1997年新歓合宿報告

新歓合宿担当 田岡 直博・篠原 温美


1.日時

 6月28日(土)14:00〜6月29日(日)12:00

2.場所

 千本閻魔堂

3.内容

6月28日
13:30 BOX集合 台風の中、出発
14:30 ほぼ、千本閻魔堂着
15:00 池住氏、来られる。
おもむろに、自己紹介と、この合宿に何を期待してきたのか、また、どの様なワークショップを行いたいかについて話し合う。意見としては、自己抑制・差別などが出る。
16:00 「先刻の話し合いの中で、自分を抑制していたことはなかったか」から、自己抑制について議論。
17:00 「差別」についてのワークショップ。まず、過去に自分が受けた差別を考え次に、3人程度のグループに分かれ、お互いの体験を共有。
18:00 食事
19:00 差別についての続き。先刻、グループごとに話し合ったことを全員で共有。その後、池住氏の出された絵(左には農夫を苦しめている地主が、右にはその農夫に苦しめられているその妻が示される)を見て、そのような上下関係が、現実にはどの様に存在しているか、話し合う。挙げられた例としては、上司と部下とその妻、教師と先輩と後輩など。
20:30 Trops(sportの逆で、勝敗がなく相手と協力することを楽しむワークショップ)。2人一組で、相手が指を何本出すかを感じ取ったり、目をつぶって手を打ち合わせたり。最後には、全員でHuman Chair。
  ワークショップ終了

=神戸の小学生殺人事件の犯人が逮捕されたニュースに騒然=

21:00 宴会。それぞれに盛り上がる。
6月29日
8:00 朝食
9:00 ワークショップ開始。それぞれの名前が書かれた紙を引き、その紙に書かれてある人の真似をし、当てあう。その後、その感想を話し合う。
10:30 池住氏の出された絵(空には鳥が、水中には魚がいて、それぞれ吹き出しが出ている)を見て、4人グループごとに、その吹き出しを埋めるというワークショップ。その後も、池住氏の出された様々な絵を見て、援助とはどうあるべきかについて考える。
11:30 最後にこの合宿で気付いたこと、考えたことを出し合い、一人ずつに握手とコメント。
12:00 軽く掃除をして、解散。

 

【新歓合宿の反省と感想】

 今年の新歓合宿では、去年内容を詰め込みすぎて忙しすぎたという反省から、内容をワークショップに絞ってAHI(アジア保健研修所)からファシリテーターの池住さんをお招きして行われました。ふだん例会後に行うワークショップとは、時間も場所も参加人数もファシリテーターも違って、非常に内容の濃いワークショップになったのではないかと思われます。

 個人的な感想を書かせていただくと、特にどのワークがよかったかというと特に思いつかないのですが、合宿全体を通して池住さんの作り出す場の雰囲気のおかげでとてもリラックスして、それぞれが持つ意見や日頃の思いを真剣に語り合えたことがぼくにとっては大きかったように思います。まさに「ワークショップ」というものは、それぞれの参加者が持っているものを出し合って作り上げるものであり、「ファシリテーター」というのはそれを手助けするだけの(しかしその「だけ」が難しい…)役割なのだと実感しました。

 最初に池住さんが「これから何についてのワークショップをやりたいと思っているのか、それを出してください。たぶんここにくれば何かファシリテーターが面白いことやってくれるんだろうと思って来たと思いますけど。」ということを言われました。そしてそこかたそれぞれが思い思いのテーマを上げて(例会で何したいか聞いても全然意見がでなかったのに…。結局それがファシリテート能力の差なのでしょう。)、そこから合宿で何をするかをあわてずに作り上げていくという形は、それまでぼくが受けてきた「ワークショップ」とはひと味もふた味も違ったものでした。今回の合宿で経験した不思議に居心地のいい雰囲気や空間を言葉で言い表すのはとても難しいのですが、それもまた池住さんのワークショップの持つ不思議な魅力なのかなと思うのでした。

(たおか なおひろ・しのはら あつみ)

 

 

1997年度前期活動報告のページへ

ユニトピア 1997年度目次へ