますが、かなり違う気がします。ハムスターをトロくさく引き延ばしてずんぐりむっくりさせたやつ、と言ってうなずいた人はいません。だいたい顔がでかくて、ハムの愛嬌はありません。毛がむくむくしてる種だと正面から見るとライオンを間抜けにしたようです。そもそもがネズミなのに体内でビタミンCを生産できない3大生物の一つ、と言うのからして抜けてます(残りの二つはヒトとサル)。
同居人としげしげ眺めまわして、意見が一致しました。
黄色く塗ればピカチューだ。小さい子なら騙くらかせる。
お姉ちゃん家にピカチューいるよ、見にくる? えーっ、見たい見たい・・・・ 近所の子一網打尽です。
で、どうする、で話が止まりました。身代金要求できる訳でなし、毎日、御近所のガキ、いえお子さま方に押し寄せられるのはたまりません。
こういう話を知ってか知らずか、当のモルモットは手足を投げ出して死体のごとく寝ています。
2000年9月6日(水) 晴れ。蒸し蒸し
松子さんがご機嫌ななめです。空き具合も確かめずいろいろ詰め込んでしまったので、こんなに出来ません、とふくれているらしい。何を指示しても、知らん、と言って返します。松子さんにそっぽを向かれると秘書の仕事はトド子売る、違う、滞る。松子さんは秘書の秘書です。いまや骨董品らしい盆代ブルー、違うって、ボンダイブルーのiMacです。いかん、余計なものを捨てさせなくては。
何をぶつぶつ言っておるのだ、と編集長が覗き込みます。いえ、ちょっと、でごまかします。松子さんが~、とでも言おうものなら、パソコンおタク扱いされます。けど、編集長の方がおタクだと秘書は思います。
愛松君相手にいつも御託並べては説教たれてるではありませんか。愛松君(という名前は秘書が勝手に付けました。編集長は御存知でない)は青みかん色したiMacで、少し前は新世代ともてはやされていました。秘書思うに、きっとシャツの前ボタンがはじけそうにぷっくりしてるんでしょう。だって、自分でDVって名乗ってます。
2000年9月5日(火) 雨
昨日は前日より10℃以上気温が下がりました。寒いとしか言い様がなく、一気に秋、と喜んだのに、地球はそう優しくないです。じわじわと暑さが戻ってきます。
アメリカも××暑いんでしょうか。
暑さにやられて頭の中がチーズフォンデュ状態だったのか、大統領候補の薮氏がなんかの席でマイクを切り忘れてしまったそうだ。で、そのまま、隣の人と品のよろしくない内緒話を始めたのですが、なにせマイクのスイッチが入ったままなので、全員の知るところとなってしまいました。
これを伝えるラジオのアナウンサーは、薮氏が言った言葉そのものは申し上げられない、といっていました。英語圏では口にするのを憚られる表現らしい。
新聞では「あそこにメジャー級の××野郎がいる」と見出しにして事の次第を報じていました。××には2文字を当て、さらにアスなんとかと括弧書きしていました。(秘書も全部伝えるのは憚られます。)
アメリカの新聞も、そのまま掲載したのとぼかしたのとあったそうです。××野郎と言われた記者の社ではぼかしたそうです。
森さんもボケっとしてたらしい。プーチン大統領の奥さんが京都に行く筈だったのに、警備上極秘の予定をポロッと喋ってしまってオジャンになったとか。女の恨みを買うとロクなことないですぞ。
2000年9月4日(月) 曇り(?)。寒い
土曜日ガラガラと引きずって帰ったカートをまたガラガラと引きずっていきます。着払いの宅急便で送っておけば良かった、と後悔しても遅い。荷崩れしそうになって積み直しているところを近所の人に見られてしまいました。とうとう家を出ることになったみたいよ、とか噂が流れてなきゃいいのですけど。
「やあ、ごくろうさん」と階段のところで守衛のおじさんが持ち上げるのを手伝ってくれました。いい人です。
「大変だったねぇ」というので、大変だったよぉ、と万感の思いを込めて答えました。
「恐かったろう」 ん? それほど恐くなかったです。変な人たちばっかだったでしたけど。
「お巡りさん、来てくれてよかったね」 へ??
「110番してもなかなか来ないんだよね」 は???
なんか話が変です。酔っぱらいがどうのヤクザに胸ぐら掴まれたの、秘書はそんな話知りません。よくよく聞くと、案の定酔っぱらって夜中に新宿を徘徊した編集長御一行のどなたかが、ヤ印前で自転車を倒して車に傷を付けたのなんのとその筋のお方ともめて、編集長が右総代みたいにやりあったらしい。
秘書はそんな物騒な所へは断じて行きません。昔から言うではないか、君子さんは危ない物には近付かない、と。
「そうだったのかい。そのおでこ、巻き添えになったのかと思ったよ。」
これは、と言いかけて、ふっと気づきました。やっぱり編集長の巻き添えです。土曜の夜、荷物を家に運び込んでホッとした瞬間、荷がカートから外れそうになりました。慌てて押さえようとして、玄関ドアの内側にでっぱった郵便受けにボカッと殴られた、ように感じるほどおでこを打ち付けました。しばらく頭蓋骨の中で脳味噌が転げ回っていました。
前髪で目立たないように隠しておいたのに。おじさんの視力はいくつだ。
2000年9月3日(日) 晴れ
日曜というのに朝6時に起きて知人の住む団地に向います。
実は昨日、じゃぁコピーとって土曜日中におたくの郵便受けに入れとくね、とその前日に言っておいたのを忘れていました。いや忘れたのではありません。昨日毒気に当てられて重荷を引きずって気分はすっかり厭世モードになって、世の中どうでもよくなってしまいました。コピーがなんだってんだ、そんなもんなくたって地球はまわるぞ・・・
夜中に目が覚めて真人間にもどりました。朝早くに入れとけば夜中に入れたと思うでしょう。
これが野暮用というものだ、と呟きながら階段を踏みしめて上がります。知人の団地にはエレベーターという文明の産物がありません。切れた息を整えて知人の部屋に向おうとして、目を疑いました。
廊下をのそりのそりと亀が歩いています。
縁日で買ったペットとかいう代物ではありません。背に乗って竜宮城に直行できそうな大亀です。向こうも気づいて足が止まります。近付いてみると甲羅が差渡し30センチはあります。目はつぶらで可愛いのですが、手足はごつくて、昔お前は恐竜であったか、といいたくなります。こんこんと甲羅を叩くと、首を引っ込める。その様はまさに亀の頭です。(当たり前ではないか・・・)
お前この団地の住人か、この狭苦しい団地にお前の部屋なんかあるのか、よそから来たんならどうやって来た、えっちらおっちら階段登ってきたのか、と話しかけても答える訳がありません。朝から白昼夢、のシュールな光景でした。
2000年9月2日(土) 晴れ
暑い。××暑いッ。今年一番の暑さだそうです。(東京は37.8度もあったそうだ。人体の方が冷たい。ところで、××をなんと読み替えたかで、あなたの品性がわかります。)
この××暑いのに事態はさらに暑苦しい。突然出張することになったのです。編集長が新宿で何かするらしいとは聞いていました。資料と機材で山のような荷物を作ってしまったとも聞きました。助手がいる、と言っているのも聞きました。営業部長気の毒にまた運搬係りだぞ、と密かに同情もしてました。
なのに何故です。秘書が何をしたというのです。何故秘書が助手なのです。全員で口を揃えて「おまえ行け」はないでしょうに。晩飯おごってやるから、と言われて少し気は晴れましたが、釈然としません。
行ってみると、類は友・・の人々が溢れかえっています。いろいろ名前を聞いたがまるで覚えていません。前来た時と同じで、時空が歪んだような空間です。真っ当をモットーとする身には目眩がします。記録用ビデオカメラの番も言いつかったので、飲んだくれてるわけにもいきません。一応真面目に撮影しましたが、ビデオカメラに触れるのは今回が初めてです。何が写っていても(写っていなくても)責任はとりません。しかしまあ、少し危ないのからかなり危ないのまで、入れ替わり立ち替わりで言いたいこといってましたな。ストレスのたまらない人達みたいです。秘書なんかこう見えてもストレスの塊です。少しちぎってぶつけてやろうか。
終了時間になって、大急ぎで荷物をまとめました。編集長はすましてますが、秘書は気が気でありません。この荷物をどうするのですか。僕が持って帰るから、とか言いますが、“お友達”の方々と徹夜で飲みまくるのはわかりきってます。確実にどっかで無くして来る筈です。良い子の秘書は夜はとっとと家に帰って寝ます。編集長につきあって一晩中荷物番する気は毛頭ありません。
無くしたのは自業自得というもんでしょ、とこちらも澄ましていられれば良いのですがそうはいきません。正気にもどった編集長がすったもんだの大騒ぎをするのは目に見えてます。店に電話しろ、あそこにもかけろ、紛失届けを出せ、駅にも聞いてみろetc. 見つかったら見つかったで、取りに行ってこい、とのたまうでありましょう。見つからなかったら・・・復元作業にあちこち走りまわらされます。
今の苦労と後の苦労、さあ、どうする。変態でもない限り、今自分で持って帰ろうと思うでありましょう。カートに資料のつまった紙袋をくくりつけ、頭陀袋にカメラや三脚を押し込み、さっさと帰路につきました。新宿の街をガラガラとカートを引きずっていると、にわかホームレスです・・・・重かった。店の飲みしろは編集長のツケにしときましたぞ。
2000年9月1日(金) 晴れ
三宅島に避難指示がでました。指示を出しといて何もなかったら困る、という思惑も一部あったようですが、何もなかったら最上ではないですか。それにすでに日常生活に重大な支障を来しています。これが非常事態でなくてなんなのですか。ペットや牛も避難できると聞いてとりあえずほっとしました。