携帯会社が住民説明会で「基地局被害は妄想」と発言

□ひどい説明
 『サンデ−毎日』2009年8月30日号の署名記事(表題:穴のあいたバケツ)で、携帯電話基地局問題を取り上げていますが、以下のように、携帯会社のひどい態度が示されています。
 携帯会社の住民説明会の場で、住民たちが「兵庫県川西市では基地局付近で百数十人が吐き気やだるさや頭痛を訴えているがそのことについてどう思うか」と質問しました。その答えとして、携帯会社の人は「風評による妄想じゃないでしょうか。それとも、幻覚か・・・。集団暗示にかかってしまったのかもしれない」と話したと書かれています。

□自治会の調査を愚弄する発言
 住民が指摘した被害とは、ドコモ基地局が設置されている、兵庫県川西市の自治会が行なった調査に基づいたものです。この調査はアンケ−ト調査で、4733人にアンケ−トを配布し1542人が回答した(回収率32、6%)大規模な調査です。複数回答ですが、多くの症状を住民たちが訴えているのがわかります。
 この調査で特に注目すべきなのは、ドコモの基地局が設置された地区のアンケ−ト内容です。この地区には453部配布され157部回収されました。回収率は34、7%です。回収された中で、障害なし114人、障害有り43名でした。すなわち、障害率は27、4%でした。自治会全体の障害率は11、1%であり、基地局に近い所ほど障害率は高いと出ました。

□症状は多岐にわたっている
 このアンケ−トには以下の記述が示されています。
「24時間キ−ンと耳鳴り。朝晩に吐き気えづく(ママ)。年中電磁波浴び、不安です」
「軽い頭痛が続く」
「耳鳴り、不眠、吐き気、食欲不振」
「頭が重く、頭痛に。一時めまいがひどかった」
「近年、じんじんする」
「頭痛で肩こり、潮騒のような耳鳴り、めまい、精神的不安、腹痛、下痢」
「セミの鳴き声が常にある」
「平成15年から頭痛、頭重。平成18年から吐き気、めまい」
「近所で70歳代の夫婦が体調不良で引っ越しされた」
等々。
 これらがすべて妄想で幻覚で集団暗示だというのでしょうか。携帯会社は自分たちで調査をしようともせず、決めつけるのはあまりにも不誠実かつ不遜です。
 なお、兵庫県川西市の基地局は、住民の取り組みで撤去され、住民たちの症状は緩和されています。


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