送信日時 :2001年 8月 27日 月曜日 10:40 PM
件名 :[pmn 16060] pmn最終投稿:物理的な力による革命の歴史的評価
先に「暴力主義反対」の主旨を記したところ、個人宛にヴェトナム解放戦争についての意見を質されました。事柄の性質上、pmnで皆に答えると返信したままになっていましたが、今日が最終日になるので、ここで簡略に答えます。
すでに500年前のマキアヴェリの考察をも記したのですが、簡単に言うと、力で覆した政権は力で報復されているというのが歴史の教訓です。近代のいわゆる社会主義革命の典型のソ連の場合には、あの程度の力による報復で済みましたが、現在のロシアの状況はマフィア支配です。この状況も力による報復の一種なのです。ヴェトナムへはカンプチアPKO出兵の時に行きましたが、今では広く知られるに至った共産党政権の腐敗、金権主義化に、日本の商社員が困っていたほどでした。
私はまた、インドのガンディーの非暴力抵抗をも、一つの典型として提示しました。ガンディー暗殺という事態がなかったらどうなったのだろうかとも考えます。
中国の実態を見れば、軍事革命の結果は軍事支配を招くと言えます。パレスチナの将来も、解放戦線の中に軍事的な傾向が強まる一方の現在、憂うべきものがあります。短い期間のゲリラ闘争で対米従属腐敗政権を覆したキューバの場合は、少しは増しな気がしますが、軍服を着たカストロの政権が続いている状況は、やはり、いわゆる怪し気な民主主義政権との比較で甲乙を付け難いと言わざるを得ません。
政治力学の視点から見ると、軍事的な革命を経た場合には、軍人または軍事的な官僚型の連中が政権の中心に座るのが法則的事実と言えます。将来の目標が本当に平和で友愛に満ちた社会の実現にあると言うのならば、「ここがロドスだ、ここで跳べ!」と言うべきでしょう。今ここで、平和的な非暴力の日常的な姿勢を示さなければ、信用はできないし、広い支持は獲得できないと思っています。
私は、それ故に、サイバーテロにも厳しく反対したのです。
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