IH調理器で心疾患になったと提訴する

□三洋電機を訴える
 兵庫県神戸市で喫茶店を経営する夫婦が、店に導入したIH調理器が原因で不整脈等の心疾患になったと、三洋電機を相手取り、約8900万円の損害賠償訴訟を起こしました。
 IH調理器を喫茶店に導入したのは2004年です。その翌年には、調理担当のが心臓病になりペ−スメ−カ−を付けることになりました。そこで、妻が調理担当になりましたが、今度は、妻にも不整脈等の症状が出ました。そこで、2007年にIH調理器からガスコンロに替えたら妻の不整脈は軽減化しました。そのため、夫婦は自分たちの健康障害の原因がIH調理器だと確信しました。

□徳島大に調査を依頼
 これだけでは証拠になりません。そこで、夫婦は徳島大に調査を依頼しました。その結果、一定の条件でIH調理器に接触すると人体にも電流が流れることが判明しました。2008年には、三洋電機の担当者を呼んで実験を見てもらいました。
 こうした手順を踏んだ上で、夫婦は三洋電機を訴えたのです。三洋電機は、製品は技術基準をクリアしている、原告の主張は根拠がないとしています。
 オ−ル電化やIH調理器が普及している時代に、一石を投じる訴訟といえます。この訴訟の今後の展開が注目されます。


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