源 淳子 著 三一書房 2300円+税
目 次 | |
---|---|
|
私はこの五年間、フェミニズムから「日本」を「セクシュアリティ」「自然」「王権」 をキーワードとして読み直してきました。そしていつも、その基底には宗教(とくに仏教) が存在していました。これまで『仏教と性−エロスヘの畏怖と差別』『フェミニズムが問 う仏教−教権に収奪された自然と母性』(いずれも三一書房)と題して二番目までのテー マを発表しました。本書は三番目のテーマを論じたものです。
近代日本の「思想のモラル」に天皇制と宗教が強い影響を与えていることを明らかにし ました。また、この国の権力を支えたイデオロギーがどのようにつくられたかを分析し、 その権力が「家」制度とジェンダーに、また神話的言説によってつくられた「国体」が女 性に与えた影響を分析しました。
いちおう三つのテーマに挑戦してきましたが、その奥の深さに今後の課題がみえてきま した。さらにその思想を深めたいと思います。源 淳子