2008年10月8日
堺市立中央図書館長
河野 俊英様
堺市立図書館における、所蔵資料(BL図書)の取扱について
図書館問題研究会
委員長 中沢 孝之
貴館におかれましては、当会の活動に対し、日頃よりご理解ご協力を賜り、御礼申し上げます。
図書館問題研究会は“住民の学習権と知る自由を保障する図書館”の発展を目指して活動する図書館員、住民、研究者など図書館に関心を持つ人たちによる個人加盟の団体です。
さて、このたび貴館では、市民の方からの申出により、所蔵する「BL図書」をすべて書庫に入れ、今後収集や保存を行わず、青少年に提供しないとする方針を打ち出されました(堺市ウェブページ「市民の声」Q&Aより)。この措置は「図書館の自由」に反するのではないかという声が会の内外からも多く寄せられており、貴館が採られた措置について詳細を伺うため、別紙の通り質問をさせていただきます。
お忙しいところ恐縮ですが、趣旨をご賢察の上、ご協力を賜りたくお願い申し上げます。
なお、設問は図書館問題研究会会員メーリングリスト及び、雑誌「みんなの図書館」に掲載いたします。いただいた回答も同様に多くの方への情報提供としてホームページ及び「みんなの図書館」誌上に掲載いたしますのでご承知おきください。
また、まことに恐縮ですが、10月22日までに回答いただきますようお願いいたします。
末筆になりましたが、貴館のますますの発展をお祈りいたします。
回答送付先
図書館問題研究会
101-0061
千代田区三崎町2―17―9 マルヨシビル201
TEL 03-3222-5030 FAX03-3222-5034
質問項目
このたびの措置について、経緯を具体的に教えてください。
本件措置について館内での議論はどのようなものでしたか。書庫入れや収集・保存の停止は全職員が協議し下した結論ですか。また、教育委員会や市当局ではどのような議論がなされましたか。
「市民の声」を寄せられた方に、多様な資料やリクエストのある資料を提供するという図書館の役割や「図書館の自由」を直接説明し理解を求めましたか。
5,499冊の資料を「BL図書」と認定していますが、これは誰が、どのような基準で判断したものですか。
可能であれば、該当資料5,499冊の書名(シリーズ名)リストをご提供ください。
「BL図書」を「収集、保存しない」と回答していますが、これは5,499冊の資料を除籍・廃棄するということですか。もし除籍するのであれば、どのような除籍基準によるものですか。また、今後収集しないとのことですが、収集基準はどのように変更されましたか。
本件措置で「BL図書」を提供しないとされる「青少年」の定義はどのようなものですか。
該当資料の中で「有害図書」に指定されていた資料はありますか。指定されていない資料を「青少年に提供しない」という措置の理由及び根拠規定は何ですか。また、「BL図書」以外に、青少年に提供していない図書館資料はありますか。
青少年に提供しない理由が、「青少年の健全な育成を図る」といった理由である場合、「BL図書」のどのような部分が、「青少年の健全な育成を図る」ことをどのように阻害すると考えますか。具体的にお答えください。
今後、「BL図書」と思われる資料へのリクエストがあった場合、どのように利用者に提供しますか。青少年と青少年以外の利用者の場合でお答えください。
「BL図書」はどの程度利用がありましたか。その内、青少年の利用はどの程度の割合でしたか。また、貴館では「BL図書」を青少年サービスの一環として収集・提供していたのですか。
今回の措置は「図書館の自由に関する宣言」に基づくものと考えますか。理由を含めてお答えください。