山を切り開いたり田を埋め立てたりして、田園の一郭に一つの町が出現する。町並みは整備され、公園、学校、マーケット。過疎地が生活に便利な町に変わる。千数百世帯が住んでいる。テレビアンテナの無い景観美が売出しの一つでもあった。したがい、ケーブルテレビ契約は購入条件であった。町並みの調和美が建て売り住宅の価格を引き上げていた。ところが、昨年の12月に引っ越しをしてきた人が、周囲に何の断りもなく、1月始めに、アマチュア無線の大きな鉄塔を突然建てだした。中止を要請したが、聞く耳を持つ人ではなかった。近所にも、自治会にも、管理組合にも、一切連絡はなかった。にもかかわらず、管理組合の了承を得ただの、近所の了承を得ただの、管理会社が許可しただの、調べれば直ぐに判る嘘をつき、周囲を唖然とさせた。
鉄塔以降、テレビへの受信障害が始まった。管理会社は、「アマチュア無線で障害が起きているのだから、うちは関わりがない。」と、調査もしようとしない。関東電気通信監理局へ連絡すると、ケーブルテレビの場合はケーブルテレビ会社から連絡させるように、と言う。管理会社の何とも無責任な体質が見えてくる。
鉄塔について、調べるうちに、強風、台風、地震による倒壊の危険、電磁波のもたらす健康破壊など、様々な警鐘がきこえてきた。隣との境界は人一人が通れる隙間だけ。電磁波の影響はモロに受けることになる。倒壊すれば下敷きになりかねない。
電波障害はエスカレ〜トして、怒鳴るような声の交信がラジオやテレビに入るようようになり、特にテレビはハチャメチャ。消すと、数分後にパチッとついてしまった。以降恐くなって、出掛ける時は、コ〜ドが抜かれているか、ノイロ〜ゼぎみに点検。
蛍光灯が波打ったような光かたをしたり、エアコンが唸りだしたり、電話の声が通じなかったり、これらが皆、鉄塔建設後におきだした。近所にも広い範囲で電波障害が起きており、前の家は電熱機が2回も誤作動したと言う。抗議をしても、「うちは電波流していない。他だ。」 毎夜、鉄塔を上下させる、大きなを響かせているにもかかわらず。
アマチュア無線連盟によると、増幅機を使った違法電波の場合、摘発が非常に難しいそうだ。管理局も、「現在、酷い電波障害が発生しています。」と連絡があったとしても、調べにいける態勢にはないと言う。
幾度も幾度も、連絡や交渉を繰り返しながら見えてきたことは、違法電波を取り締まり、摘発、処分といった法的規制を期待するのは非常に難しいと言う事だった。それが判っているから、不良無線家はやりたい放題。このような実態が文化国家と言えるのだろうか。増幅器を使えば千ワット以上の出力が可能で、近所の火災を引き起こした実例があり、特に冬場は危険だと言う。証拠が何も残らない犯罪行為が、罷り通りかねない。また、無線鉄塔からどのくらいの電磁波が出て、それが身体にどのような影響を及ぼすのか、調査や研究がなされているのだろうか。国民生活センターの電話相談で、電磁波の危険をさけるために引っ越しを勧められた。気付いたら癌になっていたでは遅すぎる。しかし、逃げているだけでは問題は解決しないのではないでしょうか。
過去に、アマチュア無線により何らかのトラブルを経験された方、情報をお持ちの方、御一報くだされば幸いです。手探りの闘いは始まったばかりです。今夜も、テレビ画面にビートと呼ばれる線が、縦横斜めに走り出しました。どこまで酷い画面になることか。テレビのスイッチは切れても、電磁波のスイッチは切れません。
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