古本市を終えて

1997年古本市担当 安藤 雅樹


 古本市が今年も無事終わりました。回収、整理、当日の準備と販売、片付けなど作業をしていただいた方、おつかれさまでした。正式な収益金の額はまた会計のほうから報告があるかと思いますが、おそらく一昨年と同じぐらいの額(85万円くらい?)になるのではないかと思います。

 1回目は天候に恵まれたのですが、2回目は残念ながら雨が降ってしまいました。しかし、それにもかかわらず2回とも客足はかなり順調だったような気がします。これは立て看やポスタ−を例年より早い時期に作ったことや、中央食堂に三角柱をしつこく置いたこと、当日の誘導ビラを大量に貼ったことなど、情宣がうまくいったことを示しているのではないでしょうか。あと、古本市の知名度があがっていることも客が増えたことの一つの要因だったと考えていいかと思います。ただ、客は増えたのですが、それがなかなか売り上げにつながらなかったという面も否定できません。それは一つは整理が満足にできていなかったということが原因となっているような気がします。本の見にくさ、ということも解決できていませんでした。

 結果的には大きな問題はなかったようにも見えるのですが、重大な問題が今年、表面化したような気がします。それは、古本市というものが一種の行事となってしまっていて、その本来の意味というものが忘れ去られてしまったのではないか、ということです。

 本来の意味、というものは言うまでもなく「南」の国を支援する活動をしているNGOなどの団体に、学生のできる範囲での協力として、古本市を行ない、その収益金を寄付する、ということであったはずです。これは、ユニセフクラブというある程度の労働力を持つ団体だからこそできる活動ではないでしょうか。少なくとも財力のない学生が個人で行なえるものではない、と思います。

 つまり、この古本市はユニセフクラブのメンバ−が全員協力しあって初めて成功するものであるはずです。しかし、今年はさまざまな部分で人手不足が目立ちました。例えば古本を古本回収BOXから回収する作業、古本の整理(今年は3日に渡って行ないました)、当日の(特に2回目の)作業などです。こちらの連絡不足、という一面もあるかと思いますが、それよりも問題なのは、みんなの作業という意識が欠けていることだと思います。ただの年中行事として、一部の人に任せて自分は傍観するぐらいなら、別に無理して古本市をやることはないと思います。もう一度古本市をやる意義、というものを考えてみることが必要ではないでしょうか。

 ま、何はともあれ、古本市は終わりました。僕自身は一つの行事について(毎年恒例の行事とはいえ)責任を持つ立場をまかされ、非常に勉強になりました。この経験が生かせる日がいつかくるでしょう、‥たぶん。

(あんどう まさき)

 

 

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