図書館問題研究会2007年度 任務と課題

1.図書館の原則
(1)教育基本法の改定に臆さず、憲法の精神にのっとり、住民とともに図書館法を守ろう。
(2)無料原則について、さまざまな事例を出し合いながら積極的に討議しよう。
(3)図書館法に住民主体がうたわれている。この基本に立ち返り、住民とともに住民が望む図書館サービスを考えよう。

2.委託・指定管理者
(1)指定管理者制度は、公共サービスのありかたや運営など様々な面からみて良い制度ではない。指定管理者制度が導入されてから数年が経過した図書館の、 サービスの実績や現状把握の調査をしよう。
(2)指定管理者制度や委託の導入などの動きをいち早く察知し、住民に広く知らせよう。ふだんから住民と図書館員との良好な関係を作っていこう。
(3)直営を堅持する中で生じるさまざまな問題を直視し、その解決に努めよう。

3.図書館政策
(1)住民と図書館員は、図書館が何をすべきか、どうあるべきか、その使命について積極的に対話し、図書館政策づくりに努めるとともに、その実現に向けて 努力しよう。
(2)図書館員は、図書館の自己評価に努めるとともに、外部評価も含めた住民の参画する評価システムをつくろう。評価のための評価ではなく、運営に活かさ れ、図書館員の能力向上につながる評価システムをつくろう。
(3)経費節減としての安易な「協働」ではなく、住民の自主性・自発性が尊重され、住民と図書館がともに育ち、地域を豊かにする協働を進めよう。

4.資料提供
 (1)図書館資料費獲得のために努力しよう。また、市町村立図書館支援につながる県立図書館の予算獲得に努めよう。
(2)市町村、図書館、住民と協力して、市町村立図書館支援のための要望を県立図書館へ出そう。
(3)各自治体内での資料搬送は、それぞれの自治体が責任を持つように努力しよう。市町村間も含め県内の資料搬送は、県立図書館が責任を持とう。
(4) 県外からの相互貸借を含む予約・貸出を阻害する要因を洗い出そう。利用者の立場で、いかなる資料も否定せず、無料の原則を前提として提供できる方法をさぐ ろう。

5.子ども
(1)「子ども読書活動推進計画」に基づく実施計画を作成しよう。また、実施状況を具体的に評価、公表し、課題をあげて取り組もう。
(2)「文字活字文化振興法」の理念に基づき、学校図書館を活性化するために、学校司書の配置と11学級以下の学校への司書教諭の配置を求めていこう。
(3)子どもの読書にかかわるすべての人たちの間で積極的なコミュニケーションを図り、ネットワークづくりを進めよう。

6.図書館利用の障害
(1)図書館利用にさまざまな障害のある人がいることを認識しよう。
(2)それぞれの障害に応じたコミュニケーション手段を工夫しよう。
(3)図書館員は、図書館の外に出て、病院・福祉施設・教育施設・更生施設、図書館利用に障害のある人たちなどと積極的に連携していこう。

7.図書館の自由・危機管理
(1)「利用者を守る」「職員を守る」「資料を守る」体制を確立しよう。
(2)防犯カメラの取り扱いについて、記録の保存その後の運用まで含め、慎重に議論しよう。また、取り扱い規定の必要性や利用者への説明責任について認識 しよう。
(3)図書館の自由、図書館の危機管理の事例を積極的に収集し、情報を提供し共有していこう。

8.職員問題
(1)図書館で働く多様な人々の労働条件の問題を直視し、その解決に努めよう。また、非正規職員の現状について各支部で調査しよう。
(2)図書館職員問題について問題意識を持ち、非正規職員、非会員を含んで話し合える場を各支部でつくろう。

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