毎日新聞 山形、3月1日

鶴岡 「水道料高くなる」

市民団体 広域水道凍結求め請願

水道問題に取り組む鶴岡市の市民団体が29日、「月山ダムの高い水道水を使いたくない」と、広域水道の利用凍結を求める市民ら約1000人分の署名を集め、請願を県議会に提出した。請願は、「ウォーターワッチ・ネットワーク」(代表 草島進一 鶴岡市議)がとりまとめた。広域水道の利用開始時期を再検討するなど、水道行政の抜本的な見直しや、当初計画より関連事業費が大幅に増えた理由を住民らに説明することなどを求めている。同ネットワークの試算で、鶴岡市が広域水道を使った場合、家庭用水道料金は 2.5倍になるという。同市の上水道は、月山のブナ林が育んだ豊富な地下水が水源。経済成長と人口増加が続く20年前、市は将来の水需要が増えると予想。月山ダムを水源とする広域水道から、1日約7万2千トンの水道用水を買う計画をきめた。しかし、人口の安定や節水など、現在は地下水など約4万5千トン既存水源だけで足りている。

広域水道は2001年秋に供給が始まる予定。月山ダム建設費は、当初計画の約2.3倍、約1780億円まで膨れ上がった。用水の卸値はまだ決まっていないが、別の広域水道を利用している村山、置賜地域では、「日本一高い水道料金」の一因となった。

県は今年1月、用水の卸値を大幅に値下げする方針を明らかにしたばかり。

草島さんは、「広域水道と高い水道料金は、鶴岡市だけの問題ではない」と話している。同ネットワークは3月下旬、「水道がつぶれかかっている」(築地書館)などの著書がある水問題研究家、保屋野初子さんや、公共事業の見直し問題にくわしい大学教授などを招き、同市内でシンポジウムを予定している。(松田 健)


朝日新聞山形版 3月2日

県広域水道「事業計画見直しを」

内の市民団体 県議会に請願

料金高騰など懸念

庄内地区で水資源を守る活動をしている市民団体「ウォーターワッチ・ネットワーク」(代表・草島進一 鶴岡市議)は、このほど、現在の県広域水道計画の抜本的な見直しを求める請願を県議会(石垣潔議長)に提出した。開会中の県議会定例会で審議される。

請願書によると、県内の平均水道料金は十立法メートルあたり2081円あまりで、全国平均に比べて600円近く高く、全国最高。県は全域にわたって広域水道計画を進めているが、需要予測が過去の高度成長時代の数字を基準にしており、見積もりが過大なため、将来料金の高騰と水道行政の破たんを招くとしている。

さらに、庄内南部では現在、建設中の月山ダム(朝日村)を水源に広域水道計画が進んでいるが、鶴岡市や羽黒町ではすでに高品質の地下水が水道として普及している。このため、味の低下を招きかねない広域水道をあえて引く必要はないと訴えている。

鶴岡市議である草島代表は「いまの計画だと、県民は高い金を払ってまでまずい水を飲まされ続けることになる。月山ダムの建設費用も当初7百八十億円だったのに、千7百80億円にも膨らんだ。これが最終的に、全部水道料金に跳ね返ってくる」と話している。