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ブッシュの進化論
サル年にちなんで類人猿から人間へと変化をとげている進化論について考えてみようと思う。結論を急ぐなら確実に"人類は退化している"と言えそうだ。たしかに科学や医学などあらゆる分野の技術は進歩しているけれど、「人間、いかに生きるべきか」という哲学がどうしようもないほど遅れている。遅れているなんていうナマやさしいもんじゃない。今、この地球上でソラ恐ろしいことが起きていることに私たちはほとんど気づいていない。ズバリ言ってしまおう。米軍がアフガンやイラクで使用している「劣化ウラン弾」、これぞ悪魔の兵器なんであります。正月早々、戦争被害の話もないじゃないか、とおっしゃるかもしれないがフセイン元大統領の拘束で米国の意気があがり、ますます「イラクの民主主義のために!」という都合のいいスローガンがニュースメディアを通じて世界中に流されている折、あえて苦言を呈したい。
アメリカは90年以降の戦争で大量の劣化ウラン兵器を使っている。1991年の湾岸戦争、1995年のボスニア軍事介入、1999年の旧ユーゴ空爆、2001年の対アフガニスタン戦争、そしてイラク戦争。「ショックと畏怖作戦」と名づけたイラク戦争では2万発もの誘導爆弾が雨あられと投下され、大量の劣化ウラン弾が使用された。すでに米軍帰還兵にも劣化ウラン弾の被害が出ているが、その何十倍も深刻なのがイラク市民の被害だと言われている。イラク南部のバスラを中心とした諸都市では、癌・白血病が3-7倍に増加したと報告されている。飛散した放射能が遠くイタリーやスカンジナビア半島にまで達した、という報告もある。もはや劣化ウラン弾の悪影響は諸外国にまで及んでいるわけで、事態は急を告げているんであります。「フセインは自国民を大量に虐殺した」と非難する米国だが100万人ものイラクの子供たちが米国の経済制裁により殺された、という事実に対してブッシュ大統領はどう答えるのだろうか。そして「劣化ウランの使用はない」と厚顔にもうそぶいた川口外相にもあらためて考え方を問いただしたい。
放射能被害と言えば広島・長崎に原爆を投下した米国爆撃機B29"エノラ・ゲイ"の展示方法が問題となっている。米国立スミソニアン航空宇宙博物館の新館(米バージニア州)に機体だけが展示され、被害状況の解説文がカットされてしまった。「原爆投下が戦争終結を早め、日本での地上戦をくい止め、多くの米兵の犠牲を出さずに済んだ」とする投下正当化論が相変わらず根強い。原爆投下による被害は当時、約24万人の広島市民のうち10万人が即死、その後、病死や大怪我などを負った人の数も決して少なくない。長崎も含めて約20万人の市民が一瞬にして命を奪われるという悲惨な状況についてブッシュ大統領はどこまで認識しているのだろうか?小型核爆弾の開発にうつつを抜かす米国とブッシュ親分に「石油の利権のためならどこまでもご一緒させてもらいます」という情けない態度の小泉首相に対して日本国民も情けない気持ちでいっぱいなんであります。ところで大きな声では言えないがバグダッドに電撃訪問したブッシュ大統領が実は劣化ウラン弾の放射能汚染を受けた、つまり「被爆」したらしい、という話が密かに米軍関係者の間で流れているという。やはり、人類は確実に「退化している」ようだ。