分譲マンション基地局問題を知らせるビラ
作成者:同マンション住民
アンケート実施の前に学習会を提案します
みなさん、こんにちは、○○○号室の○○です。マンション管理組合理事会は居住者に対し、突然アンケートで「基地局設置の賛否を問う」と言い出しました。
私たちマンション住民は、まだ携帯電話中継基地局(アンテナ)のもたらす問題点を詳しくは聞いておりません。こんな段階で賛否のアンケートをとるのは時期尚早ではないでしょうか。もし問題があると後でわかった場合、十分わからない段階の今、判断すると後悔するおそれがあります。一度契約結べば、契約期間は10年と長いのです。
私は、賛否のアンケートをとる前に「ソフトバンク側と電磁波問題に懸念を示している市民団体、の双方を呼んでの学習会」を提案します。基地局のメリットとデメリットの双方の可能性を私たち住民が十分把握してから、アンケートをとるべきだと思うからです。
子供の電磁波健康影響は大人の10倍です
電磁波の健康影響はまだクロ(有害)でもシロ(安全)でもなく、灰色な段階です。ですから、2011年5月31日にWHO(世界保健機関)のIARC(国際がん研究機関)が発表した「高周波のヒトへの発がんリスク」も「2B」(発がん可能性あり)としたのです。「2B」とは30%〜40%の発がんリスクを示すランクで、100%発がんリスクがあると断定したわけではありません。
それともう一つ、子どもは身体の組織や器官が未発達な段階なので、電磁波の健康影響は大人の10倍感受性がある、と海外の研究者は警告している点です。
年々電磁波に関する研究は進んでいて、これからも『健康に影響あり』とする研究結果が出てくるかもしれません。私もにわか勉強で、まだ電磁波についてはわからないことだらけです。私たち大人が少ない材料で判断するのでなく、基地局設置賛成派と反対派のそれぞれの専門家から話を聞いてからマンション住民一人ひとりが判断しても遅くはないのではないでしょうか。
お金より健康問題のほうが大事ではないでしょうか
管理組合理事会の方々が、基地局設置による携帯会社からの賃料をマンション管理組合として有効に使いたいというお気持ちはわかります。
しかし、国際的機関でも電磁波の健康影響は「灰色」とし、決して安全とは言ってないのです。日本の総務省は「電磁波が健康に影響ありとする確固たる証拠はない」という見解ですが、電磁波問題市民研究会(電磁波問題に取り組んでいる市民団体)が総務省と交渉したら、「電磁波が健康に安全だという確固たる証拠もない」と担当者は答えたそうです。まさに総務省も本音では「電磁波の影響は灰色」だと考えているのです。
基地局設置に伴う賃料は、1世帯当たり月々に換算したら、それほどの額ではありません。もちろん、ないよりあったほうがいいです。でももしも将来、電磁波の健康影響がマンション住民や周辺住民に出たら、だれが賠償してくれるのでしょうか。ソフトバンクや総務省は決して賠償しないでしょう。せいぜい「当時はそうした知見がなかったから」と言って逃げるのは明らかではないでしょうか。健康問題はなによりも優先すべきだと思います。
契約する前の今が一番大事な判断時期です
電磁波の健康影響は「急性影響」と「慢性影響」があります。総務省が電波防護指針値の根拠にしているのは、あくまで「急性影響」(電磁波の熱作用と刺激作用)でしかありません。総務省が参考にしているICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)は「慢性影響」(電磁波の非熱作用)について「わからない段階だ」と言っています。そして「慢性影響は今後の研究を待つ」とし、「ない」とは言っていません。まさに「灰色」なのです。
ドイツではマンションに携帯電話基地局を設置すると、資産価値が下がり固定資産税が下がります。また、賃貸居住者は基地局設置マンションのオーナーに「賃料下げ」を交渉する、とドイツのテレビは放映しています。
私たちの大切な資産であるマンション価値が下がる可能性がある基地局の契約更新に、私は反対です。
どうぞ、みなさまの良識ある判断を仰ぎたいのと、「電磁波学習会」の提案をいたします。
(なにかありましたら、お気軽にお電話ください)
(電話 ○○○○―○○○○)
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