2000年3月議会、12年度予算案についての反対討論!

12年度一般会計予算では、自然保護政策について、又、特別会計予算については、広域水道事業をうのみにしている水道事業会計予算について、ビシッっと反対討論をいたしました。「本当に今、なんとかしなくては!  このままだと、未来の鶴岡にいきる人がかわいそうだ!」


平成12年度、議第12号、鶴岡市一般会計予算、並びに、議第24号、鶴岡市水道事業会計予算について、

反対の立場で討論いたします。

1点. 一般会計予算の中では、自然保護政策について反対します。他の事項についてはおおむね賛成といたします。

関係各部の中では、緑のマスタープランなどにそって、自然保護の施策らしきものが、見えますが、具体的な自然保護については、何の政策も積極的に展開しようという意志が感じられない、というしかないと思うのは私だけでしょうか。

産業文教委員会などの質疑を通して、又、全体の予算を通して、この鶴岡市の政策の中で、自然保護という観点の指針、具体的な政策が非常に弱いということを実感いたしました。
これについては、総括質疑でも訪ねたわけですが、市長は、「十分に対処しているような答弁をされたと思います。

昨年、私が一度、昨年9月議会の一般質問で自然保護の指摘いたしましたが、そのときは、関係課で事案により、協議してやっていく。という事を述べられていたかと思います。

そこで、今回、西茨湿原の担当課であった教育委員会に、そうした自然の保護の指針として、どのようなお考えをもっているのか、見解を訪ねました。

そうすると、「文化財保護」の担当として位置づけられているので、自然保護のビオトープなどについての考え方を提示する立場ではないといわれました。
また、原則的に自然環境の保護についての担当というのは、市の行政組織の中では、現時点ではないとお答えになり、観光物産課が窓口といわれました。観光物産課は、確かに県立自然公園の地区については、開発の際、県に届けるなどの窓口の機関をおこなっているとのことでした。

つまり、現時点では、天然記念物などの文化財に指定されたもの。かあるいは、県立公園に位置されるものでないと市ではあつかわないのか、ということになります。
また、関係課で協議して進めるということは、係わる担当課が、自然保護の指針なり、思想なりをしっかりと把握していなければ、つまり、そこに共有化された自然保護の軸がなければ、そうした政策は生まれてこないのではないでしょうか。

鶴岡市の行政の中では、本来のありのままの生態系を維持し、要は持続可能なコミュニティーづくりのための、生物多様性、循環型社会づくりのための方策という意味での自然のビオトープの価値基準なり、保全の指針なりが、欠けているのではないかと思わざるを得ませんでした。

特に今、学校教育や、社会教育の上でも環境教育が非常に重要と言われているところで、教育委員会に「ビオトープのような、あるがままの生物多様性の自然を守るという」自然保護への指針がないと言うことは、非常に大きな問題であると思います。危機感をもって早急に改善してほしいと思います。

又、今、大山の都沢地区に、自然博物園の構想があるわけです。
このビジョンは、豊かな自然の残る大山地区に、第3次総合計画で示されている、「自然との共生」を啓蒙する場をつくる。ということなのではないですか。
しかしながら、たまたま現地説明会にでましたら、この博物園の予定地を管理するために、計画の具体的なプランが整うまで、暫定的に全体的に盛土するというプランが提示されていました。
自然保護の関係者は、今、湿地とか、湿原とか、従来の休耕田のようなところにビオトープとして貴重な生物が集まって生息している。そうした、本来のその地域の自然の良さを生かしてつくるはずの自然博物園を、管理のために盛り土するということは、全くナンセンスだ。という声がとびかっていました。
この中で、市当局の態度は、ビオトープを大事にするとか、第3次総合計画の指針は示されず、あくまで暫定的に管理する上で、との事でした。

こうしたことでは、第3次総合計画でいっている、自然との共生の政策は、12年度予算の中で、全く大事にされていないと思えるのであります。ビオトープをたまたま大学院の池のところにつくる。などといっても、総括質疑で指摘したように、今非常に整合性にかけている。要は、根本の思想がいきわたっていない、ちぐはぐな状況と感じました。

自然のありのままのビオトープを保護していこうという環境庁の指針、又、県の環境保護条例などの指針を踏まえ、、市独自の政策を積極的に進める、また、そうした窓口がなければ、「鶴岡市を自然と人間の共生についてのモデル都市として位置づけられるよう努めるべき」とうたっている第3次総合計画を積極的に進めるということなされないのではないでしょうか。

鶴岡市の自然資源は、貴重なものがあると思いますが、これを未来にしっかり伝えていく、そうした、公益的なビオトープの保全や再生の政策を始める時期なのではないかと思います。このままでは自然の資源をどんどん失っていくことになると考えます。

時代は地方分権の時代です。市の魅力を高めるためにも、自然保護政策について、窓口を決め、積極的に取り組むべきと考えます。早急に行政の担当者を決めるなど、しっかりと軸をもって積極的に取り組んでいただきたいと思います。

また、第2点目、特別会計予算の水道事業会計、この水道政策についてです。

市が水道事業として来年13年度から移行することになっている庄内南部広域水道計画は、水需要の停滞や低下傾向、また、人口の減少がさけばれる中、当初計画の契約水量7万2千602トンが、そのまま変更されず、計画が進められています。その前提にたって、12年度水道予算も組立られており、これは絶対に賛成できません。

具体的にいえば、
この庄内南部広域水道計画。月山ダムからの受水がおこなわれる来年、鶴岡市民の何名がほんとうに本心から万歳をすることでしょうか。
鶴岡市民は、現在ペットボトルで売られている安全でおいしい、最高の水質の水を使っておきながら、料金の高い、健康上でも比較すればリスクの高くなると懸念される、今までの水とは全然違う、質のおちる水をのまなくてはいけない。

この計画は、まさに、水源開発が自己目的化し、受益者である市民に「清浄、豊富、ていれん」な水道水を送りだすといいう基本が全くおろそかになっています。

国民の税金を使い、住民によりよいサービスをするはずの行政が、この広域水道事業では、逆に未来永劫にわたって、多大な損失を住民に与えることになる。
受益者の多くが、水政策の失敗の犠牲になる。

この事業は市民の多くはきづいています。そして、国民のほとんどが、長良川河口堰や、吉野川の住民投票などを通じて、気づいていることですが、すでに、大いなる政治政策上の誤り、失政だと思います。

国が過大な水需要予測をたてて、地方自治体にはたらきかけ、自己水源では足りないという理由をつくり、ダムをつくったけれども、結局は、現状自己水源で十分にまかなえるわけです。明らかに、国の水需要予測の誤りです。
これは全国でまかりとおっている巨大公共事業でおこっていることです。

まさに今となっては、月山ダムをともなった庄内南部広域水道事業は、全国で問題視されている巨大なダム、水源開発という、不の財産をつくってしまった責任を、鶴岡市民の水道料金でつじつま合わせしようとしているしか思えないのであります。

市長並びに当局は、ことあるがごとに、これまでの長い間の民主的手続きを踏んで積み重ねてきたことに対する配慮うんぬんといわれているが、これは、民主的な手続きとは、いいがたい。なぜならば、当初最大8万2千トンという水需要の予測に対して、3万トンもの非常に大きなズレが生じているのに、水道受益者である市民に十分な説明もなく、また、施設費用が、当初計画の2倍にも膨れ上がっているのにそれも説明も満足にありませんでした。

行政間のやりとりが優先されて、住民には、都合の悪いことは知らせない。既成事実として、増大した水道施設費用は、できるだけ住民にショックを与えないように、段階的に前倒し値上げをして、住民の感覚をごまかす。こんなことがまかりとおっていて、これが、どう民主的なのか、私は多いに疑問です。
行政の受益者への説明責任、アカウンタビリティが全くなされないで、どこが民主的な手続きなのでしょうか。

一般質問で述べましたが、今まで、市民にむけ「地下水が足りない」「不足している」地下水がピンチと広報していたことについて、そうした事の根拠となる自然水位を「観測井」で正確に計測していなかったと、はっきりした根拠がなかったことがわかりました。また、質疑の後で、井戸のメンテナンスの状況について資料を提出していただきましたが、地下水取水量の減少には、十分にストレーナのめずまりも考えられ、地下水位の低下の直接的な原因とは考えにくいと専門の先生方も言われています。

正確な観測もせずに、また、保全策なども十分にとられずに地下水を使用してきた事実。いずれにしても、現状の鶴岡の飲み水を支えている地下水管理の仕方が、あまりにもオソマツとしかいえません。

また、水道部では、要望として、1万トンの地下水を残すと主張しているわけですが、資料をたどっていくと60年度の下方修正をおこなったときにすでに計画水量から、1万トンの自己水源の地下水利用ははずれている。それなのに、再三にわたり、「1万トンを使用する方向」などと広報しまた、議会でも答弁している。

複雑な広域水道の料金体系をいいことに、広報でのごまかし、がまかりとおっているのではありませんか。

また、なんといっても、全国の人口が減少傾向にあるとされている今、7万2千602トンもの水需要を満たす時はいったいくるとお思いになっているのしょうか。
この開き、2万トンというのは、今現在私たちが使っている平均の水使用量4万2千トンの半分にあたいする量なのです。

○さらに、この水需要のズレにともなう、不当な住民の水道料金による負担や計画当時と、現状の「水道」事情の変化などについて、市民にむけての公聴会や、議会での協議が必要なのではないかと質疑の中のべました。しかしながら、そうした事もお考えにならないとのこと。

この問題、2月の県議会でも問題になって、議論が展開されているのに、住民に最もちかい立場である市では議論、協議する気もない。当局、当議会での問題意識のなさは、非常に問題があると思います。

行政間のやりとりも大事ですが、なにより、この景気低迷、今年から介護保険もはじまり住民の負担が増えている時期の公共料金の事です。

住民主体、民主的立場にたてば、
21世紀の鶴岡を生きる市民にとって、多大なツケを回すことが予測されるこの事業において、もっと慎重に議論し、水需要予測を大きく見誤った国なり県へ、その責任を追求する。又、意見の申したてをおこなうなど、の方策があってしかるべきと考えます。

富山県では、富山市を含む周辺市町村などの揚水供給事業として熊野川ダムを建設したにもかかわらず、地下水源などの自己水源が豊富なため、ダムからの受水を当面延期しているという実例があるのです。l

国が、人口減少傾向を打ち出している今、このままこの事業を容認するのは、非常に危険なことだと私は考えます。
時に、富山市のようなそうした判断をすることが、私たちには求められるのではないでしょうか。

しかしながら、これだけ問題をかかえているにもかかわらず、当局の姿勢は、12年度予算において、この事業について容認し、あくまで今までの行政間のやりとりを重視するといったあり方です。これは21世紀に生きる、鶴岡市民の立場にたって、責任ある態度としては思えまません。これは絶対許せません。;

以上、この12年度、水道事業会計について反対いたします。