[注:個人名関連は「*」であらわす]
小田原市市議会議長 穂坂英山様
平成12年2月22日
携帯電話およびPHSの無線基地局の設置規制条例の制定を求める陳情書
********* 小田原市**********
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携帯電話およびPHSの普及と音質や機能の向上にともない、市内は無線基地局(アンテナ)が多数設置されている現状にある。
無線基地局からは恒常的に人体への吸収度が高い高周波の電磁波であるマイクロ波が放出されている。マイクロ波の長期継続的被曝による身体的影響として、睡眠時のホルモン分泌低下による成長・免疫・生殖能力の低下や、ガンや白内障などの疾病の誘発が指摘されている。安全性が疑われるゆえに慎重に回避することを勧める識者もいて、世界各地で基地局の設置反対運動が起きている。
郵政省電気通信局電波部移動通信課(電話:03-3504-4874)および関東電気通信管理局(電話:03-3243-8695)に安全を保証する法規制の有無について問い合わせたところ、
「電波防護指針の値はアンテナ接触時の熱による身体的影響を防護するためのものであり電波法で定められた最大出力は他電波への妨害を回避するための値である。微弱マイクロ波の長期継続的被曝による身体的影響については調査研究中であり、結果がでるまでにはあと三〜五年を要する。」とのことであった。したがって、携帯電話の歴史が浅いため、現在のところは基地局周辺の人々への無害を保証する基準が存在しない。
基地局は各電話会社が共通利用できないため、一社が設置すると電波干渉による音質低下を防ぐため、他社も追随して近くに設置するので、複数の基地局から電波を受けている区域が多数ある。たとえば、市立酒匂幼稚園・小学校至近には四社五基が存在する。
携帯電話やPHSの普及率の上昇と多機能化にともない、基地局の増設や出力増強が予想されるが、市内の電力密度が今後更に上がることを不安に思う。
基地局の安全性が確立されていない限り、電波を受ける周辺住民の了解なしに基地局が設置されるのは不当なことで、設置の可否については近隣の意志が尊重されるべきであるしたがって、新規設置にあたっては、電話会社に自治会レベルで説明会を行うことを義務づけ、また、既設のものについても、住民から求めがあった場合は、自治会長を通して説明会を開き、自治会の承諾を得るのが当然である。
市内の幼稚園や学校の周囲に複数の基地局が設置されている現状は、記憶力・精神力・免疫力の低下が指摘されているため、望ましからぬことである。特に、携帯電話を使うことが無く成長が著しい時期にある幼稚園や保育園の園児にとって、基地局は百害あって一利無しである。したがって、児童の健全な育成が阻害されるのを避けるため、基地局は、電力密度が高くならないように、文教育施設から一定の距離を置くべきである。神奈川県では複数の市(横浜・川崎・相模原等)で市立学校内の基地局が全て撤去されている。また、米国カリフォルニア州では、教育施設や病院から離すよう勧告が出されている。
山近病院の隣に携帯電話基地局が立ち、小田原循環器病院の屋上に高出力型PHS基地局が二基立つなど、医療機関の至近にも設置されているが、建物に電磁波シールド対策がなされていない限り、入院患者の回復を妨げる恐れがあるので好ましくない。
基地局は、その電話会社の携帯電話を持つ人の用益にしかならず、万人が使用できる公衆電話と異なり公共性は無い。携帯電話を持たない人にとって、基地局の電磁波は不用なものである。
「児童福祉法」や「児童の権利に関する条約」に謳われている児童の心身の健全な育成また、成人においても憲法にある健康な生活を営む権利を不当に侵害されてはならない。小田原市民の健康を私企業の利益追求のための電磁波公害から守るため、この問題を特例市を目指す小田原市にとって重要な環境問題として捉えていただき、現状写真や有害性の指摘、設置反対運動についての添付参考資料をご高覧のうえ、是非とも無線基地局の設置に次のような条件が設定されることを求める。生殖への影響の指摘もあるため、これは少子化にも繋がる問題である。
項目
以上