Subject: [reg-easttimor 78] 東ティモール市民平和救援プロジェクト
From: Pacific Asia Resource Center <inobuko@jca.apc.org>
Date: Thu, 16 Dec 1999 22:31:52 +0900
Seq: 78

●●●●●●東ティモール市民平和救援プロジェクトニュース99.12.16●●●●
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***世銀・国連による東ティモール支援国会合にむけて*********
****東ティモールのNGO・国際NGOが声明を出しました!*****

 明日,17日、東ティモールに関する世銀・国連の支援国会合、東京会議にむけ
て、本日、12月16日,東ティモールと、インターナショナルNGOによる、N
GOの事前会議を開きました。

 東ティモールのNGO(NGOフォーラム)から、ジョアキン(Joaquim 
Fonseca、人権NGOのYayasan Haku)、アレクシオ (Aleixo da Cruz、 24の東
ティモールのNGOからなる「東ティモールNGOフォーラム」代表)、アント
ニオ( Antonio da Conceicao、ティモール・エイド)が、インターナショナルN
GOとしてOXFAMのイネス・スミス(Ines Smyth)、ティモール・エイドの
ホワン(JUAN・FEDERER)、ACFOA(Australian Council for Overseas Aid)
のジャネット・ハント(Janet Hunt)が参加し、東ティモールで活動する日本のN
GOとともに、支援国会合に向けたNGOの声明を作成しました。

 昨日15日の集会には、CNRT(東ティモール民族抵抗評議会)から来日し
ているメンバーのうち7人もが来てくれました! 経済担当のフェルナンダ ボルゲス
(Fernanda Borges)さんはじめ、農業,教育などの各部門の政策担当が、熱く未
来を語ってくれました。ティモールのコーヒーがどんなにすばらしいか、思いっ
きり説得されたのをはじめ、農業を基盤にした国づくりの構想や、たたかいの歴
史と政治状況など、会場からの多くの質問に、キャラクターもさまざまに、入れ
替わり立ち代り,明るく,自信に満ちた語り口で、東ティモールの専門家たちが答
えてくれました。東ティモールの人びとがインドネシア占領下で奪われてきたも
のとして、自分たち自身の文化や教育の発展、適正な技術の獲得、など、独立後
の国造りに必要なものについて、会場とも活発な議論を交わしました。こと物質
的な条件は厳しく、多くの「難民」の帰還がいまだ実現されない状況の中にあり
ながら、しかし再建への希望が実感できる集会でした。

 15日の集会,そして16日のNGO会議を通して議論されたことのなかには、
暫定統治のプランには、「東ティモール人の参加」がうたわれているが、ほんと
うの「参加」とは,情報や計画が外部にあるのでは果たせず,情報伝達の言語の問
題(英語だけでは外国人のための情報でしかない)を解決する必要があるし,車や
電話など、コミュニケーションの手段が必要であることが指摘されました。
 さらに占領者の暴力により分断された歴史をもつという現実にあって、「人
権」が実現する社会にするためには、暴力の罪を社会全体が自覚しないことには
それを許すことができないし、暴力それ自体をほんとうに否定しうる社会的を建
設することはできない、という原理で,人びとの和解を実現していこうとしている
ことも話されました。
 またJVCの清水俊弘さんが、コメンテータとしてUNTAC下のカンボジア
の経験を話してくださいましたが、会場の参加者のみならず、CNRTメンバー
にとって大変示唆にとむ話だったようです。

 16日のNGO会議にもCNRTが2名参加し,NGOとともに、東ティモール
のビジョンとNGOの役割,国際社会の支援として何が必要か、現状の問題として
何があるか,などを議論・共有しました。 一連の議論をまとめたものが、以下、
お送りする声明です。 明日の会議では,東ティモールのNGO、インタナショナ
ルNGO、それぞれが、意見をのべる予定です。インタナショナルNGOとして
はまた、日本の東ティモールに関わって活動するNGOの代表として、松野明久
さんが参加します。

 声明は、以下に要約をお送りします。英文前文について必要な方はおっしゃっ
てください。お送りします。

 またこの声明は、まとめる過程で,各国のNGOにも草案をまわし,東ティモー
ルを支える国際的なNGOのコンセンサスとしてまとめあげようとしてきました。
世界各地の様々なNGOから、声を合わせたいというお返事をいただきました。
そのリストもともに、添付しておきます。

 しばらく、こうしたわけで多忙を極めてしまい、ニュースが遅くなってしまい、
ほんとうにごめんなさい。現地では,鈴木隆史さんが村むらでのクリスマスイベン
トを準備しています。この間の東ティモールNGOの来日の準備や、UNコンパ
ウンド内でのコンセンサスづくりに奔走してくれました。
 またシンガポールの森本真理さんからは、ミシンなどを学校が集めてくれて、
生地も一緒にコンテナ2本分をおくるという手はずです。コンテナ1本文の送料
を東ティモール市民平和救援プロジェクトの募金の中から負担します。鈴木さん
が、独立後の初めてのクリスマスのサンタクロースになって、村村に配達してく
れる予定です。PPRPの車3台ももうじき到着するはずです。これらにつては
詳しくまた、報告しますね。

        東ティモール市民平和救援プロジェクト 事務局 石田伸子
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東ティモールNGOならびに国際NGOの共同声明 (要約)
1999.12.16 東京

 東ティモールと国際NGOは、12/17の世銀の支援国会合が、東ティモールの独立への移行が
成功裡に導かれることを国際社会が支援するメカニズムを確立する上で,決定的に
重要であると考える。 独立は精神的,社会的インフラストラクチャーを建設する
ことと、人びとの和解を含まねばならない。難民たちの安全な帰還は独立の前提
条件である。 東ティモールのNGOは、国際的なパートナーの援助を得て、ロー
カルなレベルでのプログラムの実施、地域社会ならびに個人の技術向上,ティモー
ルの制度の再確立、マクロなレベルの政策のモニター、といった公約がコミュニ
ティレベルで効率的に実施されることを保証する、という点で決定的に重要な役
割を果たしている。

NGOは特に次の点に危惧を抱いている。

● 東ティモール人を周縁に追いやるような二重経済が現れ始めている。
● 現在の開発計画の提案は、都市に重点が置かれているように思われる。農村開発
と農業にもっと重点を置くべきである。
● UNTAETの行政予算と開発復興予算の間に非常なギャップがある。

NGOは次の点を強調したい。

1、 東ティモール人の参加:援助の構成ならびに性格。開発計画ならびに実施に関す
る全ての決定に東ティモール人の参加を保障するメカニズムが作られなければな
らない。教育機関,地域社会,メディアをもちいて、コミュニティ,地域社会への情
報の伝達のための有効な手段をつくりだすことを優先しなければならない。
2、緊急援助から再建に向けて、特に食料安全保障と言う点で、従属が長引かないよう
に自立を実現する再建活動の
ための資金を提供しなければならない。
3、 債務のない東ティモール:援助は借款ではなくグラントとするべきである。
4、 将来の建設:援助の額は十分でなければならない.開発援助は一貫したモデルと戦
略的なビジョンに基づいて行なわれ、適切な調整が行なわれなければならない。
4-1人権と和解:支援国は政府,市民社会,とくにコミュニティレベルで、正義、平和建設
、和解のイニシアティブを優先しなければならない。持続する平和無しに持続可能な開発もありえない.
4-2 市民社会の強化:国際社会は現地NGOと地域社会が自らの力をつけ,国内の人材を
育成することを助けなければならない。
4-3 女性の視座とニーズ:支援国・機関は女性団体ならびに女性の指導者を全てのセクタ
ーにおいて積極的に援助しなければならない。子どもの人権に緊急の配慮が必要である。
4-4 環境:支援国は自然資源の保全と保護のためのメカニズムを含むプログラムを支援し、
環境と健康のための戦略を含まなければならない。
4-5 援助の社会的インパクト:援助機関の間の調整と、社会集団の内部,および社会集団間
の協力によく配慮し,支えなければならない。
5 結語:国際社会は、東ティモールが現在の人道的危機を脱し再建への円滑な移行への基礎
を築く義務を負っている。再建と開発のコストを適切な時期に,勝つ十分に似合うこともその義
務の一部である。国際社会にとって、東京会議は、数年間に渡る、無視と約束違反を正し、新
しい正当な東ティモール国家の安定と発展に投資する機会である。


East Timor NGO Forum
1. Yayasan Hak 
2. Yayasan Etadep 
3. Caritas East Timor 
4. Yayasan Bia Hula 
5. CDHTL(Comicao Dos Direitos Humanos De Timor Leste) 
6. Yayasan Halarae 
7. Timor Aid  
8. ETWAVE
9. Fokupers 
10. 	FAT(Fundasaun Amizade de Timor)
11.	FORTI(Fundasaun Obras ba Rai Timor Independente) 
12. 	Hurati Bareti(Husi Rai Timor Ba Reino Timor) 
13.	Posko Emergency Aid 
14.	NLF(Naroman Loro Sae) 
15.	USC Dili
16.	Yayasan Hanai Malu
17.	Yayasan Sosial Naroman(Yasona) 
18.	Don Boaventura
19.	Satilos 
20. 	Yatina(Yayasan Timor Nabilan)
21. Haburas
22. Fordem(Forum Demokrasi Maubere) 
23. Yayasan Dom Carlos 
24. Fatu Sinai 

AFAP(Australian Foundation for the Peoples of Asia And the Pacific) 
Anglicare
Asia-Pacific Coalition for East Timor (APCET)
Australian Council for Overseas Aid
ETAN (East Tiomr Action Network/USA)
Free East Timor Japan Coalition
IFET(International Federation for East Timor)
International Resucue Committee
International Council of voluntary Agencies
JVC (Japan International Volunteer Center)
VVV Oost-Timor 
Oxfam International
PARC (Pacific Asia Resource Center) 
Peace Winds Japan
PPRP (East Tiomr People's Peace Relief Project Japan)
SHARE (Services for the health in Asian and African Regions)
Swedish East Timor Commitee
TAPOL (Indonesia Human Rights Campaign/UK) 
World Vision 

--------------------------
東ティモール市民平和救援プロジェクト<parc@jca.apc.org> 101-0052 千代田区神田小川町2-1 檜ビル3F
アジア太平洋資料センター(PARC=パルク)内
tel 03-3291-5901 fax 03-3292-2437
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East Timor People's Peace Relief Project<parc@jca.apc.org>
 Pacific Asia Resource Center(PARC)
Hinoki Bldg. 3F, 2-1 Kanda-Ogawamachi Chiyodaku Tokyo 101-0052 Japan
tel: +81-3-3291-5901 fax: +81-3-3292-2437
<http://www.jca.apc.org/parc/timor/>


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