<電源開発が安全という資料をもってきたが>
30年以上も27万5千Vの電源開発の高圧送電線の下に住んでいたところ、20年位前から白血病が減少し、どこの病院でも原因はわからないといわれてきた。ところが、テレビで電磁波公害を知り、電磁波のせいと思ったので、送電線から離れて住んだら治った。そこで電源開発の人に抗議したら、「電磁波のせいではない」とNCl(米国立がん研究所)の報告を持ってきた。その報告には、「2ミリガウス以上の磁界曝露においても有意な増加はなく因果関係があるという結果はしめされていない」「最も暴露量が多いと仮定できるカテゴリーにおいてもリスクの増加はなく関連性は認められない」と書いてある。そこで、電源開発の言うことには、「NCIの結論は磁界が小児白血病のリスクを増加させるという証拠は見出たされなかったとしている」とのことである。これについてはどうなのか。
<電磁波問題市民研究会からのコメント>
このNCI報告は「リネット論文」ともいわれていますが、たしかに「2ミリガウス以上では増加率1.24ですが95%信頼区間という疫学上の条件を満たしておらず有意ではない」と示しています。しかし、4ミリガウス台で3.28倍、3ミリガウス以上では1.72倍で、しかも、両方ともに95%信頼区間が1以上ですから「有意」です。したがって電源再発の人はNCI報告から自分たちの都合のいい部分だけを取り出して説明しているのです。
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