「よらしむべし、知らしむべからず」の政治姿勢は明治時代の話だ!」 と、平成14年度一般会計予算に対して反対討論! |
以下、反対討論の原文です。
私の「戒告処分」からはじまった、波乱万丈の3/26(火)鶴岡市議会定例会 終了!
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平成14年度、議第10号、鶴岡市一般会計予算、並びに、議第22号、鶴岡市水道
事業会計予算について、その他条例議案について
反対討論をおこないます。
今年は、年をあければアフガン復興支援会議でのNGO の排除問題に引き続き、政治と
官僚、業界の癒着構造や、一連のカネと政治の問題。
私は、今回の一連の事件による、市民の政治への不信。この政治への信頼回復こそ、
市民に最も近い政治の場であるこの市の14年度予算でもおこなわければいけない。
それには一体どうしたらいいか、ということを念頭に、今回の予算審議を行って参り
ました。
要は市民に信頼できうる市政をどのように成立させうるか。ということであります。
市長は、今回の市長説明の中で、この2月に提言がおこなわれた、第3次行財政改
革大綱と実施計画に基づき、事業の見直しなどを実施するとありました。その中で、
「単に財政事情の偏拍によって行うのではなく、真に住民参加のまちづくりを進める
意味合いも含めて、新時代における行政サービスのあり方をを見直すなどとありまし
た。
今、地方分権時代、そして、まさに右肩上がりの経済の終焉。人口減少時代という時
代を迎え、地方自治体では、新しい経営手法として、行政評価システムを取り入れ、
都市経営の根本を成果志向に変え、「市民の満足度をいかにあげることができるか」
を職員の考え方の根本に据えて、公正で透明な行政運営をする。そうした自治体の動
きが注目されています。
中には、「市役所はサービス産業である」という認識をもって、明確な経営方針をう
ちだし、ますは、市民の目線で考えることからだと、顧客としての市民に対し、市民
満足度評価を実施し施策に反映している、同規模の自治体もあります。
今回の14年度の予算審議を通じて感じることは、こうした、今、全国の自治体で論
じられている今日的な行政改革についての実際の意識付けや行動計画が伴っていない
のではないか、予算に反映されていないのではないかということであります。
■行政改革実施計画の一部に、「事務事業の評価」などがありますが、これこそ、今、
先進自治体で取り組まれている行政評価システムなのですが、当市ではまだまだ取り
組みが希薄であり、今年度予算にも明快に示されてはいません。
行政施策のサービスとその評価を明かにし、市民への説明責任を果たし、市民と行政
の情報の共有に努める。真に住民参加のまちづくりは、そこが出発点であると思いま
すがいかがでしょうか。
行政評価の導入、得に市民ニーズと役所の施策のマッチングをするには極めて重要
な「市民満足度調査」の実施を強く求めるものであります。
次に、自治体の透明性についてです。
●各種 審議会について、委員会で訪ねますと、大体50ある審議会の中で公募制は
ない。議事録の取り方も非常にまちまちである。と、一定の指針はないとの応えてあ
りました。「国の審議会は公開が原則になっているし、今、審議会の公開制度を全国
の自治体の4分の1以上の自治体がもっていることからすれば、当然検討すべき事で
ありますが、「情報公開請求があったときに、内容の精査をさせていただいてから判
断をする」などという回答でしたが、こうしたことは、全国の自治体で審議会や委員
会の会議公開制度などをおこなっている方向性からすれば、いかにこの市が不透明性
が高いかを表しています。
私がなぜこうした事をいうかというと、2001年3月に発行された日本経済新聞社
編の全国住民サービス番付において、わが鶴岡市の評価として、「透明性」の指標が、
山形県内でも最低ランクの評価になっているからであります。
こうしたことは、市民の方からも、「市民の知らないところで物事がきまってしまっ
ているようなかんじがします。市の広報にもっと市政の現状を決定後のことでなく、
その前に知らせて欲しい」といった声がよせられています。
まず、いつどんな審議会や懇談会、委員会があるか、わかりずらい。これは議員であっ
てもむずかしいといった現状ですが、これではお話にならないのではないでしょうか。
今回、予算審議がおこなわれた芸術展示場構想について、今までの審議会、委員会の
議事録を求めますと、すると、A4のメモ1枚のみしか頂くことはできなかった。これ
では議論の経過、プロセスを感じ取ることはできないのであります。
また、当市のインターネットのホームページがデザイン的には全国的な評価を受けて
いるようで、これは素晴らしい、喜ばしいことであるとは思いますが、今、ネット上
で議会本会議はもちろん、委員会の会議録、各種審議会の予定や議事録、また審議会
などで話しあわれている施策についてもパブリックコメントの募集と公開がおこなわ
れ、極めてオープンでわかりやすい市民と行政との議論が展開されいてる自治体が増
えてきている中では、当市の透明性を高めるためのネットの活用は、まだまだとおも
わざるをえません。
また、環境政策として、重要な環境審議会。これに市内にいらっしゃる、環境省で認
定された環境カウンセラーの市民部門の方がぬけているので、いれてはいかがかと、
今まで強く要望したにもかかわらず、まだはいっていません。環境カウンセラーの市
民部門の方は、鶴岡市内でただ一人、県の審議会などでも経歴をお積みになっている
方です。スキルをもって、議論出来る方がなぜはいっていないのか。委員会で担当課
長がいいわけをしておりましたが、理由がまったくよくわかりません。まるでアフガ
ン復興会議のNGOの排除と同様の事がおこなわれているのではありませんか。
また、14年度、極めて重要と思われる第3時総合計画の進行管理事業について、新
しい施策の審議を審議会にはかるそうでありますが、こうした大切な事業こそ、公募、
公開型、傍聴者が来やすい時間の設定、パブリックコメントの実施、又、議事録のイ
ンターネット上での公開するなど審議会の設定を強く要望します。
次に、入札制度についてであります。
公共事業の建設の発注については、政官業の癒着による疑惑が問題かしている中、
入札についての改善は、緊急的な課題であるが、予算審議の中では、その改善策のよ
うなものが明確かされておりませんでした。
ある自治体では、「正式な競争がおこなわれるよう」多様な入札を実施し、談合を
予防しているし、「住民の声に応えるにはどうすればいいか」を考慮し、市民を中心
に十分に構想を練り、それを基に設計コンペや、プロポーザル方式での選考をおこなって、成功例をつくりあげている。こうした努力が必要なのではないですか。学校建設、芸術展示場構想など、あらゆるこれからの事業についても言えることですが、事業に関心が有る市民の方へ可能な限りオープンな議論をおこない、市民にとって少しでも多くの心が通うハコを作ることを強く求めるものであります。
自然博物園構想については、天然記念物 オオヒシクイをはじめ、マガモの飛来数日
本一などと野鳥の飛来数が豊富で、重要湿地500に選択された湿地の価値について
は一定のご理解が得られているようだが、ラムサール条約については担当者の勝手な
思いこみがあるように感じられました。また、先日おこなわれて高舘山フォーラムで
は鶴岡市内外から、150人ほど関心が有る方々が集まったにもかかわらず、現在、
そして今後も、「地元」というワクをつくって、あたかも町内会の「公園づくり」の
ようなコーディネートのやり方はいかがか、甚だ疑問に思う。
住民に「フェアじゃない」といわれるようなコーディネートを抜本的に見直し、グラ
ンドワーク手法や、長期的、国際的な視点で住民参加、公開型の議論をし尽くすこと
を強く要望します。
先端生命科学研究所支援事業についての4億円の内、研究者の賃金の一部にあてられ
る研究教育基金出資金、研究教育費補助金は、協定時での約束ということですが、こ
の不況化で、ある意味、聖域化していると思われます。これについては、「約束」と
して、全く調整することができないのが現状であるとうかがいましたが、市民は果た
して納得するだろうかと疑問をもたざるをえません。
課題は、これについての市民へのアカウンタビリティーをいかに確保するかにありま
す
未来のための先行投資とはいっても、今のままでは漠然としすぎてはいないでしょ
うか。費用の明細の公開、将来の見通しを含めた研究内容、進捗状況についてのより
わかりやすい説明、一部懸念されてもいるバイオハザード関連の情報の提供。また、
地元高校生を参加させてのバイオカレッジはいい方法とは思いますが、更に小中学校
教育や産業面との連携などをはかって、市民への情報提供を徹底することを強く求め
ます。
■致道大学やバイオ関連の各種講演会であるが、これは、総務部門だけでなく、社会
教育分野、各部門の講演会にもわたるが、興味はあっても時間が合わずに行けない人
にとって、サービスが提供できるよう、ビデオ撮影をおこない、ビデオ、DVDライブ
ラリーの設置を以前より社会教育の場、また総務の場で求めてまいりましたが、また
も予算で反映されておりませんでした。
これは、カネのない市民活動やNGOが、講師をやっと呼ぶ、そしてできるだけその
優秀な講師の思考に多くの市民にふれさせたい。市民の発想としては当然のことであ
ります。ブロードバンド、マルチメディア、ITの有効活用。そして社会教育部門とし
て有効ですし、なかなか市民の足が向かないような致道ライブラリーを活性化するに
も良策ではないかと考えます。
こうしたことは小さいことではありますが、市民の目線で、行政を考えたとき、とり
くむべきではないでしょうか。
図書館の夜間開館などを含め、柔軟な思考をもって、文教都市としての新しい市民サービスの検討を強く求めるものであります。
■次に水道事業についてですが。
今年の冬は、ダム水が9割となった広域水道の水が異常に冷たいと言う声を数多く聞
いた。水温が2度とか3度になり、手も洗えないような冷たさになるなどということ
は、水道部からは事前にはほとんど説明がありませんでした。
この低温により、湯沸かし器のガス代や電気代がかさんでいるという苦情が私のと
ころには約80件ほど寄せられている。
又、じっさいに水道部にも「水温が低い、ガス代が以前よりも高くなった。地下水に
もどしてもらいたい。」というような声が10件ほど寄せられています。
これは、水道の切り替えによって、新たなエネルギーを消費するようになった。市民
に新たな負担を強要することになった、このことは、地球温暖化防止を懸命にとりく
んでいる状況からもまた、社会福祉の面からも、極めて重大な事であります。また、
そのうちのほとんどが水質の悪化を訴えている。こうした声を何か、完全に無視をし
て、「安定供給」しているから我慢しろ、仕方ないというのはいかがなものでしょう
か。以前から、客観的な調査を求めたが、何軒ぐらいに影響があるかも把握をしない。
おこなう気もないなど、極めて不誠実な行政の態度を表しておられました。
今回の予算には、少なくてもそうした市民への影響調査費用の予算が必須と思ってい
たが、それは、全く反映されていない。
まったく、市民の目線からかけ離れた「冷たい」水道行政が実行されていると考える。
また、既存の井戸と地下水についてであるが、
産業では今後も使い続けるにもかかわらず昨年の断水事件の際にも指摘をし続けてい
る水収支の調査、把握が全くされていない。また、13年度研究するといっていた総
務での地下水についての調査研究もほとんどおこなわれなかった。また、地下水利用
対策協議会も実質上、の動き、対策が見られない。また、周辺環境の影響を受けやす
いダム水源の断水時や阪神淡路大震災以降、災害時の緊急水源として見直しがなされ
ていることが、1万トンのみ、使用することにはなっているものの、他市と比べれば
当市ではほとんど把握されず、災害対策としての井戸利用が明確に位置づけられてい
ない。環境基本計画などでも今、環境省で今、「地下水を中心とした健全な水循環の
構築」が水資源の議論の中で展開され、秦野市などでは明快な位置づけがされている
にもかかわらず、そうした取り組みが感じられない。まさに、当市の政策から排除さ
れている状況ではありませんか。
多額の投資をし、開発をした井戸について、埋め戻す予算が計上されていますが、地
下水源について、今、食品産業などへの貴重な資源として全国で活用されている事や、
調査、活用の必要性を思えば、借用地とはいえども有効活用を考えて当然である。農
地の事情も砂利採取を促進させる公共事業の状況も変化している事もあり、即刻埋め
戻すような今回の予算組には断固反対する。今後の地下水利用の方策を含め、市民の
ニーズを今一度確かめ、又、将来的なビジョンを踏まえ、施策に落とし込むことを強
く要望します。
以上、今回の予算の中では、今日的な自治体の時代の要請に応えたもの。
「行政改革」の断行は読みとれない。
鶴岡でも、都市計画などで、オープンなカタチでの住民参加型のワークショップなど
が行われ始めているが、先日も「歩いて暮らせるまちづくり」ワークショップはすご
く良かったし、成功事例があがっているのではないかと思う。
しかし、市政全体を見渡すと、まだまだごくごく一部でしかない。そしてなにかその
動きをスポイルするかのように、旧態然としたタテワリ主義、そして、あってはいけ
ない「排除の論理」が見え隠れします。
「よらしむべし、知らしむべからず」の政治姿勢は明治時代の話であり、
情報開示、市民との情報の共有は、21世紀の自治体、行政と市民の協働の時代、そ
して、市民の信頼回復には早急におこなわれるべきものと考えます。
まずは、市民の目線で、全体の行政運営をとらえなおし、市政の不透明性の解消と信
頼回復をされる施策の実施に期待をこめて、反対討論とします。