米国で携帯電話の大規模集団訴訟起こる

超大物弁護士ピ−タ−・アンジェロスが乗り出した。

□第二のアスベスト訴訟となるか
 頭部に密着させて使用する携帯電話から出る電磁波の影響で脳腫瘍になるという不安は世界的に共通している。「訴訟の国」アメリカではすでに何件か患者や遺族から訴訟が起こされているが、いままでのは個人レベルの訴訟であった。
 2000年12月6日、弁護士ピ−タ−・アンジェロス(Peter Angelos)はジョアンヌ・ス−ダ−(Joanne Suder)弁護士と携帯電話訴訟で共同行動をとる契約を結んだことで携帯電話訴訟は新たな局面に入った。
 というのは、ピ−タ−・アンジェロスという人物が過去にタバコ訴訟とアスベスト(石綿)訴訟で勝利し、両業界から数十億ドル(数千億円)勝ち獲った超大物弁護士だからである。

□集団訴訟の威力
 集団訴訟(class action)は日本にない制度でここで勝つと訴訟していない人でも同じ要件を満たしていてかつ申し出れば損害保障が受けられるという制度だ。だから米国ではタバコやアスベストによる肺がんの損害賠償で天文学的な金額が出るのだ。

□携帯電話訴訟で勝てると見たか
 アンジェロスは本部事務所はボルチモアにあるが6州で110の弁護士・法律事務所を抱える大弁護士である。
 この訴訟は昨年8月、内科医師クリストファ−・ニュ−マンが脳がんになったのは携帯電話が原因だとして、ジョアンヌ・スーダーに弁護を依頼し起こしたものだ。
 アンジェロスはスーダーと組むのは「90%勝つ見込みがあるからだ」と語った。
 いずれにしても、ピーター・アンジェロスほどの大物が登場するくらい海の向こうでは電磁波問題が大きな健康問題としてクローズアップされているということだ。
 それに比べると日本は明らかに電磁波問題後進国の烙印を押されそうだ。


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