日本女性学研究会 1月例会

「問われる戦時性暴力」番組改変問題を授業する

課題提供者:坂上香さん(ドキュメンタリー映像作家)

日時1月7日(土)午後1時半〜4時半
場所ドーンセンター(大阪府立女性総合センター)4階大会議室
 (京阪天満橋駅東口・地下鉄谷町線天満橋駅@出口から東へ350m
  JR東西線大阪城北詰駅A出口から西へ550m
  市バス京阪東口からすぐ)
会費無料(申し込みは不要です。)

 1990年代、女性に対する暴力がようやく問題化された。沈黙を強いられてきた「従軍慰安婦」問題は、性暴力として、今につながる女性の人権侵害として捉えられ、また戦争犯罪として位置づけられた。1994年「女性への暴力に関する特別報告者」として任命された、ラディカ・クマラスワミさんによって、「慰安婦」の表現は被害を反映していないとして「軍事的性奴隷制」と表現され、また、戦時性暴力は「人道に対する罪」として位置づけられた。日本では、政府の法的責任はないとして、1995年に「女性のためのアジア平和国民基金」が作られ、「償い金」の支給を行った。これに対して、名誉の回復と補償を求める人々は反発。いまも、日本政府に対する法的責任を追及している。

 こうした動きを受けて、2000年12月「女性国際戦犯法廷」が開かれ、NHKが、ETV2001「戦争をどう裁くか」(2001年1月29日から2月1日、NHK教育)4回シリーズとして放送した。第2回「問われる戦時性暴力」は、日本軍の戦時性暴力と女性国際戦犯法廷を取り上げた内容だった。放送後、取材を受けた側や番組に出た人が、番組の「改変」に異議を唱え、事実を明らかにしようとしている。

 2005年1月13日には、NHK「問われる戦時性暴力」番組改変について、政治圧力を内部告発する記者会見が行われ、真相を明らかにしようとした。その後のメディアの動きは、報道に対する政治家の圧力、報道の自由の問題としてでなく、NHK対朝日新聞の問題にすりかわり、結局うやむやに扱われている。内部の事情はわからないが、NHKに関する「取材資料が社外に流出した」問題や別件(5000万円の編集協力金の武富士問題の発覚、選挙での捏造記事)で、朝日新聞の信用問題に成り下がっている。

 日本軍の戦時性暴力、それを問題とした「女性国際戦犯法廷」、2000年当時、日本のメディアの多くが黙殺したことをイギリスの新聞が報じていたが、2005年の今回も隠蔽されようとしている。 金学順さんの講演を聞き、90年代の動きを知っている私なのに、まるで何もなかったかのように、暮らしている。2001年当時、NHKの番組を見たときは、忘れられている中で、「よく放送してくれた」と思った私がいた。こんな私にショックを与えてくれたのが、その場に近くいた、坂上香さんのお話だった。何が、問題なのか。坂上さんのお話を聞いてほしい。そう考えています。みなさんのご参加をお待ちしています。(例会担当:H)

<主催>日本女性学研究会
 大阪市中央区谷町1-6-4天満橋八千代ビル10階 オルタナティブ内
 http://www.jca.apc.org/wssj/