プレスリリース
世界社会フォーラムとは？
世界社会フォーラムという集まりがあります。全世界から環境や貧困の問題に
取り組むＮＧＯ・ＮＰＯ、労働組合などが数万人の規模で集まって一週間にわ
たり会合を開くのです。
２００１年に第一回が行われ、毎年一回、これまではブラジルのポルト・アレ
グレ市で開かれてきました。
この会合は当初から、スイスのダボスで毎年行われていた世界経済フォーラム
が、限られた政治家と経済関係者のみの会議であるのに対抗して、世界中から
ＮＧＯ・ＮＰＯや労働組合など、さまざまな社会問題に携わってきたさまざま
な国籍や階層の人々が集まり、現在の問題と望ましい未来について語り合いま
す。
この会合を呼びかけたのもブラジルの土地無き農民運動、フランスのATTACな
ど各国に渡る様々なＮＧＯ・ＮＰＯであり、議題も経済の自由化、環境と開発、
戦争と平和、労働、貧困、食料、差別、民族問題など、多岐にわたります。
また、言語学者のノーム・チョムスキー、政治経済学者のサミール・アミン、
フランスの農民活動家のジョゼ・ボヴェ、インドの環境学者ヴァンダナ・シヴァ
など、著名な知識人や活動家も多数参集します。
フォーラムの基本原則では、参加者はグローバリゼーションや経済の自由化と
いった問題に取り組んでいる人たちであり、また暴力的な闘争を目的としてい
ないことや人種差別的な団体ではないことが要求されます。
また、幅広い団結を可能にするため、政党単位での参加はできません。
これまで３年にわたる討議の中で、議論の主題は「もう一つの世界は可能だ」
という言葉に収斂されてきました。
これまで、分断された個別のグループが抱える問題を一つの会場に集めること
によって見渡せるようになり、その問題に共通の背景を見つけ、問題の解決の
ために協力していく方法を見つけ始めていることが、世界社会フォーラムの最
大の成果だと言えるでしょう。
第４回世界社会フォーラムは、インド・ムンバイ(旧ボンベイ)にて、１月１６〜
２１日の日程で、以下のテーマで開催される予定です。
・軍国主義 戦争と平和
・メディア 情報 知識および文化
・民主主義 エコロジカルであること 経済安全保障
・持続可能で民主主義的開発
・生産および社会的再生における労働と仕事の世界
・社会的セクター−食物・健康・教育−そして社会保障
・排斥 差別 尊厳 権利と平等
・カースト制度 民族他 出自と仕事にもとづく排斥
・宗教 文化 アイディンディティ
・家父長制 ジェンダー およびセクシュアリティ
プログラムの焦点
・帝国主義者のグローバル化
・家父長制
・軍国主義と平和
・宗教的セクト主義と原理主義 コミュナリズム
・カースト主義と民族差別主義
・ ＷＳＦ２００４ カンファレンス／論争・パネル主催者の情報
(２００３年１２月２９日現在)
()なし＝ＷＳＦ組織委員会主催
１月１７日
・カンファレンス
０９：００〜１２：００ 土地、水、食糧主権
１４：００〜１７：００ 女性とグローバリゼーション
（女性運動コーカス）
１８：３０〜 軍事主義、戦争と平和
・論争 パネル
０９：００〜１２：００ グローバリゼーション、世界的統治と国連
NAFTA・FTAAに反対する草の根組織
（Grassroots Global Justice）
民衆の世界水フォーラム
（債務と開発に関するアジア太平洋運動）
１４：００〜１７：００ 共通の敵との戦い
（ダリット人権全国キャンペーン）
社会主義の今日：挑戦
（社会科学研究者）
セクシャリティ問題に関する
多様な運動体間の対話（SANGAMA）
動員への連帯
（国際運輸労働者連合）
１月１８日
・カンファレンス
０９：００〜１２：００ グローバリゼーション、経済的社会的安全保障
１４：００〜１７：００ 産業配置をもたらす開発：展望と戦略
（民衆運動全国連盟）
１８：３０〜 女性に対する戦争、戦争に反対する女性
・論争 パネル
０９：００〜１２：００ 政党と社会運動体
世紀的開発目標と子どもたちに適する世界のため
の財源挑戦
（子どもたちのためのグローバル運動）
グローバル化する世界での子どもたちの権利
（子どもの権利に関する作業部会）
世界規模の変革への多様なオールタナティブ
（ラテン・アメリカ情報委員会）
ガンジーとの約束：オルタナティブな世界の展望
（アジア民主化日本基金）
１４：００〜１７：００ 犯罪としての戦争反対女性世界法廷
（アジア女性人権評議会）
融資、犯罪、新帝国主義
（国際経済開発協会）
善意ではない企業責任への戦略
（アムネスティ・インターナショナル）
汚染された共同体からの証言
（ボパールでの正義を求める国際キャンペーン）
USなしにはUSに関われない
（エドモンド研究所）
１月１９日
・カンファレンス
０９：００〜１２：００ メディア、文化、知識
１４：００〜１７：００ 世界尊厳フォーラム
（ダリット団体全国連合）
１８：３０〜 排除と抑圧、人種主義とカースト主義
・論争 パネル
０９：００〜１２：００ グローバリゼーションとそのオルタナティブ
観光に関する大陸間対話
（EQUATIONS）
先住民の存続
（地球の友）
種族民・先住民：組織的暴力の犠牲者
（南アジア民衆のイニシアチブ）
民衆運動−先住・種族民からの声
（インド社会研究所）
１４：００〜１７：００ 債務、自由貿易、ミリタリズム：アメリカ州での
帝国主義的戦略と抵抗
（キューバ封鎖反対大陸間社会同盟）
政治組織：ラディカル民主主義を強化する新しい
解放闘争
（マルコスとフェミニスト接合）
開発のための世紀の目標：国際的コミュニュケー
ションが直面する責務
人権のグローバル化
（人権コーカス）
１月２０日
・カンファレンス
０９：００〜１２：００ 労働と仕事の世界
１４：００〜１７：００ USのイラク占領とパレステナ・アフガニスタン
の問題
（核廃絶と平和のための同盟）
１８：３０〜 宗教的、民族的、言語的排除と抑圧
・論争 パネル
０９：００〜１２：００ ＷＳＦの将来
国際貿易キャンペーンのための次はどこ？
（Christian Aid）
運動体の間の対話
（Akshara）
食糧主権、暮らし、人権
（貧困根絶南アジア同盟）
食糧への権利と農産品貿易
（事業センター）
公共財の民主的規制
（社会活動のための教会援助）
１４：００〜１７：００ 女性・子どもの搾取的移住、特に人身売買を通
じての移動との闘い
（IMADR）
ＨＩＶ/AIDSと人権
（ケニアNGO全国評議会）
連帯経済
単独行動主義との闘いと国連改革
（ブラジルIBASE）
メーリングリストのご案内
ＷＳＦ２００４の個人参加申し込みはすでに締め切ってしまいましたが、ＷＳ
Ｆ連絡会では、情報交換のためにメーリングリストを用意しています。どなた
でも参加でき、また情報は原則として公開です。
ＷＳＦ関連の英文を翻訳していくプロジェクトも走っていますので、みなさま
のご参加、ご協力をお待ちしています。
ＭＬ参加を希望される方は、題名を「ＭＬ参加希望」とし、
・氏名(ハンドルネーム不可)
・所属団体(学生は学校名でも可 個人参加の場合は無記入でもＯＫ)
・メールアドレス
・このイベントをどこで知ったか
を記入の上
wsfj@talktank.net
まで送付してください。
実際にインドに行かなくても、平和・環境・貧困問題・マスコミ問題など、何
かしらの社会問題について関心がある方の参加を歓迎します。
この機会に是非登録してみてはいかがでしょうか。
・世界社会フォーラム記録集 『もうひとつの世界は可能だ』 翻訳出版
『もうひとつの世界は可能だ―
世界社会フォーラムとグローバル化への民衆のオルタナティブ』
ウィリアム・Ｆ．フィッシャー
トーマス・ポニア編著
監修 加藤哲郎
監訳 大屋定晴／山口響／白井聡／木下ちがや
一橋大学大学院生グループ
ISBN4-8188-1566-7
日本経済評論社
もはや世界はひとつではない
《多様な運動体によるひとつの運動》
《多様なネットワークによるひとつのネットワーク》
国際投機、福祉・環境、反戦、差別、暴力などさまざまな問題に世界の民衆が
立ち上がった。
序文●ネグリ＝ハート
第２回欧州社会フォーラム参加記付(大屋定晴 木下ちがや)
詳細はこちらをクリック→http://www.ff.iij4u.or.jp/~katote/another.html