V インドの女性運動から学ぶもの


 これまで見てきたように、インドにおける女性運動はゆっくりとではあるが着実にその歩みを進めてきた。その道のりの途中には、失敗、妥協、など様々な困難があったが、それらを一つ一つ乗り越えていくことで、全体としてみれば大幅に地位を向上させてきた。ここにわれわれは女性たちのもつ力強さや社会を変革する力を見ることができる。
しかし、問題はまだ終わってはいない。新憲法の制定によって女性は(少なくとも名目上は)男性と同等の社会的・政治的権利を得たが、その精神が真の意味で実現される日はまだ先のことのようだ。それほどまでに、インドの女性差別はインド社会に深く根ざした問題であり、一朝一夕で解決できるような簡単な問題ではない。その解決のためには、女性たちはあきらめることなく地道にその活動を積み重ねていくしかないだろう。実際、現在のような形での女性運動はまだ歴史が浅く、今後さらに発展していく可能性を大いに秘めているのだから…。

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