2008年7月28日

土浦市立図書館

  高野秀男様


図書館問題研 究会

                                委員長 中沢 孝之

   

『文集つちうら』の回収について


 私たち図 書館問題研究会は、住民の学習権と知る自由を保障する図書館の発展を目指して活動する個人加盟の団体です。公共図書館職員をはじめ、その他の館種の職員や 住民が会員となり、全国の支部で活動しています。

 さて、私 たちは2008年7月5日付毎日新聞朝刊の記事で、貴図書館が 所蔵する『文集つちうら』を、市教委が「個人情報に当たる」との理由で回収したことを知りました。

保護者の同意も取ってあり希望者に販売もしていて、本来は公開に支障のないはずの公刊資料を突如閲覧停止して回収したことの理由が、この記事だけでは私た ちはどうしても理解できません。これまで貴館は優れた図書館運営してきたものと認識しておりますが、報道が事実だとすれば、非常に残念な措置と言わざるを えません。

また、同記事で、文集の内容が「思想信条に値」すると市教委は説明したとありますが、図書館におかれている蔵書のほとんどが多かれ少なかれ「思想信条に 値」するものであり、それ故に公開を拒否するという対応は、図書館の存在意義自体を否定するものです。市教委の説明が記事どおりだとすれば、むしろ「文 集」は「思想のひろば」である図書館において公開されなければなりません。

貴館が今回取られた措置について、報道されていることが事実かどうか、また、事実としたら、そうするに至った理由と経緯について、私たちにお教えくださ い。

日本の全ての図書館が掲げている「図書館の 自由に関する宣言」にあるように、市民の知的自由を最大限守ることは図書館の重要な責務であり、「図書館の自由」は図書館で働くすべての職員が理解し実践 しなければならないものです。

貴館もこのことは充分認識されているものと 思いますが、今回の措置に対して再度職員間で議論し、『文集つちうら』の扱いについて再考いただくよう要請いたします。

また、併せて今後の対応などもご説明いただ きますよう重ねてお願い申し上げます。