<定例会雑記>
2012年1月17日の定例会では、スポーツキャスター・佐々木信也さんのお話を聞きました。佐々木信也さんはオールドファンにはなつかしい人であり、フジテレビ『プロ野球ニュース』の草分けキャスターで、同番組キャスターを12年間務め、スポーツキャスターの分野を切り開いた人です。現在もBSでキャスターを務めています。
佐々木信也さんは、古くからの当会の会員です。これほどの人をそのままにしておくのはもったいないので、今回お話をせがんだのです。プロ野球ニュース時代も、さわやかな語り口が佐々木信也さんの魅力の一つでしたが、今回も、滑らかなお話を聞くことができました。
佐々木信也さんは神奈川県の湘南高校を出て慶応大学に入り、同大学の野球部で大活躍を行い、プロ野球に入りました。大学の同期生が藤田元治元巨人軍監督であり、湘南高校の同期生が石原慎太郎(現・東京都知事)だそうです。ただし、石原慎太郎は2年留年しているため、年齢は佐々木信也さんより2歳上です。そういえば、雑誌・文藝春秋の巻頭「同級生交歓」コーナーで、石原慎太郎と佐々木信也さんが紹介されていました。
佐々木信也さんのお話は多岐にわたりましたが、特に、スポーツ選手の心理の話が興味を引きました。ビッチャ―が突然荒れ、相手チームのランナーが塁を埋めると、よくピッチャーの周りを内野手が取り囲み、ひそひそ話をする場面がありますが、ああいう時どんな話を交わしているか分かりますか。「がんばれ」なんて激励するのは愚の骨頂で、まったく野球と関係ない話をして、ピッチャーの心の呪縛を解くのが、効果ある方法だそうです。例えば、「観客席にいる、あの赤いセーター着た可愛い娘の電話番号、後で聞いておいてやるから」なんて話のほうが、ピッチャーの心の呪縛を解いて平常心を取り戻し、立ち直させるそうです。
このような話とは逆に、広島の名選手・高橋慶彦は、味方のピッチャーに「お前が下手くそだから、おれたちは困るんだよ」と言ってわざと怒らせるそうです。そうすると、言われたピッチャーが発奮して活躍するそうです。裏の裏を行くというか、相手の性格や日頃の特徴をよく把握し、それをうまく使う選手は、一枚も二枚も上をいく選手になっていくんでしょうね。