例会前企画
ODAについて知ろう!!(初級〜中級)
2003.2.7 文責:高垣直尚

○ キーワーズ

ODA戦略会議
ODA大綱
ジャパンプラットフォーム
ODAの戦略的使用
第2次ODA改革懇談会
債務救済無償援助スキーム

○ 進め方

はじめに:どれだけODAを知っていますか?
      最近のトピックス+これに関する個人的な感想(1回生中心に)

ODAの基本
研究発表の資料を使う。
その他の資料(資料3、8、9)

ODA大綱(資料1)⇔ODA基本法が必要(資料11)

ODA改革懇談会中間報告(資料4)

9・11以降

アフガニスタン問題(資料2)

ODA大綱の見直し(資料5)⇔(資料10)

ODA改革懇談会最終報告(資料16)⇔(資料12)

債務救済無償援助スキームの廃止(資料13、14)⇔(資料15)

○ 争点:ODAの戦略的使用をどう捉えるか


○ これがまとめ
「宇宙船地球号」的考え
一国家の戦略としてODAを使うべきではない

○ 資料の簡単なまとめ

(資料1)ODA大綱の原則(外務省)→軍事的用途の禁止など

(資料1)読売新聞記事:日本のODAが取り残されているのは日本企業がインフラ整備以外の援助に対応しきれていないから

(資料1)時事通信記事:世銀の見解→ODAは日本の国益にかなうものなので、削減は止めた方がいい
  
(資料2)アフガニスタン周辺諸国支援(外務省)
外務省発行の文書には「アメリカに協力したパキスタンへの支援」という意味合いの言葉がよく出てくる。
このことから、パキスタンにアフガニスタン難民が入ってきて大変だからとか、パキスタンの貧困削減を推進しましょうという趣旨ではなく、「アメリカ支援の見返り」としてのODA利用である。


(資料3)日本の援助政策決定要因(PHP総研)→日本の援助政策は「賠償」で始まり「黒字減らし」を経る。湾岸戦争でODA大綱策定の必要性がでてくる。(読み応えあり)


(資料4)第2次ODA改革懇談会中間報告(外務大臣諮問機関)→9.11以前であることに注目。ODAは世界の安定のために使うべきである。途上国の貧困は先進国にとっても脅威となりえる。戦略化が必要である。ここでいう戦略化とは、日本の比較優位の分野を的確に見つけて、ピンポイントでの援助のことである。また、国別の援助計画を立案する必要もある。援助庁の新設と参加のODA総合戦略会議(仮称)設立が必要。


(資料5)ODA大綱の見直しについて(外務省)→9.11以降のODAのあり方を見直す。


(資料7)踊り場迎える我が国のODA政策(日本総研)→欧米はODA増加傾向。日本は不景気で減少傾向。ODA大綱に載せたグッドガバナンスを日本は実行していない。


(資料8)日本の途上国援助の目的(慶応学生)→貧困解決が地球規模での問題解決となる。相互経済発展可能。まとまっていて分かりやすい。


(資料9)援助形態決定のメカニズム(慶応学生)→貸付アンタイド方式か贈与タイド方式か、各国はどちらかを選択している。図表が見れなくなっているのが残念。面白い視点だと思う。


(資料10)ODA大綱の見直しを進める自民党(PARC)→ODA戦略化が批判されている。密室で決定されているからいけない。


(資料11)国際協力基本法第三試案(ODAネット)→ODA大綱を基本法にした感じ 


(資料12)第2次ODA改革懇談会最終報告について(村井吉敬)→「日本の閉塞感」を打破するためのODAとは、本末転倒。外務省の既得権益保持ではないか?国益主義を前面に押し出しており、ODA大綱より後退している。
「ODA戦略化」とはODAの軍事利用のことだ。


(資料13)債務救済無償援助スキーム廃止について(北沢洋子)→これは、ジュビリーの成果である。スキーム対象国は条件なしで債務帳消し。拡大HIPCsは課題をこなした後で債務帳消し。


(資料14)資料13の補足の表


(資料15)債務無償援助スキームについて(メコン・ウォッチ)→日本の対ビルマODAには50億円の使途不明金があり、これは、軍事政権の拡大につながる。関連して、鷲見一夫もスキーム廃止はビルマ負債の帳消しが目的といっている。


(資料16)第2次ODA改革懇談会最終報告(外務大臣諮問機関)→大学生と援助機関の単位認定制度、企業によってNGOを強化する、アフガンのときのようにODAに機動性を持たせる、債務削減制度の見直し、などなど。
意外だったのが、ODAの有事利用が大きく扱われていなかったこと。ODA改懇は9.11以前から行われているが、政府の意思を体現している感じである。