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「通信傍受法」(「盗聴法」)の廃案を求める決議


 公共図書館は、資料提供を通じて、住民の知る権利を保障し、民主主義を支える機関である。
 図書館にとって、表現の自由(憲法21条)が十分に保障されることは欠かせない前提である。
 ところが、現在、国会で審議されている「通信傍受法」は、
@政治・労働運動、学問研究、報道、出版に関わる個人・団体をも対象とし
Aまだ起きていない犯罪も対象とし
B立会人による実効的なチェックがなく
C被傍受者のすべてに傍受の事実を通知することを義務化しない
という内容であり、恣意的な傍受と不法傍受による情報収集を許容するものである。
 従って、組織犯罪を抑制する効果が疑問とされる反面、事前検閲を正当化する恐れを多分に持つものであり、とうてい容認できない。
 また、当法案の国会上程はきわめて唐突であり、これまでの国会における審議では多くの国民世論の疑問や不安をますます広げるものである。
 以上の理由で、この「通信傍受法案」の廃案を求めるものである。

1999年7月6日
図書館問題研究会第46回全国大会
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