京大ユニセフクラブ2000年度11月祭研究発表
「私たちのお金がこわす途上国の暮らし」

独裁政権にODAを与えると、どうなる? 


独裁政権の具体例として、インドネシアのスハルト政権を考えてみましょう。
98年のアジア通貨危機にあい、スハルト政権が崩壊したことを覚えている人も多いよね。
ODAと独裁政権の関係について知るためには、独裁政権の社会構造について知ってもらう必要があります。そこで、分かり易く絵で歴史を伝えることにしよう。


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う〜ん、スハルト政権で国民が弾圧されることは分かったけど、そうゆう国にODAを提供するとどうなるのかな??

インドネシアでは、外からくる投資はスハルト政権を支えてしまうという構造をもっている。それはインドネシアではスハルトやその側近の顔色を伺わないと事業ができないからだ。だから、外からくるODAも同様にしてスハルト政権を支えてしまう。つまり、日本のODAは、左の図の「外国資本」のような行動をとる。日本政府が自国の利益を考えることが悪いというわけではない。悪いのは、このような対応をすることによって、ODAの「援助」という名を語ってスハルト政権を支持することだと思う。

じゃあ、まとめるね。
何が問題なのかな?どこに問題があるのかな?

スハルトが自分の利益を追求して国民を弾圧したことが悪い?外国資本が自分の利益だけを追求し、日本政府が日本の利益だけを追求したことが悪い?それとも、世界の構造が弱者に対してやさしくないことが悪い?・・・・・・・・?
うん、どれもいけない点を含んでいると思う。でも、もっともっと身近に問題は潜んでいるんだ。

それは、ODAがインドネシアの国民を傷つけていて、そのODAが僕たちの、市民の税金を源としていること。つまり、僕たちが、その気になれば止めることができるにも関わらず、援助という名を疑わずに、インドネシアの人たちを傷つけ続けたことだと思う。 

税金を払うことで、自分の生活を削ってまで、インドネシアの人たちを苦しめることは価値のあることなのだろうか?

いいや、それは僕たちの望んだことじゃない!!

では最後に一般的な独裁政権について考えるね。

独裁政権について一般化はできないけど、独裁政権がこのような危険性を含んでいることは納得できる。上でみた様に、スハルト政権にODAを与えたことはその国民を傷つけることであった。スハルト政権に対してODAを与えることはよくなかった。僕たちが文句を言わなければ、「それはおかしい」と声をあげなければ、日本政府や外国資本は独裁政権を支えるほうに傾いてしまう。つまり、独裁政権に対して最低限いえることは、かなり注意して眺めていく必要があるということだ。

(京大工1 高垣 直尚)

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