<海外情報>
判決日は2011年5月23日
ある大学の教授が慢性疲労や環境的電磁波過敏症にかかり、スペイン・マドリッドの労働裁判所は、彼の病気は一生涯続く障害であると認定する判決を下した。
この判決は従来の判決に比べてユニークであり、携帯電話電磁波による過敏症に対する今後の先例となる。判決の内容は、大学教授の基本給の100%(金額1640.8ユーロ)を彼に支給するというものである。
身体障害社会保障制度(EVI)の包括アセスメント(評価・査定)は、医師の診断を基に認定される。具体的には、慢性疲労症候群、小児脂肪便症(消化不良、下痢等を伴う慢性栄養障害)、繊維筋縮症候群、環境電磁波症候群である。それらの病気は、これまでは、身体障害としては無視されてきた。
判決の波及力は無視できない
マドリッドの労働裁判所は、国立研究所にたいして、今回のようなケースに当てはまるような、基準づくりに関しての問題提起をした。また、身体障害を申請する人の職業的専門性や業績に見合った仕事を遂行する上で、こうした症状が大きな困難として立ちはだかると述べることで、申請者の権利を判決は認めている。
認定をまかされた医療団体は、一生涯の身体障害年金を得る資格を持つ人々を擁護するために、このパイオニア的判決に応えようとするであろう。そして、医療的にも合法的にも十分な根拠がある場合は、医療団体はそのような身体障害を与える環境を、なるべく取り除こうする方向性を支持する。認定をまかされた医療団体は、身体障害や病気を申請する人々を擁護するためのパイオニアであり、1978年以来、技術的、医療的、合法的観点から、申請者に助言を与えている。