日本女性学研究会:男女共同参画のための女性学・ジェンダー研究・交流フォーラムワークショップのお知らせ

「ひきこもり」とジェンダー
〜見えにくい女性の「ひきこもり」、「ひきこもり」女性の自立へ向けて〜

日時8月28日(日)9:30〜11:30
場所ヌエック 研修室 301(定員48人)
会費資料代200円を申し受けます。

企画の内容
 近年、「引きこもり」が社会問題とされているが、ほとんどが男性の「引きこもり」を対象としている。一方、女性の「引きこもり」については、あまり注目されることがなく、問題化されることも少ない。これは、男性は社会に出るべき存在であり、女性は家にいる(引きこもる)べき存在である、とする根強いジェンダー観が原因であると考えられる。

 家にいるべきであるとされる女性の「引きこもり」は社会に見えにくく、当事者にとっては深刻な問題であるにもかかわらず、支援もうけられないという状況が生じている。女性の「引きこもり」にはドメスティックバイオレンスや女性が経済的に自立しにくい現実なども関係している。本ワークショップでは、そうした女性の「引きこもり」に焦点を当て、「引きこもり」女性がその状態を脱し、自立するための方策について具体的に考えていきたい。

担当者よりのメッセージ
 一昔前まで、女性は結婚したら「常に家にいる人」として扱われました。大きな町の家なら、御用聞きもひんぱんに来たし召使もいたりして、外出する必要はあまりなかったかもしれません。でも、現在はどうでしょうか?たしかに通販やネット購入などで、日常生活は困らなくなっています。が半面、人と人の関係は昔より疎遠になってしまいました。現在、仕事をしていない主婦のいくばくかの人たちは、非常なる孤独を感じているように思います。

 過去に行った離婚例会でも、電話で、「参加したいのだが、ここ何年も出歩いたことがなくて、出かけて行く勇気もないし、会場までどう行ったらいいのかもわからない」という方が何人かおられました。「夫に黙って出歩くことができないので、会場に行きたくても行けない」という方もかなりおられました。また、お子さんの問題行動(ひきこもりを含む)がひどくなるとともに家庭にひきこもってしまっている方もおられました。

 子どものひきこもりは、ニートの問題がクローズアップされるとともに、社会問題化しているように思いますが、「主婦のひきこもり」は社会的にまだ認知されていないように思います。が、当事者が抱える苦しみは、「家にいることを良しとする」夫との結婚生活が続くかぎり続くのですから、青年のひきこもりよりも根が深いかもしれません。

 今回は、まず、現状を「脱却途上にある当事者」に語っていただき、具体的な支援方法などをみんなで考えていきたいと思います。