禊ぎ。僕も一昨年の夏に湯殿山で体験した。鎌田東二先生と一緒に湯殿山から流れる梵字川の支流に対峙した。湯殿山は夏でも雪があり、その川は雪解け水そのものだった。凍える水は冷たく息がつまりそうになったのを覚えている。無心で川の流れの中で祈る。自然の征服ではない。冒すでもない。バランス。そして意識が深く流れる体験。
●いい写真が撮れなかったがこの川にはいる前に儀式がある。鳥船神事というのだそうだが、これがまさに気を引き締める。弱々しい人の体と心がその祝詞と仕草によって、剛健に変わっていく感じがする。
「気」次第で精神も肉体も変化する。そして自然と対峙するとき、何か、新しいエネルギーが生まれるような気がするのだ。
自然と脈々とつながってきたこの文化。
これこそ、わが東北、庄内の宝だ。写真 文 Stern草島
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